東京学芸大学附属小学校は都内に下記4校ありますが、どれも抽選倍率が高い人気の国立小です。
・東京学芸大学附属竹早小学校
・東京学芸大学附属世田谷小学校
・東京学芸大学附属小金井小学校
・東京学芸大学附属大泉小学校
ただ、これらの小学校は入れば安泰というわけではなく、茨の道が待っているのも事実です。
中学以降の進学において、内部進学の戦いか、外部受験(学校で中学受験のサポートはないと明言)の戦いに晒されます。
このため、受験前に将来の進路を調べておくことは必須です。
大泉を除いて内部進学先の高校は東大合格者も多い学芸大学附属高校となりますが、この内部進学は簡単ではありません。
東京学芸大学付属高校 合格者内訳 過去3年推移(附属中学校)
<小金井> | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 |
男子 | 27 | 31 | 27 | 28 |
女子 | 21 | 33 | 30 | 24 |
合計 | 48 | 64 | 57 | 52 |
<世田谷> | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 |
男子 | 38 | 45 | 47 | 47 |
女子 | 40 | 42 | 38 | 45 |
合計 | 78 | 87 | 85 | 92 |
<竹早> | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 |
男子 | 36 | 31 | 33 | 32 |
女子 | 39 | 32 | 39 | 38 |
合計 | 75 | 63 | 72 | 70 |
<3校合計> | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 |
男子 | 101 | 107 | 107 | 107 |
女子 | 100 | 107 | 107 | 107 |
合計 | 201 | 214 | 214 | 214 |
全体として、学芸大学附属小学校から附属中への内部進学は、他行受験希望者を除けば比較的容易ですが、高校は201名(2021年に214名から減少)という枠に対して、竹早中・世田谷中・小金井中の約480名の卒業生のうち内部進学希望者が、1月上旬に外部受験組に先駆けて別枠で試験を行います。ここでは中学受験を勝ち抜いて入ってきた層も含まれますので、非常に厳しい競争となります。
附属中学の生徒は、中学の成績(調査書)と学力検査で試験が行われます。面接は実施されません。
学力検査は5科目、各30分で実施されます。試験日程の関係で試験範囲には注意が必要です。
この点、小学校に通っている方は、高校受験のリスクを避けて、中学へ内部進学をせずに他校受験する方も多いのが実情です。
筑波小と同様、周りの先輩方、同級生は多くの方が早い段階で中学受験塾へ通っており、内部進学専用のクラスも多いです。特に女子は中学受験志向が高いですが、これは女子の高校での受け皿が少ないことも関係しています。
附属中学の高校合格者内訳は上記の通りで、年によって学校別のばらつきがあることがわかります。
外部受験希望者も年によって変わるので、どの学校が有利か、という議論では運にもよります。ただ、良くも悪くも高校の位置づけが昔の超難関よりは落ち着いているため、外部受験を希望する方も多く、実質倍率は低くなっていると思われます。
なお、附属中学向けの受験をして不合格だった場合、2月に行われる一般試験は受験できません。
今回、それぞれの小学校からの進学者数を整理したいと思います。
東京学芸大学附属竹早小学校
竹早小学校→竹早中学校(ほぼ全員)→学芸大学附属高校(ほぼ半数)
竹早小学校の定員は70名(2クラス)ですが、定員35名の幼稚園、竹早園舎からほぼ全てが内部進学する30名~35名がおり、ほぼ全てが竹早小学校に内部進学します。受験入学者定員は40名です。中学受験時は外部受験をする生徒もいますが、竹早中学校は幼少中の連携を重視する学校方針もあり、進学希望の生徒はほぼ全員が入学が許可されます。受験入学者90名と併せて160名となります。
中学から高校へは、一般の志願者と別枠で学力検査を受けますが、中学からの合流組と併せて、合格者は直近で75名。
希望者は凡そ半分程度が進学できる計算になりますね。中学受験組はペーパー学力がありますので、彼らとの競争で倍率2倍程度と考えるとなかなか大変な倍率です。
その他学校情報はこちら↓
東京学芸大学附属竹早小学校の特徴、学費、倍率、受験資格、試験内容:日本一門戸が狭い国立小学校 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
東京学芸大学附属世田谷小学校
世田谷小→世田谷中(約7割~8割)→学芸大学附属高校(約半数)
世田谷小学校、通常ガクセタは受験資格が細かく設定されているものの、一次抽選がなく全員が受けられる学校です。
小学校の定員は105名で、世田谷中学の定員は160名で外部受験枠は約60名です。小学校からは凡そ70%~80%程度が内部進学します。しかしながら、中学受験をするご家庭も多いため、希望者の多くは進学出来ていると考えて良さそうです。
中学から高校は竹早、小金井と併せてと同様、一般の志願者と別枠で学力検査を受けますが、中学からの合流組と併せて、内部進学の割合としては60%程度です。この他、外部受験する方もいるので、やや高校への進学率が高いと言えそうです。
とはいえ、他の小学校と同じく中学受験の外部組はペーパー学力がありますので、彼らとの競争は熾烈です。
高校への進学者は直近2021年度では78名に減少。中学受験組が60名いることを踏まえると、小学校から高校までの進学者は凡そ20名~30名程度と言われる計算と凡そ整合します。小学校からの内部進学者比率はやや低めであることがわかりますね。
下記は世田谷中の卒業生進学先です。進学先は実に様々で、リアルな実態がわかります。
その他学校情報はこちら↓
東京学芸大学附属小金井小学校
小金井小→小金井中(約8割)→学芸大学附属高校(半数以下)※過去3年増加傾向
小金井小学校には、同じ敷地に小金井園舎という幼稚園がありますが、竹早と異なり、内部進学はありません。
よって、世田谷、大泉と同じく、小学校からの募集となります。
小学校の定員は105名で、小金井中学校の定員は140名でうち外部受験枠が約60名です。
よって、中学で外部受験する方もいることを踏まえると、希望者の内部進学率は高いです。
一方、高校への進学は直近では48名に減少。中学受験組も一緒に受験することを踏まえると、竹早や世田谷と同様、相当の激戦となります。
東京学芸大学附属小金井小学校の受験情報まとめ(倍率、進路、受験資格、試験内容) | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
東京学芸大学附属大泉小学校
大泉小学校→国際中等教育学校(約6割)
→竹早中・世田谷中・小金井中(若干名)
→中学受験
大泉小学校は一般試験90名と帰国子女で構成される小学校で、他の3校と毛並みが異なります。
卒業時は120名前後で、隣接する中高一貫の国際中等教育学校に70名前後が進学します。この他、中学受験や、少人数となりますが他の学芸大学附属中(竹早・世田谷・大泉)への進学の道もあります。このため、進学希望者の多くが国際中等教育学校に進学できることとなります。
他の学校よりも進路について安定している一方、学芸大学付属高校ほどの大学合格実績はなく、中学3年次に受験することもできません。ただ、国際中等教育学校も半数弱が早慶合格するレベルで合格実績は高く、国際化というキーワードは今の学校のトレンドでもあり伸びしろもあります。
その他学校情報はこちら↓
【2022年度】東京学芸大学附属大泉小学校の受験倍率・学費・抽選・試験内容 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
コメント