公立トップ校に合格する学生の子供時代の過ごし方

中3 通信簿

今回は、少し先のお話、公立高校にフォーカスを当てて、合格するためには、どのような準備をすればよいのか?を考えたいと思います。
私自身は関西の公立の学区トップ出身で、大学に進学してからは塾講師で中高生の指導を得意としていました。

この点、関東と関西で明確に違う価値観があります。関東は私立中学を好む傾向があり、関西では、全般的に公立が強い傾向があることです。もちろん、関西でも有力な私立がありますが、あくまで割合としては、関西の方が公立が幅を利かせている、と言えます。

このため、関東では小学校の段階で熾烈なお受験合戦が展開され、東京の一部の区では中学受験率が40%を超えます。一方で、関西では多くが公立中学へ進学し、内申点と試験で公立高校の合格を争います。それでも、公立トップ校の学生達は、最終的に全国区で実績を出すので、決して能力面では劣っていないことがわかります。

小学校で塾通いをして難関中学へ合格した学生と、小学校時代にのびのび育った公立トップ校の生徒では、育ち方が全く異なりますが、その出口の一つとしての大学受験では大差がないことも多いです。これは、何が考えられるでしょうか。

この点、公立トップ高校へ進学する学生の多くは、一部幼児教育で言われる「あと伸び力」を持っています。
これは抽象的な表現ですが、多様な選択肢の中でメリハリをつける判断力や、集中力の持続を意味していると考えます。

私自身公立なのでわかる気がするのは、どの公立中学でも、成績上位5人程度?に入れば、結局勝つために努力する癖がついて、頑張ろうと思えるモチベーションが出てきます。このモチベーションが、集中力を生み、メリハリのある生活を生みます。
どの公立中学でも上位5人は有名校に進学していますよね。ここに食い込むよう目標設定すれば良いです。学校の良し悪しは関係ありません。上位5人というと厳しいように思うかもしれませんが、焦る必要はないです。

中学一年でまず立ち位置を知り、戦略をもってやっていけば、中三まで成績は上がり続けます。
公立中学の場合義務教育ですから、周りを見渡すとざっと半分はあまり勉強をしていません。正確に言うと、フルパワーでやっていない。こんな勉強できるのは今だけで、脳も衰えていくのに、せっかくのチャンスを活かせていない。

私が中学の時も同じようなことがいえて、皆毎日遅くまで外で遊んで、よくゲームセンター行ってました。
褒められた行動ではないでしょうが、毎週土曜は、22時か23時頃まで公園でサッカーしてました。
がらの悪い地域はそんなもので、私も中3の1学期までそんな生活でしたが、私自身、成績はまずまず良かったです。

なぜなら、人に流されず、周りにいる誰よりも勉強はしておこうと思っていたからです。
最低限テスト1週間前は、外遊びせずに勉強して、定期テストの範囲は最低限抑えていました。
塾へ行ってませんでしたが、ひそかに進研ゼミをやっていました。計算、読解の素養は小学校の時、公文で既に押さえています。

このように、遊びまわっていても、常に上に上がってやろうというしたたかさはある程度必要と思われます。
周りよりもできるように維持しておくには、遊びと勉強のメリハリが必要です。

普段から遊びと勉強の時間の両立で慌ただしかったため、後に部活も引退して勉強に集中できるようになると、
勉強できる時間が2倍にも3倍にも増えた気がして、一気に勉強がはかどりました。これまで持っていた重りがなくなった気分です。
すると、ずっと勉強ばかりしてきた人には負けないはずという自分なりの計算が成り立ち、勉強をするうえで、自信がつきます。

この過程において、心身の充実もあったと思います。人間関係、学校生活含め、気持ちが乗っていないと、勉強もしんどくなります。
私は勉強する環境において、これが非常に大きな影響を及ぼすと感じます。

どの学校でも上位者と下位、あと普通の成績の学生が分布します。2-6-2の法則に照らして考えるならば、上位2割、もっと頑張って1割、更に頑張って上位5人に入る努力をしたいところです。この点、普段から勉強ばかりしていた人と、普段色々な経験をして慌ただしい人が同じ成績であれば、後者のリミッターが外れた時、そちらの方が有利です。

あと、色々な経験をして目立つ人材は内申点でも全般的に有利になりやすいです。
これは今後の学習指導要領でもより重要視されていくでしょう。

小学生のうちから学習塾に通って勉強だけに特化した生活を送った場合、その道を突き詰めて灘や筑駒、開成などに合格すれば物凄いことなのですが、中途半端なポジションにとどまると伸びしろを失い、のびのびと幼児期や小学生時代を楽しんできた公立勢のトップ層に追い抜かれることもあり得ます。

やや冗長な話になってしまいましたが、公立中であっても最上位に入れば良いだけの話で、将来上位に入るためには、幼児期や小学校時代は、将来頑張れる器を大きくするために色々な経験を積んでおくべきことがお話したかった要旨です。
色々なことを同時にこなす器用さを身に着けることで、勉強のみならず、社会に出ても、色々なことに気が付く人材になれるのではないでしょうか。

 

 

 

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