今日は私が塾講師をしていた経験に基づくお話です。
私は大学の頃、丸々四年間、都内の某塾で塾講師をしていました。また家庭教師もしていました。
経験ある方はお分かりの通り、受験直後の上位者は、ベテランの家庭教師に負けないほどのポテンシャルがあります。
なぜなら、膨大な知識がまだ残っているからです。教え方のコツは、高校の頃から教え慣れている方はわざわざ教わらなくとも心得ています。
タイミングが合えばすぐに人気講師になれますが、恐らく半年経過するとその効果は半減します。
かなり知識が抜け落ちて、「現役」ではなくなるからです。
私は幸い入学直後に機会を頂き、もともと話すのが好きなこともありうまく入り込めました。
自分で言うのもなんですが、結構人気講師でした(笑)。会計士受験のため早めに辞める予定だったんですが、生徒のご両親からのかなりの引き止めもあって、時期を伸ばして最後までいたぐらいです。自分の合格は一年遅くなりましたけどね(笑)。
得意科目はほぼ現役の能力を持つ大学受験と、その基礎にすぎない高校受験ですが、一部小学生も教えていました。
横断的に色々な子供たちを見ていて、伸びる子供と伸びない子供には一定の共通点があると感じます。
伸びる子供の共通点
まず「伸びる子供」がなぜ伸びるのか、原因をブレイクダウンしてみましょう。
それは、「自分の意志で勉強しているから」です。
これは、人から促されたとしても、自分で机に向かっている限り、「自分の意志で勉強」しています。
結果として、モチベーションがあるに越したことはないですが、まとまった時間、机に向かえれば成績は上がります。
ここで、結果として机に向かい、勉強できる子には、下記の共通点があることに気づきました。
素直な心
全学年に共通するところで、家庭環境にも影響するところです。
教えた内容を受け入れて、どんどん取り入れて吸収していけば成績は早く上がりますし、
他への相乗効果も期待できます。これは聞く力にも影響するところで、素直な気持ちがなければ、
結果的に講師の話を聞いていないことになるので、理解が遅れます。
この改善方法は、幼少時であれば、まずご両親が積極的に素直な心を実践して見せることでしょうか。
子供の提案に対して、話をろくに聞かずにNoを連発されたりしている場合は意識されても良いかもしれません。
中高になると、性格の素地が出来上がっています。このような場合は、尊敬できる師となる講師を見つけてあげること
が有用です。この人のいうことなら聞きたいと思わせることです。
自律心
自立心は、自分を律する、つまり自分をコントロールできる強い心のことです。
当ブログの開始時期にも書きましたが、私はこれを重視しています。
人生、実に様々な負の誘惑が親の知らないところで降りかかってきます。
道徳的にやってはいけないことでも、集団になるとそれをやってしまったり許容してしまったり、時に流されて自分もその一員になってしまったり。
こちらは中高生はもちろんですが、幼稚園、小学校からこそ、素地を作っていくことができます。
自律するためにはまず強い心が必要で、強い心を持てるようになるには、心身ともに強くなることが必要です。
体力、精神力、ともにバランスよく鍛え上げていくことが必要と考えます。
精神力が弱いと、何かしらのイベントに過度なプレッシャーを感じてしまいますし、悪条件が重なって披露したときに体調を崩してしまいます。心身ともに強くなれば、余裕が出て結果的に人にも優しくなれます。余裕がなければ、人への思いやりも限定的になります。
素直さと自律心を併せ持つ生徒は何が違うかというと、講師の内容をよく聞きつつも、自分を持っているので、能動的に考えることができます。すなわち、勉強するスタンスとしては非常に望ましい状態を維持しつつ、自分の意見も発信できるようになります。これは今後重要視される非認知スキルにも通ずるものがあります。
納得感をもち、勉強する理由がある
勉強が楽しいか、楽しくないか、でいうとほとんどの方は、ゲームをしたり遊んだりする方が楽しいのではないでしょうか。
でも多くの方はそれでも勉強できています。
子供なりの理解として、勉強した後の対価を期待していたり、ゴールに対する目標があって、納得感を持っている場合は容易に机へ向かうことができます。
私自身は中学の頃、自分なりの転機がありました。
中学の時は、かなり治安が悪い地域で他校含めていじめが多い所でした。中学までは公立でしたからまだ色々な人もいますが、高校になると学力差で更に分類されるわけで、絶対に下の方の学校は行きたくないと。勉強したからといって、その世界より良い将来が待っているわけではないのですが、自分自身、よりよい環境に行きたいと心から願って、密かに進研ゼミを取って勉強していたわけです。悪環境から抜け出したいモチベーションと優良教材がシナジーを発揮し、成績がえらく上がりました。
逆に、勉強する理由がなければあまり努力していなかったかもしれません。
勝つ楽しみを知っている
こちらも大きな要素です。
ゲームでもスポーツでも、勝てばうれしいですよね。受験でも合格すればそれ自体は嬉しいです。
塾内においても、上位になればそれはそれで嬉しく、次のモチベーションになります。
負けず嫌いであれば、負けたことでより努力するケースもあります。
様々な生徒を見ていて思うこととして、上位2割以上の生徒は、基本的に勝つことの楽しさを知り、切磋琢磨しています。
上の成績に立ちたいと前向きに頑張り、勉強に対する疲労が軽減され、情緒安定しやすいです。
トップ層の学生は、上述した背景がしっかりしている限り、多くは成績が安定して伸びていきます。
一方で、成績が平均以下の生徒は、成績が悪いと自覚していれば頑張るわけですが、やはり現実として伸びづらいです。
勉強していて、楽しくないから、続きません。続かないからなかなか伸びない傾向があります。
このように、伸びる子供は、素直な心を持ちながらも自分自身を律する強い力を持っており、個々それぞれ目標と勉強する理由をもって、納得感をもって勉強に取り組んでおり、さらに受験という勝負の世界で勝つために楽しんでいる傾向があると感じます。
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