これまで1年以上幼児教育のブログを続けてきましたが、実に色々な方の著書を拝読させていただき、勉強させてきました。
幼児教育に関し、特に尊敬しているのがボーク重子さんと佐藤ママこと佐藤亮子さんです。
この点、全てを鵜呑みにして良いかと言うと、私はそうは思いません。これからは自分自身で新しいものを生み出していける人材が求められていくという側面もあります。しかしながら、結果を出した方の成功例というものは非常に有用で、参考にすべきところが多いのも事実です。
佐藤亮子さんは、これまで4人のお子様を全員東大理Ⅲに入れるなどお子様の教育において圧倒的な実績があります。また、ボーク重子さんは、これから日本の受験で重視される非認知能力において、本場ともいえる米国でお子様が最優秀女子高生として選出されました。両者は新旧の学習指導要領においてあまりにも絶大な実績を上げていますので、いずれかの主張に偏った主張の方も、他方の方を軽く評することはできないでしょう。
この点、お二人の幼児教育の方向性は異なるように思われますが、共通する面もあります。
お二人とも同じ主張をされている点については、今後も変わらないということを示唆しますので、無視できない論点です。
今回、佐藤亮子さん、ボーク重子さんの共通点を挙げさせて頂きますので、今後の参考になればと思います。
ボーク重子さん、佐藤亮子さんの幼児教育における共通点
「ほめる」と伸びる?
両者に共通する論点のうち、核となる論点です。
よく、ほめると伸びるというお話を聞きますが、お二人ともに、ほめることに関しては肯定的です。
しかしながら、そのほめ方については特徴があります。ここを理解することが実践のキーと考えます。
ボーク重子さん:非認知能力の視点から、自信をつけさせるために褒めるのは良いとあり、褒めるときは、「何が良かったのか理由を言ってから褒めるようにすることが重要」と著書にあります。
佐藤亮子さん:「ほめてほめてほめ倒す」と著書にあります。その際、親も女優になりきって、褒め方を創意工夫して、子供が前向きに頑張れるように促す必要があると強調されています。
このように、褒めるというアクションは同じですが、目的が異なるように思えます。ボーク重子さんは、自分が肯定され、自分で行動することを促すための一手段としてお話をされています。一方、佐藤亮子さんは、女優というフレーズからわかるように、本人のやる気を引き出すための行動と位置付けています。
このように、目的意識をもって褒めることは重要ですが、お互い向いている方向性は同じなので、ご家庭の教育方針に合わせて導入すると良いかもしれません。
因みに、「褒める」の反対語は「叱る」ですが、叱ることに関して両者の見解を挙げておきます。
ボーク重子さん:叱ったことはほとんどない(伸芽会の講演より)。自分で考えて行動させることが重要で、Noと言う時は、理由を添えて伝える(下記著書より)
佐藤亮子さん:基本的にあまり怒らない。しかし、普段怒らないことが、たまに怒ったときに言うことを聞かせるシグナルとなる。
但し、怒り方を間違えると、積み上げてきたものが簡単に崩れてしまうので事前にシミュレーションしておくこと(著書より)。
お二人とも、叱ることには消極的ですが、Noと言わないというわけではない、全く叱らないわけではない、という点で共通しています。
食事・勉強の距離感が近い
お二人の表現を要約すると、表題のような表現になります。
ボーク重子さんは、ハーバード大の調査結果などを基に、家族内の人間関係に触れています。ご自身の幼少時の経験を基に、お子様とも良好な人間関係を重視し、毎晩一緒に夕食を食べることを意識したとあります。また、親の失敗までありのままを見せることが信頼関係構築、心の強さ(レジリエンス)につながるとしています。また、食事のみならず、親子のコミュニケーションを密にしていくことが繰り返し強調されています。
佐藤亮子さんは、食事だけでなく、勉強まで含めてお話をされています。こちら有名なお話ですが、普段の勉強の様子を見ることもできませんので、子供部屋はなく、食事・勉強ともに、物理的・精神的に距離を持たせないようにしています。これにより、勉強をすることに気負いがなくなり、生活の一部となることが期待されるようです。
今ではこの考え方は受験界に影響を及ぼし、中学受験においては家族一体となって支えるリビング勉強が主流になっていますが、これは佐藤さんの影響が大きいと考えています。
こちらも、目的は異なるものの、実行する内容は同じです。食事の他、家族のコミュニケーションを密にとり、信頼関係を構築することが重要です。人間、何か他者にイライラしていたことがあっても、少し話すとそのわだかまりが急に消えたりすることがありますが、やはり対話は重要です。
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