本日は人気国立小学校の一つ、東京学芸大学附属竹早小学校のご紹介です。
日本で一番受験者が多い小学校が筑波大学附属小学校ですが、こちら竹早は日本一の受験倍率の高い小学校です。
竹早小学校の最寄り駅は茗荷谷と後楽園で、両駅の真ん中あたりに位置します。
両駅から歩いて15分ほどで、遠いですね。陸の孤島です。
茗荷谷からですと、春日通りをひたすら南に下ると、大通り沿いに校門があります。学校前にバス乗り場もあります。
このあたりは春日通りから一本入れば閑静な文教地区が広がります。
国立の筑波大学附属小学校やお茶の水女子大学附属小学校、公立で人気の窪町小学校が同じ最寄り駅ですが、それぞれ茗荷谷駅の反対側なので距離があります。黒い学帽をかぶっているのが竹早、青い学帽が窪町というように、駅前は名門小学校の学生で賑わっています。
竹早小学校の受験日程・受験資格:2021年度更新
竹早小学校の2021年度の受験概要は2020年9月1日、募集要項が開示されました。
・学校説明会は中止(8月25日~31日、オンラインにて動画視聴可能、内容は後述)
・募集要項、入学志願票の配布は2020年9月15日~18日の4日間(それぞれ10時~12時,14時から16時)
※上記重要ですので、各自HPにて最新情報をご確認ください。
なお、竹早小学校の2021年度受験日程は下記のとおりです。本年は何らかの変更がある可能性もありますので、上記公式HPもご確認ください。
内容 | 男児 | 女児 | |
第一次選抜 | 受付 | 9 月 29日(火)~ 10月 2 日(金)(当日消印有効) ※郵送に変更となった | |
抽選 | 10月 17日(土) | ||
合格者の受付番号開示 | 10月 17日(土)11時頃 | 10月 17日(土)13時頃 | |
第二次選抜 | 受付 | 10月 28日(水)・29日(木) | |
午前9時~ 11時 午後1時30分~3 時30分 | |||
発育総合調査 | 11月 25日(水) | 11月 26日(木) | |
第二次選抜発表 | 11月 27日(金) | ||
第三次選抜 | 抽選 | 11月 28日(土) |
本年、コロナ禍の影響で出願が郵送となり、抽選も「任意で選ばれた方」のみの参加となりました。
抽選後、合格者の受付番号が上記時間に開示されることとなり、この番号に従って二次の手続きを取っていくこととなります。
また、大前提として、竹早には下記の通り居住地による受験資格制限があります。初めて調べる方は下記ご確認ください。
次に、学芸大附属竹早小の特徴は、毎年説明会と願書配布のタイミングが早いことです。
竹早は9月中旬で願書配布期間が終わってしまいますので、注意が必要です。竹早に関しては募集要項
また、近隣に筑波小とお茶小があるので、併願する方が非常に多いです。
別途筑波小の記事でアンケートを実施しましたが、国立または私立小と併願する方が8割~9割程度のようです。
詳しく後述しますが、竹早は一次と三次で抽選があります。試験の要素に運の要素も併せ持った学校です。
なお、検定料は一次選抜が1,100円、二次選抜が2,200円です。
教室指導者からのメッセージ2021年度 東京学芸大学附属(大泉・小金井・世田谷・竹早)小学校
学費
竹早小学校の初年度学費は下記のとおりです。
PTA入会金(初年度のみ) | 20,000円 |
PTA会費 | 19,200円 |
給食費 | 55,200円 |
初年度合計 | 94,400円(二年目以降は74,400円) |
教育方針、求めるこども像
創立当初から一貫して「誠」の1字を校訓としています。
校訓は,児童のためのみならず、教職員も対象としています。
「誠」の精神を具体化するために、下記教育目標を設定しています。
「自ら学び,ともに手をとり合い,生活を切り拓く子」の育成
↓ 目標とする児童像として、下記細分化しています。
① 明るく元気に取り組む子
② よく考え工夫して学ぶ子
③ いつくしみ合い仲よく助け合う子
④ よい生き方を求め続ける子
特に重要視されており、受験上も意識すべきなのが
「いつくしみあい仲良く助け合う子」です。
教育方針と照らし、受験で重視されるポイントは下記に集約されます
・リーダーシップがある
・対案を意見できる
・チームをまとめることができる
・チームに加わり盛り上げることができる
学校行事・特徴
竹早の学校行事は下記のとおりです。
・1年生を迎える会:縦割り班が作られます。
・日光林間学園(春):4年生対象の2泊3日の宿泊学習
・春の縦割り遠足: 各クラス2名,計12名の縦割り班で行く遠足
・キッズフェスティバル:幼稚園~2年生による劇仕立ての行事。
・竹の子祭:3年生以上による演技、競技など手作りの行事。
・日光林間学園(夏):3年生以上が縦割り班で生活。3泊4日。
・教育実習生:2学期、学芸大学の3年生が各クラスで教育実習。
・日光林間学園(秋):5年生だけで行く2泊3日の宿泊学習。
・竹早祭:劇、お化け屋敷などクラス単位で行う竹早小学校のお祭り。
・秋の縦割り遠足
・日光林間学園(冬):6年生だけで行く2泊3日のスキー学習。
・6年生を送る会:縦割り班の解散の日、もうすぐ卒業式。
このように、私立小学校と比較すると派手さはありませんが、宿泊行事が盛んです。
原則給食ですが、週に一度お弁当の日があります。
特徴的な試みとして、4年生以上の高学年で実施される「たけのこタイム」では、隔週で100分の時間を取り、
生徒が自主的に好きなことを学べる時間となっています。
2020年8月(2021年度)オンライン説明会要旨
2021年度はコロナ禍により、上述の通りオンラインによる説明会となりました。
必要事項を記入すると、Youtube動画を視聴できます。時間は約20分です。
まだ視聴期間ですが、早速要旨を速報しておきます。
試験内容は未知数ですが、試験概要については大きな動きがなかった印象です。
見逃してしまった方は、下記を昨年度と併せてご確認頂ければと思います。
内容は下記の通りです。
①学校の性格と任務
大学と協力して先導的、開発的な教育研究を行う。
→独自のカリキュラム(幼小中の連携)→教育課程特例校として、新しい環境への不適応の対策
学芸大学の教育実証の場を提供
→年間2か月程度の実習期間があり、授業時間が不規則になることもある。→家庭の理解と協力が不可欠
②教育活動、教育目標、教育の姿勢
知・徳・体の調和を重視→過度に点数等にとらわれない、競争をあおらない
はじめに子供ありきで考える。自己肯定感を育てる。
学校行事の説明(上記と同様)
学年が上がるにつれ、教科担任制を徐々に取っていく。
③施設の説明
④安全上の取り組み
④受験上の説明
・本校独自の使命
・ 遠距離通学による子供への負担
・通学区域→東京23区で保護者と同居※
※願書提出時、入学後も卒業まで区域内に住むことが求められる。
・公平性を保つため、立ち入った質問へは回答不可
・正門前での駐車は厳禁。
2019年(2020年度)説明会要旨
2019年8月に説明会が実施されました。本年のお話の趣旨は下記のとおりですが、内容は昨年と同じでした。
校長先生・副校長先生のお話要旨
・自ら学び、主体性を育む教育を行っている。
・子供自身の考え方や行動を尊重している。
・1学年2クラスで、伝統的に家庭的。
・子供が新しい環境に適応できるよう、日々研究を行っている。
・大学と連携し、教育実習の場を提供。年間2か月は実習期間があるので、教育実習校であることにつき、保護者の理解が必要。
・校訓「誠」の精神、知・徳・体、自己肯定感を重要視
・通知表はないが、生活の記録を通じて自己評価。責任感を醸成する。
・1年生は学級担任が授業。2年生から音楽、図工が専任教師。3年生から英語、4年生から理科が専任。
・厳しい運営状況なので、保護者の協力を得る局面が多いこと。
ポイントは、私立と異なり、恵まれた学習環境で授業が展開されるわけではなく、保護者の参加ありきの学校ということ、教育実習が多い実験校として、授業内容が特殊であることでしょうか。
【2014年度~2020年度】受験倍率、他の国立との比較
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | ||||
男児 | 女児 | 男児 | 女児 | 男児 | 女児 | |
募集数 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
志願者数 | 1310 | 1160 | 1258 | 1184 | 1248 | 1163 |
一次抽選合格 | 340 | 347 | 354 | 347 | 349 | 348.9 |
一次抽選倍率 | 3.9 | 3.3 | 3.6 | 3.4 | 3.6 | 3.3 |
調査応募数 | 328 | 337 | 346 | 334 | 346 | 334 |
調査合格 | 42 | 40 | 46 | 47 | 48 | 45 |
二次考査倍率 | 7.8 | 8.4 | 7.5 | 7.1 | 7.2 | 7.4 |
二次抽選合格 | 20 | 20 | 21 | 22 | 20 | 20 |
最終倍率 | 65.5 | 58.0 | 59.9 | 53.8 | 62.4 | 58.2 |
上記は2014年~2020年度の男女別志願者数推移と、直近3年間の一次から二次抽選までの詳細です。上記から読み取れることは下記の通り。
・志願者は極めて安定して高水準で、男児の方が受験者が多い。
・男女合格者が同数であることから、女児が毎年有利。この傾向は続くとみられる。
・一次の抽選倍率が高く、凡そ3.5人に1人しかまともに受験できない(対策してても無駄となる。)
・調査の倍率は7倍超であり、十分な準備をしているお子様にとっては期待できる倍率。
・調査で合格しても、最後の抽選で半分落ちる(他の国立と同様)
・定員を超えて合格することもあり、1人でも多く合格すると倍率に大きく影響する。
人気の併願先で詳細比較してみましょう。
筑波大学附属小学校:1次抽選で半分超が通過し、2次で約10倍の試験、3次で3分の2が通過(筑波小倍率の詳細記事はこちら)
お茶の水女子大附属小学校:1次抽選で約15%が通過し、2次で4倍超の試験、3次で約半分が通過
竹早は上記2校の中間的な位置づけですね。1次は筑波より難しいですが、お茶の水よりは現実味があります。
二次の調査(考査)は、筑波よりは楽ですが、お茶の水よりは難しい。
準備していない方も含まれるとはいえ、楽な倍率とは言えません。
よく言われるのが、筑波、竹早、お茶の水を受験すれば、1次通過率の期待値は1に近づき、
どれか1校は受験できるであろうということ。こう考えると、世田谷や大泉を受験できる方は恵まれていますね。
西の方に住んでいると、学芸大附属小学校を二校受験できるチャンスが増えます。
東京学芸大学附属高校への進学率
竹早小学校は学校方針もあり、竹早中学までの進学は比較的楽ですが、高校は世田谷、大泉、小金井の学生と一緒に、附属中のみで試験を受ける必要があります。一般枠とは別に先だって行われますが、中学受験で優秀な層も入ってきますので簡単ではなく、凡そ半数が中学から高校に進学することとなります。
各中学校の進学者数は年度によって異なりますので、詳細な人数は下記記事にまとめてあります。

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