受験が始まると、非常に気になるのが補欠合格と、合格が回ってくる可能性がある時期です。
補欠合格とは、簡単に言うと、キャンセル待ちの合格。
正規の合格には至らなかったものの、既に合格された方が辞退すれば枠が生じ、
欠員を防ぐために合格が割り当てられる可能性があります。
補欠合格の通知の仕方は様々で、補欠の番号を教えてもらえることもあれば、補欠合格、という事実のみ通知されることもあります。
補欠合格の繰上数は当然ながら人気校ほど少なくなります。また、辞退を見越して多めに合格者を出した小学校も、通常少なくなりますね。多くの学校で一定数存在するようで、この数はなかなか開示されていませんが、一つ面白いデータがあります。
10年前の早稲田実業初等部です。2009年まで補欠の繰上合格者を開示しており、2007年は男子7名、女子3名、2008年は男子1名、女子3名、2009年は男子6名、女子6名でした。
早稲田実業初等部の人気は今も昔も最上位の一角です。現日ハムの斎藤投手が連日ニュースになっていたのが2006年から2010年で、当時も今も高い人気と倍率です。もともと幼稚舎がある上に、横浜初等部も出てきて、早実は私立小学校において絶対王者でもない位置づけです。
このような早稲田実業の補欠繰上が上記の通り、毎年数人だけ存在します。男女0人ではないが、1人の年もある。男子合格者が65名~70名、女子合格者が40名~45名ですから、年によって差が出るものの、男子の平均繰上合格率は5~6%、女子は10%程度でしょうか。横浜初等部の存在から、今も同程度以上の数字があると予想します。
でもこの辞退率、個人的には非常に納得がいきます。他にも合格したら、そちらに行くであろう学校、日程上、後に受けて合格したらそちらを選ぶ可能性がある学校がわずかに存在するからです。
2つ合格すれば当然にどちらか辞退することとなります。
もちろん人によって選択結果は異なりますのでいたずらなことは言えませんが、
慶應幼稚舎、横浜初等部、早稲田実業初等部、雙葉、国立小などは辞退率が低い最人気校と言えるでしょう。国立小がここに入ってくるのは日程の関係です。受験する選択をする時点で、後発の辞退率は低くなります。
また、白百合、青山学院、学習院、立教、洗足、暁星、成蹊、農大稲花、都市大付属、東洋英和、聖心、田園調布雙葉、横浜雙葉、女学館などはそれに次ぐ人気校と言えるでしょう。これら人気校の選択は本当に人によって異なるので、なかなか安易にランキング付けはできません。
これに受験日程を加味すると辞退率は前へ行くほど高くなり、学校側もそれを見込んで合格者を出していますので、そのズレが生じれば、補欠合格も出やすくなります。
神奈川の私立小学校は日程の都合上、横浜初等部を除き辞退率が高く、神奈川最難関の一つ、洗足学園小学校でも凡そ半数が辞退しており、毎年約10名の繰上合格が出ています。
様々な選択のドラマがあり、次に補欠の出番が回ってきます。この通知は、辞退の申し出と連動するので、卒園式間近で通知が来ることもあります。学校にとって辞退は非常に残念なことですが、その不幸は他の学校に渡されて受験生を救います。最後に繰上げなかった学校が不幸を引き受けることになりますね。
明確なデータはないですが、近年では幼稚舎を辞退して横浜初等部を進学する方も一定数存在するようです。横浜初等部は歴史は浅いですが、幼稚舎と違って勉強をしっかりさせる文化があるので、これが一定のファンを生んでいるとか。幼稚舎でさえ、辞退はゼロと言うわけではありません。
このため、幼稚舎や横浜初等部、雙葉などの最難関、最人気校でさえ、わずかながら辞退、繰上げ合格が発生する可能性があると言えます。但し、上記早実のデータと同等か、よりその率は少ないでしょうから、割合にして合格者のほんの数%でしょう。
次に国立ですが、国立は違った事情により繰上げ合格が発生することがあります。それは住所制限の違反です。
国立はそれぞれの基準で住所に制約がありますが、取り繕った住所で後に不正と看做されることもあります。
このため、国立もまた様々な事情で辞退の可能性がありますが、各校の辞退率は下記の通りと推定します。
学校が応募者を多めに合格者を出す兼ね合いもありますので、繰上率は実際の合格者と照らしていただければと思います。
・辞退者がほとんどいないと思われる学校:筑波(2020年まで)、お茶の水(2021年)、幼稚舎
上述の通り、幼稚舎も0とは言いませんが、私大トップのポジションは健在。筑波は昨年まで12月の合格発表でしたから日程面で辞退されにくい学校でしたが、今年は横浜初等部の前に合格発表となるため、例年よりは辞退者が増えるかもしれません。代わってお茶の水は東京地区の主要校で最後の学校となりますので、辞退者はほぼいないはずです。
・辞退者が早実と同等と思われる学校:雙葉、横浜初等部、その他国立
上述の学校は、仮にうち2校合格した場合のW合格では差がつく学校もありそうですが、通常W合格される方が少ない学校群であることから早実と同等としています。雙葉は幼稚舎と並ぶ最難関校ですが、合格発表が早いので、早実の二次や初等部を受験する時点で志望度はこちらの方が高いこととなり、辞退率はわずかに上がりやすいです。
国立との比較の志望度はそれぞれで難しい所で、実際のW選択では上記私立の方がやや人気があると思われるのですが、私立で納得した場合は国立小の試験を辞退しますので、補欠の話にはつながりません。国立小の受験する場合は国立の志望度が高いということになりますので、合格後辞退率に影響します。
よって、受験日程が遅い学芸大学付属小やお茶の水は辞退されにくくなります。
これ以外は、早実と同等以上の辞退者が存在すると思われます。
すなわち、推定合格者の5%程度は辞退すると期待して良く、運しだいになりますが併願者が頑張ってくれて、結果が偏れば欠員、補欠合格が生じます。
制服の採寸などが終わった後に補欠合格の連絡通知が来ると、非常に嬉しいのは当然ですが、
微妙な気分でしょうね。入学予定の学校が気に入るよう努力を要したお子様への説明等々もありますし、、。
下記記事に人気小学校の合格発表日をまとめました。
補欠繰上合格の予測にどうぞ。
補欠合格の経験がある方は、宜しければアンケートにご協力ください。
いつまで期待できるか、予測の有益な指針になると思います。
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