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地元志向は続く?東京大学の学生出身地と世帯年収の推移から、今後の展開を予測

東京大学は日本国内においてトップの大学であり、今も昔も多くの学生が目指す大学です。

一方で、日本中の進学校や塾、予備校が進学実績を上げようと努力し、各地域の学生もまた切磋琢磨しています。
いったいどこの教育環境が優れているんだろう?と考えた場合、同条件で比較するのが一番正確なデータを取れます。

発表のデータを基に、東京大学の学生の過程状況について考察したいと思います。

東京大学は、毎年学生を対象としたアンケートの結果、「学生生活実態調査の結果報告書」を公表しています。
この数字は東京大学の学生がいかに育ち、どこから来たのかを知るに、非常に有用なデータの宝庫です。
今回、この報告書からいくつか抽出し、これらの関係を考察したいと思います。

まず、下記はアンケートに基づく東大生の出身地の推移です。

ここで検討したいのは、東大合格のために、出身地の有利不利はありのかないのか?です。

東大生出身地推移

総じて、景気好況期は地方出身者の比率が高く、不況期は世帯収入が全体として縮小するので地元比率が高くなります。
1990年代のバブル崩壊までは、地方の出身比率が高く、バブル崩壊後の不況期は地元
志向が強くなったと言われますが、データにも表れています。

一方で、直近10年では、東京を含む関東出身の学生比率が増えています。10年前までは61.3%程度が関東出身でしたが、直近では69.7%が関東出身です。特に東京ではこの傾向が顕著で、東京大学に近い場所に住んでいる学生が東京大学に入学する傾向があります。
これは上記景気との関連でいうと整合しません。景気は2004年頃から改善したものの2008年9月のリーマンショックから数年間不況に陥り、2013年ごろから現在にかけて長期回復、安定傾向にあります。

近畿地方では、30年かけて緩やかに減少傾向で、直近2018年度では6.7%と非常に少なくなりました。これはまだ一過性のものかもしれませんが、近畿地方には京都大学があります。このため、地元志向がやや強まっていることも考えられます。

このような事実関係から、下記仮説が成り立ちます。

直近10年間は、景気とは関係なく、何か別の事象が働いているのではないか?

最初に、景気好況期は地方出身者の比率が高く、不況期は世帯収入が全体として縮小するので地元志向が高まるとお話しました。
これに疑問を抱く方は少ないでしょう。

これは、全て世帯収入を原因とするお話です。では、2000年以降の世帯収入の推移を見てみましょう。

東大生 実家世帯別年収

面白い傾向が出ました。
景気と世帯収入がリンクしています。不況時は世帯収入が低く、好況時は世帯収入が高いです。
特にリーマンの影響を受けている2010年に至っては、唯一過半数が年収950万円未満世帯です。これは驚きですね。

しかし、景気回復を受けて世帯収入は増加し、直近2018年度では年収950万円未満は4割にも届きません。概ね半分以上は年収1,000万円世帯と見て良いでしょうね。

ここまでの事実関係・結論をまとめましょう。

・直近10年間は東大生の地元志向が強くなっている。
・直近10年間は東大生保護者の世帯年収が増加している。

全体の世帯年収が増加しているのに地方出身者率が下がるのであれば、この原因として下記が考えられます。

・地方の人口が減り、東京に一極集中しているので、地方の母集団が少ない。
・年収の地方格差、雇用格差が生じ、地方の年収が相対的に減少している。
・都心に学校、塾、予備校などの教育資源が偏った結果、教育格差が生じている。

教育格差は、人口格差や所得格差が生じた結果として生じうるものとしての仮説です。

しかし、人口格差や所得格差については周知の事実です。
少子化の流れの中でも東京は人口流入が続き、地方は人口流出が続いています。
人が増えた結果、仕事も増え、東京の方が所得を得る機会が多いです。

仕事の機会が少ない分、地方は都心に比べて所得が高くならない事情や、そもそも人口が少なくなってきた事情が背景にあります。

ということは、、、、個人的にはこのような傾向は好きではありませんが、
人口や所得に関する地域差が今後広がれば、より地元志向が強まり、この傾向はより顕著になるかもしれませんね。



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