東京大学推薦入試:2019年度の合格倍率を出願者数と方針から予想する

皆さまこんばんは。

昨日、東大2019年度推薦入試の出願者数が発表されました。
全国の高校165校から合計185名(男子102名、女子83名)の出願と、過去最高の出願数を記録したとのことです。
出願者の高校所在地は、東京を中心とする関東が75名、その他地域が110名だそうです。凡そ40%が関東ですね。

このあたり、まだ推薦入試が始まって4回目で、ようやく傾向が見えてきたところです。この点、推薦入試は検討に値するものなのか、予想倍率とともに働くか考えてみたいと思います。

目次

東大の推薦入試とは?

2015年4月入学にあたる2015年度入試から実施されました。知識偏重の受験生ばかりでなくグローバルな視点を持った多様な人材を集めるべく、厳しい条件のもと、全国の高校で推薦されて初めて受験資格を得ます。倍率は学部によって差がありますが、1.5倍~5倍程度(平均は概ね2.5倍)です。

推薦入試を合格するためには、下記を全てクリアする必要があります。

①推薦を得るまでの校内のハードル
②書類選考を通過するための成果・アピール
③面接
④センター試験における一定の点数

まさに受験界のトライアスロン、非常に厳しいですが、現状は倍率がそれほど大きくないこと、一般受験と併願できることが救いです。

推薦入試のスケジュール

本年度(2019年4月入学)の推薦入試スケジュール概要は下記のとおりです。

平成30年
10月16日(火)~11月6日(火) インターネット出願登録
11月1日(木)~6日(火) 出願受付(出願書類・資料の郵送)
12月3日(月) 第1次選考結果発表
12月15日(土)・16日(日) 面接等実施
12月20日(木) 大学入試センター試験成績請求票提出期限
平成31年
1月19日(土)・20日(日) 大学入試センター試験実施
2月13日(水) 合格者発表

・東大推薦入試と、東大を含む国公立の一般入試の併願は可能。
・東大推薦入試と、他の国公立推薦の併願は不可。
・検定料は17,000円

一般入試と併用できるのは良いですね。他の私大ですと国公立を蹴ることになるので常に迷いが生じるはずですが、東大なら通常迷わなくて済みます。

受験者・合格者傾向

2018年の各部の定員、出願者数、合格者及び、2019年の出願者数と合格者数の予測一例を下記にまとめます。
合格者数予測は方針として発表されているので、暫定的に定員としています。

学部  募集 志願者数
(人)
合格者数
(人)
合格倍率
(倍)
   定員
 (人) 2018
実績
2019
実績
2018
実績
2019
予測
2018
実績
2019
予測
10 26 22 11 10 2.4 2.2
経済 10 10 2 4 10 2.5 0.2
10 18 8 5 10 3.6 0.8
教育 5 11 24 6 5 1.8 4.8
教養 5 24 23 5 5 4.8 4.6
30 43 48 16 30 2.7 1.6
10 24 32 10 10 2.4 3.2
10 11 11 7 10 1.6 1.1
5 6 9 3 5 2 1.8
医(医) 3 5 5 2 3 2.5 1.7
医(健康) 2 1 1 0 2 0.5
100 179 185 69 100 2.6 1.9

今回、各部の出願者が発表された上、2018年度の試験後、公式に東大より、「100人以上取りたい」と明言されています。今回、出願者が過去最高とはいっても想定より少なかったようなので、100人を大幅に超えることは想定しづらいです。ただ、上記の通り明言されているので、まず1案として、定員と同じく100人に近い数字と考えて試算しました(トップ画像ご参照)。

但し出願数の伸びは6%です。これに照らして、出願数と比例して合格倍率を維持するのであれば、合格者は71人程度となり、凡そ3割程度、上記予測の数字より減少こととなります。このため、これを下限として2案とさせていただきます。

このように、まだ予想の幅は広いものの、71人~100名の合格者で落ち着くと予想しています。

各部の内訳として、本年は出願者の差が大きく、経済学部に至っては出願者が2名のみでした。形式上1倍以下の定員割れ状態です。過去の経緯からみて、低い倍率でも落としていますが、低倍率であれば有利に働くことは間違いないでしょう。

受験必要技能

学部によって、求められる条件は異なりますが、一例を挙げると下記のとおりです。資格がある方同士の戦いになるので、レベルの高い競争になりますが、卓越した結果を出した方であれば有利になりますね。

・学年で上位5%以内
・国際通用性のある入学資格試験における優秀な成績を 証明する資料(国際バカロレア、ATなど)
・ 外国語に関する語学力の証明書(TOEFL、英検、IELTS、TestDaF、DALF、HSKなど)
・ 数学オリンピックなどの科学オリンピックで顕著な成績をあげたことを示すもの
・ 全国レベルの大会・コンクールでの入賞記録
・ 留学を含む様々な国際的活動で,その内容が第三者によって高く評価されたものについて、その詳細や評価内 容を記した文書(新聞記事など)
・ 社会貢献活動の具体的内容や成果を示す資料
・ 雑誌等に発表された論文
・指定されたテーマの小論文

一般受験と併願できるのは良いですが、成績伸び盛りの秋に、推薦入試の資料作成に膨大な時間を費やすと考えられます。
この時期に上記資料や面接準備を行うのは、あくまで一般試験上においてですが、遊んでいるのと同じです。

どちらかにウェイトを置いて、そちらに邁進したほうが合格の期待値が高いかも知れません。
推薦入試は通常の一般入試に比べて基準や準備すべきものが不透明です。
一般入試と比較して準備すべきものがわからないため、結局予備校の推薦入試講座などに頼って、ライバルを知り、合格基準を知り、必要な対応を取らざるを得なくなります。
結局予備校に通ううえに、試験制度があいまいですと本末転倒ですね。

推薦はこのような予備校のマニュアル的な対応は嫌うはずですが、それも考慮しての指導なので気づくのは困難でしょう。個人的には、この推薦制度はいつか問題になると見ています。

合格者出身高校の傾向

ここまでの合格者を見る限り、各都道府県のトップ「公立校」に合格者が多い印象です。推薦入試においては詰め込み式の学習を嫌っているため、そのイメージが強い名門私立高はここで実績は上がりにくいのかもしれません。

今後もこの傾向は続くと見られていますが、私立高も柔軟に受験に最適な形で対応させようとしてきますので、長期で見るとどちらが有利かを判断するのはわかりませんね。学校のバランスは取るでしょうが、将来は私立高が伸ばしてくることも考えられます。

このような推薦・AOといった入試形態は増えており、子どもの進路にも影響するところですので、この結果に非常に注目しています。

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