私立小学校受験人気は本当か?:児童数推移と照らして客観検証しました

私立小学校児童数推移と対全児童比率

最近は、小学校受験人気に関する情報が増えてきています。
しかしながら、その人気が何のデータに基づいているのか、根拠や背景が不明確だったり、都合の良い時期を抽出したり
するケースがまだまだ多いです。

今回は、私立小学校受験を検討する方に向けて、これまで得た受験情報をふまえてわかりやすくお話します。

まず、いきなりですが下記根拠データをご参照ください。
文部科学省統計要覧に記載されている国立小学校、公立小学校、私立小学校の児童数推移について、
増加率や私立小児童数の比率を加えました。
ソースデータを直接確認し、指標を加えるだけですが、報道されていない事実も見えてきます。

年度合計国立公立私立私立/合計
19909,373,29547,3049,262,20163,7900.68%
19958,370,24647,3188,254,74168,1870.81%
20007,366,07947,2887,251,26567,5260.92%
20057,197,45846,7207,079,78870,9500.99%
20106,993,37645,0166,869,31879,0421.13%
20146,600,00641,0676,481,39677,5431.17%
20156,543,10440,2686,425,75477,0821.18%
20166,483,51539,5436,366,78577,1871.19%
20176,448,65837,9166,333,28977,4531.20%
20186,427,86737,8376,312,25177,7791.21%
対2000年比較-12.74%-19.99%-12.95%15.18%32.00%
対2010年比較-8.09%-15.95%-8.11%-1.60%7.06%

ここから読み取れることは下記のとおりです。

・日本の人口減に伴い、公立小の児童数は減少し続けている。
・私立小児童数は2018年度と2000年の比較では15%以上増加しているが、2010年度との比較ではやや減少している。
・私立小児童数の全体に占めるウェイトは相対的に上昇傾向にあり、直近では1.2%を超えている。

すなわち、「私立小学校へ通っている児童数が増えている」という報道は鵜呑みにすべきではありません。
2000年との比較だけみると、増えているということになりますし、2010年との比較では微減しています。

しかし、全体の児童数が減り続けているにもかかわらず、私立小児童数が減っていないということは、
上図の右端の比率でわかる通り、全体に対するウェイトが相対的に上昇していることを意味します。
よって、児童数のデータをもって人気が上がっているという表現はグレーですが、間違った表現でもないです。

気を付けるべきは偏った情報による誤導です。
本来2010年や過去5年程度で、原因分析とともに比較すべきですが、
わざわざ2000年のデータのみと比較して結果のみを報じているケースが散見されます。こちらは気を付けた方が良いでしょう。

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実際、私立小学校の人気はどうなの?

とはいえ、私立小学校が注目されている流れ自体は正しいです。
追い風となっている理由は大きく2点あり、2020年度の大学入試改革と、有力な学校の付属小が新設され、志望者が増加傾向であることが挙げられます。

大学入試改革による影響

2020年度以降大学入試改革により、下記のような影響が想定され、
私立のカリキュラムが相対的に有利になると考えられています。

・今後は非認知能力が重視され、結果のみならず、その過程として高校時代の具体的な活動まで成果として問われるようになります。
・暗記よりも、思考力や判断力、表現力が重視される試験に変わっていきます。
・私立小学校の多くは、柔軟なカリキュラムが組めるので変化に即したカリキュラムを既に導入しているが、公立小は今後取り入れていくこととなるため、どの程度対応できるかは未知数。

有力な付属小新設の影響

近年、有力校による付属小新設が目立ちます。加えて、人気が高く高い志願倍率になっていることも特徴です。

・2002年に早稲田実業初等部、2013年には慶應義塾横浜初等部などが新設されましたが、両校ともに私立小学校を代表する学校となっています。近年、補助金の関係で一般受験が難化しているため、相対的に小学校受験からの内部進学が有利になりつつあります。
・2019年4月に農大稲花小学校が新設され、こちらも志願倍率10倍を集めました。単純な志願倍率では首都圏2位です。児童数が増えるとともに、今後志願者数も増えることとなります。
・志願倍率の高い小学校が増えたということは、全体の志願倍率も上昇することとなります。よって、児童数が同じであれば門戸が狭くなる(人気が上昇している)ということになります。

このような状況から、2019年を反映した次年度の数字は、私立小学校へ通う児童の全体に対する割合だけでなく、私立小学校の志望倍率も上がると推定します。

 

 

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