先日、大手不動産、住宅情報サイトHOME’s様に、幼児教室・習い事に関する記事を寄稿させていただきました。
そこで教室選びの指針もお話させて頂きましたが、記事に書ききれなかったこともありますので、目的を踏まえた視点で補足説明したいと思います。
子供にとってはお友達と楽しく遊んだりすることも立派な幼児教育です。
このため、わざわざ幼児教室・習い事に通う場合、得られる成果と、失う時間及び目的をよく考える必要があります。
幼児教育においても、軽い気持ちで幼稚園受験をすると、いつの間にかお受験側のレールに立ってしまいます。
大学進学を目指すのか、大学で国公立などに行かせたいのか、早慶などの私立に行かせたいのか、これらの目的を明確にすべきです。
お受験か中学受験か公立か
まず、大きな分岐点になるのが幼稚園受験や小学校受験をするかどうかの選択です。
特に、小学校受験をする場合、非常に膨大な時間を費やされ、機会損失は大きいです。勉強に費やす時間はもちろん、説明会に子供も連れていかないといけなかったり、逆につれていけずにその間どうしようかなど、1年~2年に渡り振り回されます。
但し、合格してしまえば、教育環境が優れているケースが多かったり、大学まで進学できるため受験のための勉強が必要なくなったり、後々のメリットは大きくなってきます。しかしもっと言えば、受験界の真の強者は大学において東大や国公立医学部で、彼らの多くは中学受験で最難関校に進学した方々がほとんどです。
幼稚園受験までであれば、準備期間は半年程度で問題ないケースも多いです。親は大変ですが、お子様の負担はそれほどでもありません。幼児教室に通うことで、2歳や3歳にして情緒が安定するメリットもあります。
一方、視点をガラッと変えると、近年サッカー少年や囲碁、けん玉など、特定の分野で突出した能力を持ち、注目される天才キッズが増えています。彼ら、彼女達に共通するのは、親にその道の心得があり、それを中心に毎日を過ごしていることです。これは、なんでもそつなくこなすゼネラリストよりもスペシャリストを求める現代の風潮にも合っています。
結果を出したご家庭の育て方を調べると、多くは3歳~4歳には方向性を見出しています。
地頭の良さを追求する幼児教室と、将来の進路を固めるための幼児教室
これまで様々な幼児教室・習い事を見てきましたが、大きく、2つに分類できると考えています。
地頭を良くして、将来様々な困難を乗り越えていくための教育と、将来の進路を見据えた受験のための教育です。
私の表現力の問題でもありますが、このように2つ並べると前者の方がよく聞こえますね。
これらは進路が幼児期に大きく分岐しますが、
前者を重視するご家庭も多くは、最終的に良い大学には行ってほしいと考えています。
よって、先を見据えた学習を行うか、早い段階で固めてしまうかという違いが大きな相違点です。
小学校受験において、早慶の附属校に合格することは非常に困難でもの凄いことです。
でも、大学受験において超難関校の受験生からみると、早慶は滑り止めになります。
内部生などの側面もあるので価値基準は一言で語れませんが。
まず、地頭の良さを追求する教育を重視する幼児教室は下記のような教室が挙げられます。
共通する点として、小学校受験を目的としていませんが、頭の回転を早くしたい、賢い子に育てたいという先を見据えた親の
願いが込められています。
・七田、イクウェル、チャイルドアカデミー
・ベビーパーク・キッズアカデミー
私は常々、これらの幼児教室を推していますが、明確な欠点もあります。
それは、効果を測る指標がないことです。ほぼ全ての結果は主観にすぎません。
他の習い事との掛け持ちによる成果かもしれませんし、単に意識の高いご家庭の日々の指導が良かっただけかもしれません。
一方、将来の進路を固めるとは、お受験、中学受験などを見据えた教育です。
幼稚園や小学校のお受験をするかしないかによって下記のように分かれます。
お受験に関連
・ジャック
・伸芽会
・理英会
・こぐま会
お受験の関連は薄いが、中学受験以降役に立つ
・公文
・学研
両者対応の幼児教室
・チャイルドアイズ
・コペル
小学校受験において進路を固め、大学まで内部進学が決まると、長い学生生活を、自分の興味を分野を追求していくことが
できます。学生時に会計士試験を目指すことだってできます。一方、中学受験のルートは、難関校に入りやすいルートを固めたこととなります。中学受験を売りにする私立小学校は概ね平均して3割以上の学生が難関校に進学します。
東大生に行ったアンケートですと、いつも上位にくるのは水泳、ピアノ、体操、そろばん、公文が常連です。
一方、順位が低いのがお受験幼児教室。これは、お受験をする時点で多くが附属校へ行くので当然と言えば当然。
また絶対数が少ないとも言えるでしょう。しかし、事実として少ないので、各ご家庭の判断により検討材料にすべきです。
お子さまが自ら将来を考えることができる年齢になる前に、結果として進路を親が決めてしまうこともあります。
中途半端なエスカレーターを勝手に構築されても、お子様にとって幸せかどうかわかりません。
途中からお子様が自分でより高みを目指せるように、エスカレーターの作り方を教えたり、自分でもっと良いものを考えたり
することが、今後重視される非認知能力の教育なのかもしれませんね。
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