今日は我が家もお世話になったこぐま会の「ひとりでとっくん」につき、初学者に焦点を絞って解説したいと思います。
ひとりでとっくんは小学校受験に適した良問で構成されており、ジャンル別に100冊あり、4歳~6歳で年齢別に難易度分けされています。4歳児教材は45冊、5歳児教材は52冊、6歳児教材は3冊で構成され、ほとんどが4~5歳です。
今回は、概ね年中の小学校受験対策に適した4歳児教材に焦点を充てて全解説します。結構疲れました、、、(笑)
これまでブログでも紹介してきましたが、我が家は8割以上は実際に使用していますので、重要性、必要性、難易度にも触れつつお話していきたいと思います。
ひとりでとっくんの特徴は下記の通りです。
・一冊たった600円(税抜)から購入でき、非常に安価
・一冊約30問で構成され、目的に合わせて強化したい分野から取り組める。
・問題がひらがなで書かれており、お子様が一人で取り組める範囲が広い。
・4歳と5歳で難易度分けされており、学習の指針となる。
2021年度の本試験はどちらかというと基礎的な範囲からの出題が多く、この問題集からも多く本試験で出題されました。
最近は幼児教室で難問を先取り学習する傾向が見受けられますが、より大事なことは基礎力の徹底と思われます。
試験本番で誰もができる基礎論点を落とすと、挽回が厳しくなってくるからです。
こちらひとりでとっくんシリーズは全て網羅する必要もなく、必要に応じて苦手分野の補強などにお手軽に使えるので、非常に有用です。
学習進捗目安
一年を見据えた学習指針として、ひとりでとっくんに加えて過去問をしっかり解けば、ペーパーについては幼児教室に負けない力はついてきます。
ひとりでとっくんの学習の進捗目安は下記の通りです。
年中の4月から、お子様のペースに合わせて進めれば良いと考えます。
4歳児向け・・:年中の冬~春までに一周
5歳児向け・・・年中の冬~年長の試験直前までじっくり
※時間が足りない場合は、志望校別、幼児教室で取り組んだ分野から順にピックアップし、取り組んでいくのも有効です。一部教材が被っており、全てを取り組まなくても網羅性は概ね確保できます。
今回は、年中で抑えたい4歳の問題集をご紹介します。
結構頑張りました。4歳といっても、なかなか侮れない問題もありますよ。
この段階では学校別に絞るのは得策ではないので、広く基礎を抑えて頂ければと思います。
走り書きで恐縮ですが、それぞれおすすめとコメントを記載しておきました。これから学習する方向けに、今抑えておくべき重要な論点に★を3段階で付しています。是非この冬の勉強のご参考にしていただければと思います。
使い方
間違ったところは、時間をあけてできるまで解きなおす必要があります。
このため、予めコピーして利用することをお勧めします。
ミシン目はないですが、表紙から数枚ずつ手で切り離しできますので、切り離したものをまとめてコピーしておくと便利です。
この際、切り離すのは簡単ですが、コピーを都度30問、30回するのは面倒なので、手指し付きの流せるタイプのコピー機を利用すると便利です。
我が家では下記のプリンタを利用しています。手指しでまとめてコピーでき、片面→両面などできて便利です。
購入する場合とレンタルする場合がありますが、一年程度で毎日数十枚コピーされ、カラーコピーもよく利用される場合はレンタルが有利(記事はこちら)です。
①未測量(定性的な物の判断)
49 : 量の系列化(大小など順序を判断)★★★
多い-少ない、大きい-小さい、長い-短い、重い-軽いなどの順番を学びます。
3番目に多いのはどれか、など絵を見て選択する問題は超頻出で重要です。
61 :量の保存(形が変わった場合の面積把握)★★★
理科的な問題に通じるところで、超重要論点です。
液体を別の容器に移しかえたり、粘土の形状を変化させたり、大人でも考えることがある問題の基礎です。
勉強が進んでいる方は、常識か理科的常識から取り組んでも良いと思われます。
②位置表象(位置の把握)
04 :位置の対応★★
どこに何があるかを正確に記憶、模写するトレーニングで、年中初期の練習に最適です。
絵の記憶の練習にもつながります。
07 : 迷路★
迷路問題です。
良問ですが、こちらは市販のドリルでもたくさんありますので、利用しませんでした。
30 : みぎ・ひだり★★★
おすすめの問題集です。右と左の素早い判断は、最後まで求められます。こちらで基礎を漏れなく学ぶことができます。
③数
84 : 仲間あつめ★★★
頻出問題です。日常生活で触れる色々なものから、同じ仲間を探す問題です。
語彙を増やす練習にもなるのでお勧めです。
29 : 仲間はずれ★★★
84と同じく頻出問題ですが、84よりもこちらの方がよく出題されます。
試験に出題される場合は、落としてはいけない問題に分類されることが多いです。
90 : 私は誰でしょう★★
お話の記憶にも通じるところで、読み上げた文章から、何を指しているのか答えとなる絵を答えるクイズ形式の問題です。
出題頻度は意外に高く、語彙力が必要となる場合もあります。
16 : 分類計数1★★★
ものを正しく数えるための基礎問題集です。一番最初に取り組む問題としてもおすすめです。
10 : 同数発見★★
頻出問題ですが、基本論点です。
たくさんの絵があり、その個数を数えて、同じ個数の絵を素早く見つけます。
情報処理速度と正確性が求められ、本試験では絶対に間違ってはいけない問題となります。
勉強が進んでいる方は、05を先に取り組んでも良いと思われます。
38 : 数の構成★★★
数の問題は超重要論点ですが、差がつきやすいです。
数に関しては、習い事を通じて算数の学習をしている方も多く、検算をして解いてしまうお子様もいます。
このため、早くから準備しておきたいところです。
四則演算は必要ありませんが、絵を見ながら、概ね10までの数の計算をできるようにする必要があります。
05 : 数の多い少ない★★★
10と類似問題ですので、併せて学習すると良いです。
超重要論点です。
33 : 等分★★★
割り算に通じる考え方で、割り算ができると有利なこともあります。
しかし、小学校受験においては複雑な割り算は出ませんので、△個をお友達〇人で分けるといくつになるか、という視点で何度か練習しておけば十分に対応できます。
④図形
66 : 線の模写★★★
基本論点ですが重要です。国立小などでもよく出題され、一発勝負なので侮れません。
綺麗に、濃く、素早く、間違わずに書ける必要があり、点図形にもつながっていきます。
年長ではあまり学習することはないので、今のうちです。
01 : 点図形1★★★
66と合わせて学びたい論点で、試験ではこちらの方が基本かつ重要論点です。
年中初期で01を取り組み、併せて02までやっておきたいところです。
02 : 点図形2★★★
01が終わったら、もしくはある程度勉強が進んでいる方はこちらからがお勧めです。
年中の冬までにはこちらまでやっておきたいところです。次に03もあります。
いかに素早く、正確に、間違わずに書けるかが重要です。
2021年度は横浜初等部で非常に時間が短い点図形が出題されましたので、やはり基本は重要です。
19 : 図形模写★★
足りない所を書き足す問題で、年中ではやや応用論点です。
三角錐や円柱などぱっと見て、足りないところをすぐに書くことができるか、という問題ですが幼児には結構難しい論点です。
ただ、重要論点で、避けては通れない論点です。
98 : 図形構成★★★
超重要論点で、取り組んでおきたい問題集です。36と合わせて学習すると良いと紹介されています。
98という番号からして、重要故に追加された論点なのかな、と思います。
筑波の他、図形を出題する全ての学校で重視される図形の基礎で、かつセンスが磨かれます。
特定の図形をバラバラにして、これを組み立てるイメージです。
こちら、問題集に取り組みながら、実際に紙を切って、組み立ててみるとイメージがつきやすいですし、ハサミ切りの練習にもなります。
18 : 8個のつみ木★★
積み木を使った問題もまた超頻出です。具体物の積み木を使って学習します。
実際に手を動かして、基礎問題に取り組むことで、図形が好きになってきます。
難しい問題をいきなりやると嫌いになりがちなのでご注意を。
馴染みがあれば、先に65に取り組んでも良いと考えます。
82 : ドームつみ木★★
18と同様ですが、立方体だけではなく、半円や三角などの方をした積み木も使った積み木の問題です。
一見良さげなのですが、出題実績としてはやや落ちる印象で、立方体を使った応用問題を優先すべきかもしれません。
11 : 同図形発見(間違い探しの逆)★★★
超頻出で、いわゆる間違い探しの逆です。
目の観察力ですね。難解な問題ですと、大人が見ても大変。
よーく見たら蝶の胴体が少し細いとか、難しい問題はいくらでも作れますからね。
ただ、観察力に関してはどんどん難しい問題に挑戦していくのは問題ないと思います。
06 : 選択抹消★★★
11の応用問題的な位置づけで、一緒に取り組みたい問題です。
条件にあったものを探し出し、支持された通りに印をつけていきます。
65 : つみ木の数★★★
超重要(こればかりですいません)で、18の続きですが、数を数えるのでより実践的になります。
実際の出題は数を解答するケースが多いです。
31 : つみ木パズル(基礎編)★★
別売りのパズルを使って、立方体の図形を組み立てていきます。
パズルが必須なのでやや面倒ですが、良問ですので時間がある年中の時期であればお勧めです。
67 : 欠所補完★★★
こちらも図形模写の応用で、図で足りない所を補完します。
年中では応用問題になるでしょうが、取り組んでおきたい論点です。
36 : 図形分割1★★★
超重要論点で、98図形構成と通じる問題です。併せて取り組むと良いと推奨されていますが、それは一言でいうと重要だから、という点に尽きます。
⑤言語
27 : 一音一文字★★
言語問題の基礎問題集です。
語彙の学習にもなりますので、まず取り組みたい一冊。
28 : 同頭音・同尾音★★★
27と併せて取り組みたい言語の基礎問題集です。
色々な絵があり、はじまりの音や、終わりの音を結ぶ問題。
結局は語彙力が重要となり、しりとりの問題にも通じます。
語彙力も一朝一夕で伸ばせないので日々の学習積み上げが重要です。
78 : 昔話★★★
出ました、昔話(笑)
昔話は独立してブログ記事も書いてますが、年長で苦手だと恐らくかなり焦ります。
対策は今から十分可能ですので、時間をかけて取り組んでいただければと思います。
超頻出とまでは言いませんが、出題された場合に、差がついてしまう怖い論点です。
77 : 動きことば★★
いわゆる「効果音」の問題で、一般常識としてカテゴライズされる問題です。
寒いからブルブル、怖いのもブルブルなどですね。
超頻出ではないですが、一度は取り組んでおきたいところです。
恐らく幼児教室通いの方も、手薄の方が多いのではないでしょうか。
60 : ようすことば★★
77と似ていますが、どんな音がするのか、どんな鳴き声なのか、触った感じなど、生活習慣にフォーカスしています。
こちらも目を通しておきたいところです。
40 : 短文づくり★★
絵を見て、何をしているのか説明する問題です。
こちらは創造力を働かせる意味で、口頭試問など色々な問題にも通じます。
13や87と併せて、少しずつ取り組むと良いと考えます。
25 : 聞き取り練習1(CD付)★★★
超重要かつ優良問題です。自宅でお話の記憶ができます。
しかも、ひとりで問題に取り組めます。幼児教室で取り組むより安価です。
お子様と一緒に取り組めない時間帯に便利です。
13 : お話づくり1★★
数枚の絵を使ってお話を作る問題ですが、求められる本質は創造力で、40と似ています。
87 : お話づくり2★★
やや発展形で色々な視点で、絵を使ってお話を作る問題です。求められる本質は創造力で、40と似ています。
⑥推理・記憶・論理
73 : 具体物の記憶★★★
超重要論点、絵の記憶の基本です。
絵の記憶はお話の記憶と並んで、少しずつ毎日取り組みたいところです。
83 :3×3方眼上の記憶★★★
04と対応して、記憶に特化した問題です。
記憶問題は非常に重要で、苦手とすると一朝一夕で成績が上がりにくいです。
繰り返し使いやすいので、年中のうちからトレーニングしておきたい論点です。
⑦常識
53 : 常識1★★★
常識論点は、難関校まで含めて非常に重要な論点です。
常識=一般常識というより、常識=理科社会道徳の基本という位置づけで、知らないと解けない問題も数多いです。
91 : 常識2★★★
53と併せて取り組みたいところです。こちらは我が家も年長まで重宝しました。
74 : 季節★★★
季節問題は、超重要論点の一つで、避けては通れません。
季節問題が出ない、という学校はないのではないでしょうか。
植物や生き物、行事それぞれに対応する季節があります。
年中ではまず行事をおさえて、生き物、植物の順に抑えていけば良いと考えます。
最終的に植物はやや対象が広くなり、どこまで覚えるかという話になります。
54 : 理科的常識1★★★
超重要論点で、学校によって出題可能性に差があります。
常識の問題の応用的位置づけです。小学校で習う理科のうち、幼児でも日常生活で体験する論点を切り取ったイメージです。
55 : 理科的常識2★★★
54と同様です。範囲が広いので枠におさまりません。一緒に取り組みたいところです。
⑧製作・手先の巧緻性
50 : ひも通し2×6(見本帳)★★
巧緻性の頻出論点、ひも遠しが学べる基本教材です。
難しすぎず、年長の入門編としてぴったりです。
ただやらせるのではなく、二セット準備して親子で一緒に競争したりすると、楽しく取り組めます。
22 : はさみ切り(基礎編)★
はさみを使う練習教材として優良ですが、はさみは図形構成で、図形を切る時にハサミを使う練習ができます。
20 : 形を使った創造画★★
絵画問題で頻出論点ですね。創造力を働かせる問題です。
与えられた条件から始まって、何を書くか。絵を描く練習より、何を書くかというところで、非常に創造力を豊かにする問題集です。
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