小学校受験情報・噂との付き合い方:受験塾・在校生・ネットSNSの長短

小学校受験の注目度が高まるにつれ、近年関連ニュースが増えてきました。
私は一ブロガーに過ぎませんので後列で見守るのみですが、自分自身を含めて客観的に「情報との付き合い方」について俯瞰してみたいと思います。

私立小学校は、今も昔も独自・閉鎖的な性質を帯びます。
コロナ禍初年度に公立小が自宅待機になる中、オンライン対応を柔軟に行った私立小がクローズアップされましたが、これは独自性によるものです。一方で、閉鎖的な一面も概ね変わっておらず、独自の受験方式、学校内部での状況は、伝統校ほど闇のままです。合格・不合格の理由や点数も開示されません。受験問題も、研究すればするほど、昔とほとんど変化がないのを実感します。

これと並行して長く存続してきたのが幼児教室です。
昔のお受験教室については講師をしていた親族から内部事情をよく聞くところですが、インターネットが普及する前までは、お教室の存在や評判も口コミにとどまり、情報も指導方針も極めて閉鎖的でした。
今も変わらない点として、お教室は私立小の先生とも関係が深いことがあります。これは閉鎖性というより業界の独自性でしょう。幼児教室は、私立小学校合格に当たり、特に初受験のご家庭にとって欠かせなくなっています。

その関係は学校によって大きく異なります。
塾の方針や沿革も様々ですから、塾の方針を嫌い、相性が悪い学校もあれば、説明会で大丈夫かと思うほどベッタリなお教室もあります。このため、昔から学校の先生から直接伝え聞いた情報、というキラーワードは強烈。
いずれにせよ、長期間私立小と塾はニッチな市場で長く併存してきました。

しかしながら、ここ最近で小学校受験の受験者数が増え、注目度も高まりました。
その流れと並行して、ブログ、SNS、youtube、note、書籍、メディア出演まで色々な方が情報を発信する時代になりつつあります。私はブログとツイッターの呟きまでですが、今はTwitter内の新サービス、スペースで声を出して不特定多数に、双方向のコミュニケーションができる時代にもなりました。たまにゲスト的なお誘いも頂くのですが、私は声出しの参加はありえませんので、、、残念なところ。
今は小学校受験関連でも開催されているようですね。受験生であれば、一定の自己責任の元、問題ないでしょう。

当ブログは今となれば一部私立小、幼児教室と親しくさせて頂いてますが、やはりこのような情報発信者は、多くの学校、お教室からはやや疎まれる存在でもあります。

この点、昔からよく懸念されるのが「ネットの噂」です。
これは恐らく正しく、やはり総合的な情報の精度、品格としてはお教室が数段上です。

ネットでは顔が見えない点で、信頼を得るに限界があります。
最近ではお受験関連情報を売買する活動も散見され、大きな括りとして、外部から見える品格に限界があります。
(※SNS等で交流させて頂いている方々を一括りに悪く言う趣旨ではありませんので、誤解なきようお願いします)

しかしながら、この「ネットの噂」も洗練され、情報が蓄積され、少しずつ変わりつつあるように感じます。
小学校受験はもともと不確実な業界ですが、今は明らかな誤りが是正され、不確実なものと、明らかなものの線引きが少しずつできるようになってきています。

この点、見逃せないのは閉鎖性の中での学校の変化です。
小学校受験が終わって在校生になると、それぞれ在籍する学校については、正しいかどうかはともかく深い情報を抱えるようになります。学校は、鎖国状態のまま内部では変わっていきますが、お教室でさえも、今何が起こっているか、学内の変化にリアルタイムで気付くことはできません。
この点、タイムリーに正確な情報を持っているのは在校生です。多くの学校では、学校の情報を表に出さないように指導されていますから、SNSでもリアルタイムな日常は出てきません。

しかしながら、受験上はそれが漏れ出てきます。ごきょうだいがいるご家庭などは一部正しい情報を得ていますから、広く認知されてきた誤りを指摘したり、一側面がSNSで頻繁に呟かれます。

これはお教室を否定しているわけではなく、当然の話です。
もともと外部に対して閉鎖的な小学校ですから、その変化を迅速に伝えるルートがない場合、お教室でさえも情報のアップデートに遅れが生じます。

一方、在校生は在校生で、相互の過信により、デマを流してしまう情報源となりやすいです。
在校生の発言力は強く、一度知人に話した内容は、事実と受け取られて伝わりがちです。
ここは個人の推測が入りやすいところで、私も受験後はとりわけ注意を払っているところです。

しかし、ネット情報はAIのような性質も有し、不確実な情報が少しずつ、正しい情報に修正され、大きな塊になっていきます。うさん臭さはそのままに、SNSの呟き、ネット記事の数だけ毎年進歩していきます。

時間はかかるでしょうが、ネットモラルも含め、SNSに関するルールが整備され、際どい所が少しずつ時間をかけて改善されていくかもしれませんね。

このように、今も昔も小学校受験で必須の塾、新規性・特異性に富むが諸刃の在校生、怪しさそのまま情報蓄積するネット、それぞれの情報につき、特性と長短があります。

この点、完全な情報を持っているのは学校のみで、3者とも完全ではなく、3すくみのような関係にあります。
だからこそ、「情報に流されず」「うまく使う」ことが必要です。

お教室の仰ることは基本的に信頼して良いですが、どこかに間違いがあっても最後まで気づきにくいです。
在校生の仰ることは、定説を覆すレアな情報の可能性もありますが、二者間だけで完結させず、セカンドオピニオンは必要です。
ネットで見聞きした、相談した際に聞いたことは、無責任な空間でのやり取りで、クリティカルな点は教室に確認すべきです。

では、情報に流されないためにはどうしたら良いでしょうか。
個人的には、「信頼できる方であっても8割、9割程度の信頼性と割り切り、熱くならない」ことをおすすめします。

最終的には、顔が見えるお教室を信頼して、不確実な点があるかもしれないが、受け入れることが精神衛生上も望ましいでしょう。

小学校受験は不確実=立証できない

点が多いことは変わらないことにご留意ください。
また、セカンドオピニオンも重要とお話しましたが、間違い探しばかりしている情報コレクターになるとこれまた違う意味で危険です。早いうちに信頼できるお教室に出会うのが定石でしょう。

私は在校生かつネット情報を蓄積している側ですから、特定分野についてかなり確度が高くなり、明らかに間違いだろうという情報をSNSで見つけても、違ってますよ、とわざわざ言うことはありません。これは多くの在校生も同じで、日々スルーしているはずです。

受験生の立場、つまりネット上からは、真実を確かめる術が限定されています。
よって、それぞれが得意とする領域を見定めて、それぞれ使える点を最大限上手く使う、ところが大事になってきます。

下記で受験塾、在校生、ネットに分けて、それぞれ強みと弱みを切り分けて、活用ポイントを整理しておきます。

目次

受験塾情報

強み

・学校の考査問題の蓄積
・願書添削による合格者の傾向分析

弱み

・不確実な内容でも言い切るお教室もある。
・信頼性が高い故、情報が古い場合など、間違っている場合にお互い気付きにくい

活用のポイント
小規模の場合、全ての学校の変化を個人で即座にアップデートできるわけではない。
知らない、若しくは調べておきますと言えるお教室はある意味信頼できる。
信頼できると判断したら、疑わず信じるのみ。

在校生情報

強み

・学校の内部でしか知りえない貴重な情報が得られることも(ネットに出ない分、希少性)
・学校内部で変わった点などタイムリーな情報をもっている

弱み

・二者間の情報であるため、信憑性に疑問(噂に流された側になる危険)
・広くデマの発信源になりやすい

活用のポイント
在校生の見解は貴重だが、重要な内容はセカンドオピニオンを得るか、そのまま使わない。

ネット情報/SNS

強み

・情報を蓄積して成長
・情報入手が容易

弱み

・正しい情報、不確実な情報を全て切り分けて示せているメディアは存在しない
・不確実性を利用したビジネスと解釈されやすく、信頼性を付与する品格に限界

活用のポイント
鵜呑みにしない、熱くならない。広く浅く内容を掴む。

最後に、、

小学校受験においては、リアルの受験生同期との交流はデメリットも目立つ(同性・誕生日が近いなどライバル感、志望校合否結果の軋轢)のですが、ツイッターのように匿名であればデメリットが緩和されます。

もともと個人情報を明らかにしないため、小学校受験のツイッター上の戦友はいつ関係がなくなるか分からない分、リスクも限定されます。つまり、合否に関わらず、終わってから長いお付き合いが続く可能性も高いわけです。

私は今となれば、SNSのこのような一面に魅力を感じています。
2019年にツイッターを開始し、当初は一人語りでしたが、英語の企画を通じてコミュニケーションが増えました。
2020年秋の受験前後に少数の受験生同期に恵まれましたが、もうちょっとSNSについてはオープンにしても良かったかなと。

業界も時間をかけてSNSを受け入れ、ネットモラルが確立し、数年後は私立小もツイッターなど情報発信を始めたりして、また違った位置づけになっていれば良いなと思い、時が来るのを待ちます。


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