小学校受験と中学受験の比較ポイント5点(学費・進路・受験準備・英語・性格)

娘は小学校受験を経て、現在私立小学校に通っています。

娘の小学校受験経験、小学生の学習塾通学現状、自身のの塾講師の指導経験から、本日は小学校受験と中学受験について忖度なく比較したいと思います。

論点を学費、進路、受験準備の期間、最近のトピックとして英語を挙げ、お子様の性格と照らして検討したいと思います。
通常はまず学費が制約となり、ご家庭の方針に沿って進路が決まる意思決定になるかと思います。

目次

学費

下図は小学校から高校にかけて、公立と私立の学費を比べたグラフです。

下記の通り、公立と私立小には大きな差がありますが、中学受験には塾費用がかかります。
一方で、私立小でも小学校受験のための小学校受験対策費用がかかります。

参考記事
公立と私立の学費及び塾・習い事関連費用比較(幼稚園~高校) | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

両者ともどれだけ早く始めたかで費用総額が大きく異なりますので、対策に係る諸費用の振れ幅が大きいですが、小学校受験は単価が高いです。
このため、小学校受験も中学受験も、最難関校を目指した場合、習い事に関する費用総額はあまり変わらないと考えています。

また、私立小は下記以外に、寄附金だったり、課外授業だったり、あと塾に変わる時間に習い事だったり、結局はお金がかかります。国立小は難問とは限らないので小学校受験時にお金がかけていない方も多いですが、内部進学のために中学受験に準じて学習塾に通うので、総額は中学受験と同等以上となります。

よって、中学受験でも塾通いするからお金がかかり、私立小と変わらないと考えるのはやや早計で、やはり小学校受験を選択した方がお金がかかると思われます。

まとめ:志望校により差はあるが、小学校受験をした方が教育関連費用総額はかかる。

進路

小学校受験、中学受験どちらが良いか?
は至る所で議論されていますが、この話題は、私立小や国立小学校が多く、中学受験率も高い都心特有の論点です。

ま日本全国で見ると、公立中に進学する率が圧倒的に高いです。

区分公立私立合計
幼稚園15.50%84.50%100.00%
小学校98.80%1.20%100.00%
中学校92.60%7.40%100.00%
高校67.00%33.00%100.00%
全幼児・児童・生徒数全体に占める公立・私立学校通学者の割合(2018年度)
参照:文部科学省学習費調査

小学校受験・中学受験で共通している点は、保護者の意向が非常に大きく反映される点です。

都心では、一部地域では中学受験率が過半数を超えるエリアも多く、中学受験熱が凄いですが、小学校受験をするご家庭も同じエリアに共存するので、保護者様が公立中の選択を含めた意思決定をすることとなります。

この考え方の根底には、保護者様の生い立ちも影響していると考えられます。
私立小で育った保護者であれば、同じように育てたい方も多いでしょうし、公立で育って都心へ出てきて、一定の成功を収めたと考えている保護者であれば、早くから進路を固めてしまうこともある私立小の存在には疑問を持つ方も多いでしょう。

確かに、小学校6年間の学校生活は子供にとって貴重な時間となりますが、大学まで含めると必ずしも私立小がプラスの働くかはわかりません。大学附属小であっても、医学など一定の道へ進む可能性が狭まるかもしれませんし、海外大学への受験機会(考える機会)も損なわれる恐れがあります。また、中学受験で入ってきた方との競争があったり、内部進学のための学習をしなければならないこともあります。
また、大学受験を見据えた場合、現状の最難関校は中学受験で登場しますので、ここで進路を確定する必要はない、という考え方も根強いです。

一方、中学受験を考えてみましょう。最難関校を受験しようとすると、小学校低学年から学習塾通い又は相応の準備は必須です。
小学校受験の塾通いは、中学受験組から見てやや批判的に語られがちですが、この点は公立中組から見て50歩100歩です。

色々な進路で結果を出すスーパーキッズは、小学校で何かに興味を持って打ち込み、自分のかける時間と情熱をそこに注ぐ子供が多いですね。この点、中学受験を真剣に打ち込むという選択は、有限の時間の多くを学習に費やすこととなるので、様々な可能性を知らず知らず閉ざしてしまう可能性もあります。

まとめ:小学校受験も中学受験も親の意向が大きく影響。
小学校受験は学校によって将来の進路を固定するリスクがある。
対して中学受験は中学準備による時間の制約で能力を伸ばす可能性を限定するリスクあり。

受験準備の期間

それぞれ受験を決めた時点で、受験準備や塾通いなどで、日常生活に一定の影響があります。
小学校受験と中学受験との比較においては、幼児期と小学校生活期のどちらを受験の時間に費やすかの違いであって、いずれにせよ影響があります。

小学校受験では、産まれてすぐに人気教室の予約、、など語られることもありますが、これは極論としても、志望校が決まっていれば、未就園児の段階で準備する方が多いです。

ここで言う準備とは、説明会の参加とお教室通いです。
前者は私もなんとも微妙な制度と感じている所ですが、説明会の参加回数が小学校受験の一定の評価となるケースがあります。こちらは、参加して得するかどうかはわからないが、損することはない、という位置づけです。

我が家も実際の受験で説明会の回数を聞かれて二桁の回数を答えたことがあります(WEBで履歴がわかるので覚えていた)。
この点、回数なんて関係ないと思いたいところですが、面接が和やかに進む時点で有利になったこととなります。
よって、学校によっては一定の関係があります。

後者のお教室通いは、難関校であっても、年少のうちに通い始めれば十分です。
年中からは個人差が出ますが、年少のうちは週一で十分で、週二通っていないから差がつく、など不安に感じる必要はないですが、年中後半あたりで焦って通うのであれば、最初から通っておいた方が無難かもしれません。

次に中学受験です。
中学受験は、サピックスや四谷大塚などの大手塾でも小学校1年生、2年生までは週1と比較的ローペースですが、既に多くの小学生が通っています。昨年であれば、サピックスは11月~12月で新一年生の入塾テストを締め切りました。よって、良くも悪くも中学準備の低年齢化が進んでいます。

小1では全国統一テストや早稲アカのチャレンジテスト、四谷大塚のリトルスクールオープンなど、無料で受験できる大規模模試やテストが実施されますが、上位はまだ小学校受験生が多いです。

なぜかと言うと、どの模試もテストも「知恵」カテゴリの問題が多いからです。たし算、ひき算を伴う数の分野、簡単な読解問題は公文へ通っていれば解けますが、「知恵」カテゴリの問題は小学校受験のペーパーの延長で、一朝一夕でできるわけではありません。
よって、矛盾するようですが、中学受験を有利に進めていくためのスタートダッシュに限れば、矛盾するようですが小学校受験のペーパー対策が役立つことになります。

ここで両者を比べてみると、受験中心の生活になりがちな小学校受験の「本気の準備」は年中の途中から年長11月頃までとなります。一方、中学受験は受験に向けて本気になる期間は、低学年から小学校4年生当たりまで幅広くなります。

このため、小学校受験については幼児期の教室通いに関する準備を早い段階で行って、家族の時間やお子様が興味を持った分野の追求に時間に充てるという考え方ができます。

まとめ:幼児期、小学校期、どちらも多大な受験対策に係る時間を要するが、小学校受験の方が対策期間は短い

英語学習時間

今後、中受でトピックに挙がりそうな論点が英語の学習ギャップです。

最近では、英語の学習量に大きな差が広がっていると考えます。
ここ数年、小学校の英語教育とともに、英語学習環境が整い、幼児期から英語でネイティブ相当の学習準備を続ける子供が増えてきました。私立小の多くは英語学習が低学年の授業で組み込まれ、更にその授業についていくため、各ご家庭で学習をする傾向があり、更にレベルが高くなります。

この点、まだまだ中学受験における英語受験は少数派ですから、中学受験に力を入れれば入れるほど、受験に関係ない英語科目は後回しになります。
一方で、公立中進学予定のお子様や、中学受験の必要がない私立小のお子様は、ノンストップで伸び伸び英語学習ができます。オンライン英会話やアプリなど学習機会も豊富で、安価で学習できます。

現状、最難関中学に合格した中学一年生は地頭の良さや昔の貯金でカバーし、受験英語であればまだ間に合う段階と思われますが、現状の小1の英語レベルは、よりレベルが高いと感じており、近年は有名海外大学進学の報道も大きく注目されており、今後より顕著になっていくと思われます。

現状、最難関中合格者は、中受で学習した算国理社の高い学力のうち、特に算国に絶対的な自信と実力を備えている方が多いです。ここで絶対的な差をつけて合格を盤石にする受験生が多いですが、英語をどう対処していくかが課題となります。

ヒアリングのみならずアウトプットまで含めたプレゼンスキルまで含めて勝負となると、真の実力者にはなかなか追いつけない面もあるでしょうから、今後中学受験人気まで影響するかどうかはともかく、大学受験の合格実績の勢力図が今後10年で変わるのではと予想し、注目しています。

SNSでも小学校低学年で英検2級や準2級を受けましたという書き込みが散見されますが、小学校の間に受験できるレベルに達しており、会話も普通にコミュニケーションできるだけで脅威です。

まとめ:小学生の英会話レベルの向上を踏まえ、国内外の大学受験の選択肢を含めて将来を見据えた戦略が必要。

お子様の性格・家庭方針

最後にお子様の性格と家庭方針です。
一番大事な所でもあります。

最初に少し触れましたが、お子様が受験を楽しんでいるかどうかで、小学校受験生活は大きく変わります。
たまに見る、小学校受験かわいそう論は、実際は必ずしも当てはまりません。
これは中学受験も同様ですね。子供がやりたい学校に向かって、日々努力している姿は、外野がどうこう言うことではないです。

一番重要なのは、お子様がやる気になっているかどうかで、お子様がその気になっていなければ、うまくその気にさせるか、やる気になるタイミングを待つ親の余裕と考えます。お子様のモチベーションと親の意向が一致していないと、うまくいかない場合もありますので、よくよく考えたいところです。

小学校受験で仮に駄目だったとして、お子様が楽しんでいる限り後悔する必要は何らないと考えます。
前述した通り、小受のペーパー対策は中受でも役立ちますし、最難関校は中学受験校にあります。
更に、仮に中学受験をしなくても、一時的にはクラスなどで悲しい気持ちになるかもしれませんが、日本全国で見ると公立進学は多数派で、その先の高校受験、大学受験で国内外含め幅広い可能性があります。
そもそも今後は、学歴を利用することはあっても頼らない思考も必要になるでしょう。

私自身が子供に小学校受験を選択させたことから小学校受験を推すと思われるかも知れませんが、私自身の生い立ちが異なることもあり、全く中立です。
中学受験までは親が進路に関与できる最後の機会になる方が多いでしょうが、保護者様がよくよく考えた結果であれば、どれも間違いではなく、どの道が成功かどうかは誰にも分りません。
そこで選択された後は、子供に頑張ってもらうしかないです。子供の人生ですからね。

我が家も試行錯誤しながら親子で成長していきたいと思います。

まとめ:子供の気持ちと親の意向が同じ方向を向くタイミングが一番。正解は誰にもわからない。

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