理系と文系、どっちを選択する?両者の違いと選択指針(適性、就職、年収、将来性)

理系と文系の選択機会は、遅くとも高校3年で訪れます。
東大など一部の大学は入学後学部を選択できますが、ほとんどの大学は入学時に学部まで決めなければいけません。
日本の大学は海外に比べて転部や編入機会が乏しく、通常はそのまま卒業していくこととなります。

私が高校の頃、正直なところ、この選択のイメージが全くわかりませんでした。
当時、大学見学をしたこともなければ、親も高卒でしたので大学のイメージが難しかったです。

そもそも理系と文系は明確な定義はありません。理系の定義は?と聞かれたら、ぱっと答えにくいですよね。
この点、伝統的に理系と文系は研究対象別に分類定義できます。

理系とは、主として自然界(自然科学)を研究対象とする学問のことをいう。
文系とは、主として人間の活動(人文科学や社会科学)を研究対象とする学問のことをいう。

この定義は研究対象に基づく分類ですが、近年は課題解決など含め、幅広く定義されるので、一様ではありません。

大学の学部もまた、理系と文系で区分されています。例えば理系は医学部、工学部、理学部など、文系は文学部、法学部、経済学部、商学部などがまず挙げられます。このような伝統的な学部は明確なのですが、近年新設されている情報系の学部はその垣根が曖昧になってきています。

この点、多くの学生、保護者様は複雑な進路に悩まれているのではないでしょうか。

私は齢41にして、それぞれの進路がどのような道を歩むのか、またどのような生活になっていくのか、また将来性はどうか、実例を通して見えるようになりました。

今回、選択の指針となる情報をわかりやすくお話しできればと思います。

目次

性格による適性判断

まず、最初に考えるべきは、ご自身又はお子様の性格分析です。

大学生活は理系と文系で大きく異なります。上記定義に沿い、ざっくり下記のように分かれます。

理系:研究思考で、授業に出る頻度が高い。学問が将来の仕事に直結しやすく、特殊な知識経験が詰める。文系に比べると、生活が地味。

文系:理系に比べて授業に出る頻度が少ない傾向。学問が将来の仕事に直結しないことが多い。時間がある分、コミュニケーションが多い。

高校、大学にもなれば、明確に個性が出ます。社交性がある方もいるし、あまり話すのが好きではない方もいるでしょう。
それは何ら悪いことではありません。この点、理系は社交性がなくても良いという単純な話ではないのですが、合わない方を選択してしまうと非常に苦痛です。

好きな学問のジャンルは何か?

次に、好きな学問は何か?ぱっと思いつくものを考えてみましょう。
そう言われても、中高生の間は判断しにくい方もいますよね?それでいいと思います、私もそうでしたから。

まずは考えてみることが大事で、何か具体的に思い浮かぶ方は、明確に学部が決まり先へ進めます。
一方、思い浮かばない方もまずは経済学部や商学部を軸に、勉強しながら考えれば良いと思います。

私見になりますが、何がやりたいか決まっていない場合も、少なくとも高校時代は勉強することを辞めずに、色々な学部を調べて頂きたいです。そのための学生生活ですからね。途中でやりたいことが見つかることが多々あります。どうせ勉強するのであれば、そこから勉強するより、予め勉強したほうが良いです。

他にやりたいことがあれば当然それに邁進いただくとして、何をやりたいか決まっていない場合は、良く調べてから判断すべきです。いずれにしても高校生活が終わると、大学へ行くのも、働くのも、独立するのも、何もしないのも自由で、かつ自己責任となりますからね、、、進路を考える貴重な時間です。

理系と文系の進路の違い、就職、年収

大学や学部によりますが、工学部など理系は、研究内容を追求すべく多くが大学院に進学してから就職します。一方で、文系は大学卒業時点でほとんどが院へ進まず、就職、または他の道へ進みます。

全体的な就職率としては、圧倒的に理系の方が高く、人気です。これは現時点で言い切れますし、しばらく続くでしょう。

文系と理系の生涯所得がよく話題になりますが、文系は上と下の幅が広くあてになりません。理系はその中で、中の上に多く分布しています。

少し具体的な話をしましょう。
私は中小企業の人事関連支援も行っていますが、働き盛りの理系の人材は首都圏、ほとんど取れません。中小企業で理系の研究職、ある程度の実務経験者を取ろうとすると、年収700万円以下で募集しても厳しいです。大手に取られます。1,000万円超がゴロゴロしています。
通常、面接では会社が人材を選ぶ側ですが、ここ数年はなんとか選んでいただけることを目指している状態です。

一方文系は職種によりまちまちで、全体として人材難ではありますが、理系ほどではありません。今はAI過渡期なので、今後10年ぐらいかけて落ち着いていくでしょう。つい10年ぐらい前、派遣切りなど問題になった時期がありましたが、再度このような事態になる可能性もあると考えています。
また、文系ですと、職種によっては400万円以下の年収でも採用できる傾向があります。一方、特殊な能力をもった一部の方は急に年収が高くなり、1,000万円超も散見しますが全体に占める割合としては少数で、管理職ポストの募集で700万円からで800万円程度に集約しているイメージです。

このような差が生じるのはなぜかというと、理由はシンプルです。
理系はコツコツと学部から社会人まで積み上げてきたストックがあり、このスキルは一朝一夕では身につかず、参入障壁が高いからです。文系はどちらかというと、仕事に必須の学問が少ないので、差をつける何かがないと、ライバルが多く評価が低くなりがちです。

このように、社会に出てから稼ぎながら、文系が特定の理系分野を一から学ぶのはなかなか厳しいです。
そしてこのような重要な選択を、大学入学の時点で強いられます。
ご自身の性格とニーズを踏まえ、ご自身の進路や、お子様の進路を考えて頂ければと思います。

 

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