【2020年】大学入試学部別志願者増減と将来を見据えた大穴予測

2020年度の大学入試も終わりましたが、昨年度で最後となるセンター試験の志願者数は55万7,699人(前年比3.3%減)と大きく人数を減らしました。特徴的なのが、受験方式変更とセンター試験の平均点ダウンのダブルパンチによる難関大の敬遠です。旧7帝大、早慶上智全て受験者を減らしています。これは過去始めてのことです。

この点、学部別で比較すると受験生の思考が垣間見えて面白いです。今年はコロナの影響もあり、学部の志向は更に変わっていくことになるでしょう。今回、予想を交えつつまとめたいと思います。

目次

2002年度 大学学部別志願者数増減比較

2019年度 2020年度 前年比増減 前年比増減率
理工 675,446 705,427 29,981 4.4%
66,439 71,934 5,495 8.3%
芸術 6,281 8,262 1,981 31.5%
医療技術 27,497 28,245 748 2.7%
獣医 5,024 5,405 381 7.6%
生命 31,192 31,198 6 0.0%
スポーツ 23,299 22,932 -367 -1.6%
3,033 2,391 -642 -21.2%
水産 7,481 6,692 -789 -10.5%
家政 19,391 18,529 -862 -4.4%
その他 108,000 107,045 -955 -0.9%
宗教 4,754 3,575 -1,179 -24.8%
看護 14,090 12,653 -1,437 -10.2%
情報 93,580 91,940 -1,640 -1.8%
心理 33,093 31,098 -1,995 -6.0%
観光 16,485 14,280 -2,205 -13.4%
外国語 43,388 40,333 -3,055 -7.0%
28,960 25,841 -3,119 -10.8%
社会福祉 19,903 16,330 -3,573 -18.0%
人間 59,339 55,689 -3,650 -6.2%
教育 56,141 51,863 -4,278 -7.6%
36,620 31,970 -4,650 -12.7%
教養 27,945 23,182 -4,763 -17.0%
政治 49,553 42,967 -6,586 -13.3%
123,784 117,140 -6,644 -5.4%
国際 123,481 116,122 -7,359 -6.0%
経営 245,097 233,889 -11,208 -4.6%
社会 188,027 170,596 -17,431 -9.3%
365,220 335,375 -29,845 -8.2%
259,882 228,124 -31,758 -12.2%
経済 338,393 303,101 -35,292 -10.4%
合計 3,100,818 2,954,128 -146,690 -4.7%

出典:大学通信、東洋経済臨時増刊「ほんとうに強い大学2020」の情報を基に筆者加工

完全に理高文低ですね。
志願者を大きく減らしている経済、法、文、社会系学部は抽象的な学問で、社会で役に立つかというとなかなか微妙なところです。
私も仕事で経営学は役に立つものの、マクロ経済やミクロ経済はあまり使ったこともないです。周りを見渡しても、多くが忘れてしまっています。

一方、理工や農学は専門的な学問で、興味ある旬な分野を直接学ぶことができ、企業からも引っ張りだこです。
このような状況が長く続いていますが、コロナで状況は変わったとはいえ、需要が逆転することはないでしょう。

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コロナを経て一変するであろう来年度の学部人気と大穴

コロナウイルスは大学生活にも甚大な影響を与えました。
入学式どころか通学もできず、退学を検討しなければならない学生も日々増えてきています。

個々の解釈次第で、大学自体が不要不急の存在になることもあります。

この点、将来が見通せない状態で、学生が正しく意思決定ができるかというと難しい点があります。
親と相談したとして、親が正しく予想するわけでもありません。

これは来年オリンピックが開催されるかどうかと同じぐらい難しい選択になります。

更に、理系か文系か、という選択は多くの受験生は既に決めているわけで、コロナで状況が一変したとしても、
理系から文系に代わる文転はできても、逆は難しいでしょう。

よって、個々の学生は、情報の非対称性が顕著な状況下で、選択を迫られることとなります。

この点、コロナによる問題を、他のウイルスも含めた長期的視野で考えるか否かで、思考は変わってきます。

収入を確実に得るという意味では、医、薬、看護など医療関係職は非常に良いことになります。
一方で、世界的に見て、たくさんの医療従事者がなくなりました。医者は頭の良い子供がなる職業というより、
命がけで人の命を守る職業という本質が明確になりました。

このため、相応の覚悟は必要になります。コロナより致死率が高いウイルスが表れたときも、基本的に患者を診なければいけないわけです。これは本当に大変なことです。

このあたり、受験生はわかっているわけですから、メリットとデメリットを天秤にかけて受験生が様々な選択をすることになるでしょう。

素直に考えれば、医療関係学部が増加するはず。一方で、理系の強みは再認識されていますので、手堅い人気となると予想しています。

一方、大穴として、今回のコロナ騒ぎで注目しておきたいのが資格専門職に直結する学部です。
私の周りで活躍している士業が目立ちます。困っている人をあまり見ない。

・コロナ騒ぎで多くの企業が従業員を解雇せざるを得ず、整理解雇するまでのプロセスを正しく経るため弁護士に頼っています。
・ころころ変わる雇用調整助成金の状況を正しく知るに、社労士の助言は非常に助かります。
・多くの個人・フリーランスが持続化給付金の要件やその他もろもろ申請できるものがないかと、税理士に頼っています。
・公認会計士が多く所属する監査法人は、(直ぐには)影響を受けないので、いつも通りの日々です。

これらは、まだ世間一般であまり認知されていないと思われますが、コロナで大過なく、潤っているところも多いです。

有事に専門職は強いと見られ、大穴として狙い目です。
学部を見るというより、その先にある資格と併せて志望すれば、短期的な事象に惑わされず、適切な進路が選択できるのではないでしょうか。

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