2020年度から始まる大学入学共通テストと、センター試験の比較

2021年1月(2020年度)に行われる大学入学共通テストでは、「国語と数学の記述式問題」と「英語の民間試験の導入」が見送りとなりました。

このため、共通テストもセンター試験と同じマークシートで行われることとなりますが、問題は変わっていきます。
2024年度で変わる内容も踏まえ、今後どのような対策を行えばよいでしょうか。現時点で、来年度以降変更していくであろう点を挙げておきます。

目次

問題の難化(2020年度より)

センター試験は平均正答率を6割を目安に作成していますが、共通テストは5割を目安に作られるとされています。
このため、難易度が上がることが予想されますが、怖いのはその難化の仕方です。

全体を1割下げるというのは、相当綿密な予測を行わないと困難で、問題傾向も「考える」プロセス重視の問題に変わっていくことから、調整が非常に大変と思われます。この計算が1割ぶれると4割になりますが、4割ですと相当難しい問題ですよね。

余談ですが、国家試験の会計士試験でも、経済学で難しすぎる問題が出て、全30問以上ある中で、1問できれば合格だろうという年もありました。これは極端な事例としても、匙加減を間違うと混乱が生じるということです。

受験生は、これまで通り基礎を大事にしながらも、色々な形式の問題に慣れておく必要があるでしょう。

思考力や判断力を問う問題が増える(2020年度より)

図表や会話文など、複数の資料を関連付けて読み解く問題が今後増加します。

しかし、これは出題例がプレテストで公開されているので、この形式を仮に踏襲するのであれば、今まで通りの試験の応用にすぎないとも言えるでしょう。何かしらの知識を前提として、数字を読み解くものが出題される可能性が高いです。いかにも日本的ですが、プレテストがあれば、それを無視すぎると批判を受けるから、結局は無視できないんですよね。

今できる対策は様々な問題に取り組んで場慣れすることにあると思われます。

英語のリスニング配点(2020年度より)

センター試験の配点はリーディング200点と、リスニング50点で、二次でこれに一定の掛け率を乗じて点数加算されていましたが、共通テストでは、それぞれ100点となり、更に両者の比率を大学が決めることができることとなりました。例えば東大はリーディング7、リスニング3となります。中には1:1の大学もあり、実力に応じて志望校に影響を与えるパターンも大いにありそうです。

また、問題を読む回数も、センター試験では2回ありましたが、共通テストでは問題によって1回のこともあります。

因みに、ライティングとスピーキングについては2024年度以降まで導入延期されています。
しかしながら大学の個別試験で重要となりますので、こちらは変わらず対応が必要そうです。

情報Ⅰが入試科目に追加(2024年度より)

現時点で中学生以下の方には関係するところです。
2024年度からは情報Ⅰの試験が導入される予定で、この試験科目を取る受験生の増加が予想されます。

なぜなら、現在人工知能のトピックはトレンドで、これからしばらく続きそうだからです。
このあたりの特異な知識、能力は、我々40歳以上が置いてけぼりにされがちなスキルで、どんどん優位性をもって進めていけますね。

小学校でもプログラミングの教育が必修化されますし、教室が乱立し、意識しているご家庭も多いです。
2022年には、高校でコンピュータサイエンスを学ぶ「情報Ⅰ」が必修科目として新設されますので、この頃にはもう情報分野の学習は広く浸透しているでしょう。

しかし、、、一つだけご注意いただきたい点があります。このスキルは得意な方は本当に得意で、小学校からずっと学習しているような方は、余裕で満点を取ってくることになると予想します。このため、選択式であれば、得意な方のみが集まり、好きなだけでは太刀打ちできない可能性もあるので、事前にライバルチェック含め、勉強が必要か慎重に判断すべきです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次