今日は世田谷区九品仏のカトリック伝統校、田園調布雙葉小学校のご紹介です。
関東に雙葉系列の学校は3校あります。四ツ谷の雙葉小、横浜元町の横浜雙葉、そして世田谷区にある田園調布雙葉小です。
同じ系列で全て人気校ですが、学校のカラーはそれぞれ違うことで有名です。
アクセス
田園調布雙葉小学校の最寄り駅は東急大井町線の九品仏と、東急目黒線の田園調布です。
やや九品仏からの方が近いですが、お子様連れですと徒歩7分程度かかります。
環八通りを渡ると閑静な街が広がり、田園調布雙葉の幼・小・中・高がひしめく学校群が広がります。
小学校と幼稚園の間の急勾配の坂を下りていくと突き当りに中高がありますが、この坂道は左右どちらを見ても雙葉なので、なんとも言えない威圧感です。雙葉小は右側、幼稚園は左側にあります。
学校特徴
基本情報
創立年度:1941年
創立者:二コラ・バレ
児童数:約734名(1クラス40名前後)
教員数:約52名
制服:あり
土曜授業:年間10日前後
お弁当:あり
スクールバス:なし
復学制度:あり
編入制度:あり(帰国子女受け入れもあり)
雙葉系列における田園調布雙葉の位置づけ
関東には雙葉が3校(四ツ谷、田園調布、横浜)あり、四ツ谷の雙葉小は中学校受験で御三家の雙葉中へ進学する、小学校受験を代表する難関校です。横浜雙葉もまた進学校の横浜雙葉中に進学しますが、神奈川の試験で東京より先行することもあり、倍率が上昇傾向です。
これら2校は中学校受験で新しい優秀な人材を受け入れる点で共通しますが、田園調布雙葉は募集が幼少で完結します。このため、小学校から高校まで実に12年間同じメンバーで過ごすこととなります。あまりに過ごす期間が長いので、成長とともに、それぞれの親の職業が完全に筒抜けになるそうです。親同士が結構大変なようですね。
卒業生の進路にも違いがあります。雙葉は御三家の一角として東大を始め、国公立・医大早慶が過半数を占めます。横浜雙葉も毎年東大の合格者が数人おり、凡そ3割程度が国公立、早慶に進学します。田園調布雙葉は中学受験がない分、どうしても雙葉や横浜雙葉に比べて進学実績が低いですが、学校としての特異なブランドもあり、早慶MARCHなど指定校推薦が豊富です。このため毎年一定の実績を出していますが、一番多いのはMARCHです。
実際に通われている田園調布雙葉の方の属性を見ると、素朴で質素な方が、、、ということはなく、普通に裕福なご家庭のお嬢様が多いです。半分は幼稚園からの繰り上がりとなりますが、幼稚園は2保で、これまた対策が必要ですので、うち過半数は他の幼稚園で社会生活を身に着けてスイッチするパターンが多いです。このため、前の幼稚園との調整が必要となります。
教育方針
キリスト教精神に基づき、幼きイエス会を設立母体とする姉妹校が世界各地にあり、「特においては純真に、義務においては堅実に」が共通の校訓です。
私立小学校の多くは、時代の変遷に対応して、スクールバスやアフタースクールの充実などに取り組んでいる学校が多いですが、田園調布雙葉は良くも悪くも昔から変わらない点が特徴です。私立では多くの学校でオンライン授業を行っていますが、田園調布雙葉では5月に行ったオンライン始業式を除いて行っていないようです。説明会での説明にて、小学校は人格形成を重視する期間であり、12年を通じてフォローしていくと説明されています(中高生はZOOMによるオンライン授業を行っている。)
勉強においても、早期教育的な取り組みは行いません。中学受験校ではないので、それが通常の姿かもしれませんが、保護者が弁当を作り、安全に学校へ行かせて、学校が終わったら一緒に宿題を見て、、、と、子供に寄り添った生活が求められます。
学校として共働きを決して否定しておらず、説明会でも必ずその旨説明しますが、同時に上記を守った上で、という注釈も必ずつきます。よって、共働きはほどほどに、という解釈になります。
宗教への理解はもちろん、このような学校方針ににっこり笑って従う姿勢が求められますので、合う合わないはよくよく見極める必要があります。
学費
考査料:25,000円
(初年度)
入学金:250,000円
施設拡充費:150,000円
(毎年)
授業料:516,000円
施設拡充費:165,000円
冷暖房費:8,500円
後援会費:7,500円
その他寄附金100,000円×3口
私立小学校の中ではかなり安い方と言えます。
【2021年度】全国私立小学校:学費・寄附金(寄付金)ランキング | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
受験倍率考察(2006年~)
田園調布雙葉小学校の直近の倍率は下記の通りです。
倍率は概ね毎年5倍前後で安定しており、準難関校の位置づけです。
田園調布雙葉小学校の2021年度の受験倍率は4.95倍(前年度は4.82倍)とやや上昇傾向です。
過去4年で比較すると概ね安定的です。過去20年で比較しても概ね4倍~5倍のレンジに入っていますが、2014年前後の数年は志願者が減り、2倍台に落ち込んだ年もありました。
志願者 | 合格者 | 志願倍率 | |
2006年 | 319 | 67 | 4.76 |
2010年 | 325 | 70 | 4.64 |
2014年 | 206 | 65 | 3.17 |
— | |||
2018年 | 328 | 65 | 5.05 |
2019年 | 321 | 68 | 4.72 |
2020年 | 313 | 65 | 4.82 |
2021年 | 327 | 66 | 4.95 |
試験内容
試験科目はペーパー、個別試験、運動、行動観察、親子面接です。
ペーパーの難易度は高くないので、正確性が求められます。
常識・生活習慣に関する問題が何かしら出題される点が特徴です。
例年、受験番号は生年月日の逆順(早生まれから)割り当てられます。2021年度も同様です。
説明会・考査日程
柔軟に予定が変わる傾向があるため、最新の日程はこちらをご参照ください。
小学校説明会・ふれあい見学会 – 小学校 – 田園調布雙葉学園 (denenchofufutaba.ed.jp)
2021年度の説明会の日程は下記の通りです。
コロナの影響を受けて第一回の説明会日程が変更となり、予定されていたふれあい見学会も中止となりました。
第一回は人数を絞って2回開催となります。
日程 | 予約開始 | 時間 | 場所 | |
第一回 | 2020年 | 本学園記念講堂 | ||
第二回 | 2020年9月12日(土) | 8月12日(水)9:00から | 午前10時~12時 (受付9時30分~) | 本学園記念講堂 |
※第一回は6月27日にオンライン説明会、別途予定していた個別相談会はコロナ禍によりZOOMか電話で個別実施。
※第二回は説明会後、午後1時まで希望者は小学校施設見学ができます。この場合上履きと脱いだ靴を入れる袋が必要です。
説明会では例年、聖歌隊の合唱が行われます。感動的で、これで心が動かされる保護者様も多いとか。
ここで合唱した上級生が、学校見学の際に、保護者様の対応をしますが、小学校とは思えない対応の良さで、ここで心を揺さぶられる保護者様も多いとか。2020年6月の説明会ではオンラインですので上級生の聖歌隊合唱はなく、OGのオンライン合唱となりました。
学校見学の際で抑えておきたいのが、生徒さんの居住地分布です。
個人情報はわからないように配慮されていますが、皆さんどのエリアに住んでいるかざっと掴むことができます。
学校でも1時間以内という条件を出していますが、具体的にどのエリアが望ましいか、実質ベースで把握することができます。
願書配布と提出
願書配布期間:7月1日(水)~31日(金)、9月3日(木)~9月30日(水)
願書提出:10月1日当日消印のみ有効 簡易書留速達にて
願書は1部500円で、予め決められた期間内に購入しに行きます。
例年願書提出は直接学校へ行っていましたが、本年は全て郵送の出願となりました。
1日だけに限定とは、これまたなかなか厳しい条件ですね。
面接
面接は例年10月下旬に行われますが、本年は長めに設定されるようです。
10月20日(火)~25日(日)(25日は予備日)として設定され、幼稚園の運動会など、特段の事情がある場合のみ、日程変更が許可されます。
面接は、複数の面接官により行われます。
考査
考査は11月1日(日)で、凡そ2.5時間かけて行われます。2021年度も逆生年月日順(早生まれから)に割り当てられます。
今年は日曜日でしたので、どうなるかが一つの論点でしたが、予想通りの展開となりました。
(事前の予想では、過去事例からカトリック校は1日、プロテスタント校が1日の実施をどうするか?というところ)。
今年の試験は、コロナ禍の状況を鑑み、一部変更して実施していくことを示唆しています。
合格発表
合格発表:11月3日 9時~17時 WEBにて確認可
入学手続:11月4日 10時~13時
今年はコロナの関係で全てが不透明です。
田園調布雙葉もまた、下記のような気になる掲示を出しています。入試日程にも言及しているので、注意が必要です。
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