今日は小学校受験の過去問がテーマです。
小学校受験をされる方のほとんどは、志望校の過去問を購入されると思います。
過去問の学校別一覧、開始時期、おすすめの問題集をご紹介していきます。
過去問題集とは:いつ、何を始める?費用は?
小学校受験の過去問題集の多くは、お教室が実際に受験したお子様やご家庭から情報を集め、冊子にまとめています。
2022年度については、某お教室で我が家が情報提供した部分も掲載されていました。
過去問は早い方で年中の冬から少しずつ、標準では年長の4月~7月頃に取り組む方が多いです。
個人差があり、難関校を受験する方、複数受験する方は取り組むタイミングが早くなります。
場合によっては夏に始めると間に合わないことがありますので、計画的なスケジュール管理が必要です。
過去問を取り組む目的は下記の通りです。
この点、見逃しがちな重要な点は、保護者様が出題範囲を理解することで、そのタイミングは早い方が良いです。
お教室任せになりすぎると、自習の際に適切な教材を選ぶことができなくなったり、試験に出ない問題に取り組んだり対応を誤りがちです。必要な範囲がわかっていれば、迷いなく学習が円滑に進められます。
過去問は幼児教室の窓口や大型書店、インターネットで購入できますが、初見ではどれを買うか迷います。
最新年度の過去問販売開始時期は幅があり、概ね3月~7月です。関西など試験日に応じてそれより早いことも多く、順次追加されていきますので、各リンクよりご確認ください。費用は出版元によって異なりますが、概ね2,000円~3,000円程度です。
8月下旬以降、下記のように毎年どれか売切れとなり、ネットオークションやアマゾンで高騰します。
欲しい時に手に入らず過去問難民になるのは非常に手痛いので、こまめにチェックして発売されたらすぐに買いましょう。
この点、売り切れになりやすいのは受験者数の多い人気校ではありません。人気の小学校は複数の教室が過去問を出していますから入手しやすいですが、特定の教室しか出していない学校の過去問は品切れになりやすいです。
上記理英会であれば、学習院や慶應横浜初等部はまだ買えますし、他の教材と比較する余裕がありますが、理英会しか出していない昭和女子は既に売り切れです。
今年は特に販売時期が遅れている印象ですが、販売時期が遅い場合は前年の問題集でも概ね足ります。
基本的に買うのは一冊で十分です。出版元によって問題が異なることもありますので、落とせない学校の場合は二巡目に違う問題集にするのも良いでしょう。
都心で人気の代表的な過去問題集は、伸芽会、ニチガク、理英会、こぐま会です。
我が家は、過去問は伸芽、ニチガク、理英会に取り組んで、こぐま会は後述する「教室指導者からのメッセージ」こちらを購入することが多かったです。
この組み合わせで保護者様が出題傾向を正確に把握することができます。
情報がなければ、馴染のある幼児教室のものにするか、始めに目についたものを購入されるのではないでしょうか。
今回、そんな悩みを持つ方向け、又は予め目星をつけられるように、各問題集の違いを簡潔明瞭に説明したいと思います。
既に発売されているかどうかは下記対応表ご参照の上、リンク先にてご確認ください。
なぜ出版社ごとに問題が違うのか?
小学校受験の過去問集は、出版社によってそれぞれ問題が類似はしていても詳細は異なることが多いです。
この理由は下記の通りです。
・出題内容は過半数の学校は非公開。
・過去問はご家庭からのヒアリングによって作成する。
・ヒアリングは子供から直接、または保護者が子供から聞いて紙面で提出する。
・出題は日時、時間、月齢によってさまざま。
試験問題が非公開の場合、出題ソースは「幼児」です。
お教室や出版社は、試験後に情報を集めます。
文書の方が多いですが、文書の質はご家庭によって個人差が多くなります。当然、協力しないご家庭もいるし、力を入れて書かないご家庭もいるでしょう。また、保護者が子供に聞く場合は子供が正確に説明できるかという問題もあります。
これを避けるため、大手教室では特に重要な難関校で、一部お子様から試験直後に直接ヒアリングをして信憑性を高めたりしています。お教室から子供に直接聞けば、子供はしっかり答えようとしますからね。
また、試験問題がそもそも人によって大きく違います。
試験日時や時間で問題が異なるので、5パターンも6パターンもあることもあります。
このため、それぞれのパターンを受験したサンプル数が少なくなり、正しいかどうかを判断することが難しくなります。
我が家も2021年度で提出しており、過去問にも反映されていました。
この点、出題パターンがたくさんある学校については、娘が受験した時間、月齢は、過去問集からは判別できません。
つまり、多くの情報を集めることができる大手は情報が精緻化されますが、少ないと作成が難しくなりますね。
過去問学校別対応表
下記に学校別の対応表を作成しました。
2021年8月18日現在で、公式HPで最新年度の発売が確認できたものに〇、昨年度の過去問は購入できるものに△を付してあります。全て確認済ですが、やや販売開始がずれることもあろうかと思います。その点はご容赦頂ければ幸いです。
志望校の過去問発売が開始されているか、目安にしていただければと思います。
小学校 | 都道 府県 | こぐま会 | 理英会 | ニチガク | 伸芽会 |
学習院初等科 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
暁星小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
慶應義塾幼稚舎 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
成蹊小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
早稲田実業学校初等部 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
筑波大学附属小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
東京学芸大学附属小金井小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
東京学芸大学附属世田谷小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
東京学芸大学附属大泉小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
東京女学館小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
東洋英和女学院小学部 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
日本女子大学附属豊明小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
白百合学園小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
立教女学院小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
雙葉小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
桐朋学園小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
桐朋小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
光塩女子学院初等科 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
聖心女子学院初等科 | 東京 | 〇 | 〇 | △ | |
青山学院初等部 | 東京 | 〇 | △ | 〇 | |
田園調布雙葉小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
東京学芸大学附属竹早小学校 | 東京 | 〇 | △ | 〇 | |
東京都市大学付属小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
立教小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | 〇 | |
お茶の水女子大学附属小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | ||
成城学園初等学校 | 東京 | 〇 | 〇 | ||
東京農業大学稲花小学校 | 東京 | 〇 | 〇 | ||
目黒星美学園小学校 | 東京 | 〇 | △ | ||
玉川学園 小学部 | 東京 | 〇 | |||
国立学園小学校 | 東京 | 〇 | |||
淑徳小学校 | 東京 | △ | |||
昭和女子大学附属昭和小学校 | 東京 | 〇 | |||
星美学園小学校 | 東京 | △ | |||
東京創価小学校 | 東京 | 〇 | |||
品川翔英小学校 | 東京 | 〇 | |||
宝仙学園小学校 | 東京 | △ | |||
国府台女子学院小学部 | 千葉 | 〇 | 〇 | ||
昭和学院小学校 | 千葉 | 〇 | 〇 | ||
千葉大学教育学部附属小学校 | 千葉 | 〇 | △ | ||
日出学園小学校 | 千葉 | 〇 | 〇 | ||
洗足学園小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | 〇 | |
横浜雙葉小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | 〇 | |
横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
桐蔭学園小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
慶應義塾横浜初等部 | 神奈川 | 〇 | △ | 〇 | |
湘南白百合学園小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
森村学園初等部 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
精華小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
カリタス小学校 | 神奈川 | 〇 | 〇 | ||
鎌倉女子大学初等部 | 神奈川 | 〇 | |||
関東学院小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
桐光学園小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
湘南学園小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
清泉小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
聖ヨゼフ学園小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
青山学院横浜英和小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
捜真小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
日本大学藤沢小学校 | 神奈川 | 〇 | |||
西武学園文理小学校 | 埼玉 | 〇 | △ | 〇 | |
さとえ学園小学校 | 埼玉 | 〇 | 〇 | ||
星野学園小学校 | 埼玉 | 〇 | △ | ||
開智小学校 | 埼玉 | 〇 | |||
埼玉大学教育学部附属小学校 | 埼玉 | △ | |||
青山学院大学系属 浦和ルーテル学院小学校 | 埼玉 | △ | |||
江戸川学園取手小学校 | 茨城 | 〇 | |||
関西学院初等部 | 兵庫 | 〇 | △ | ||
城星学園小学校 | 大阪 | 〇 | 〇 | ||
大阪教育大学附属池田小学校 | 大阪 | 〇 | △ | ||
大阪教育大学附属天王寺小学校 | 大阪 | 〇 | 〇 | ||
大阪教育大学附属平野小学校 | 大阪 | 〇 | △ | ||
雲雀丘学園小学校 | 大阪 | △ | |||
関西創価小学校 | 大阪 | 〇 | |||
関西大学初等部 | 大阪 | 〇 | |||
四天王寺小学校 | 大阪 | 〇 | |||
四條畷学園小学校 | 大阪 | 〇 | |||
城南学園小学校 | 大阪 | 〇 | |||
追手門学院小学校 | 大阪 | 〇 | |||
帝塚山学院小学校 | 大阪 | 〇 | |||
京都教育大学附属京都小中学校 | 京都 | △ | |||
京都教育大学附属桃山小学校 | 京都 | △ | |||
洛南高等学校附属小学校 | 京都 | 〇 | |||
立命館小学校 | 京都 | 〇 | |||
広島大学附属小学校 | 広島 | 〇 |
伸芽会:過去問入試問題集
伸芽会の問題集の特徴は、多くの会員の確かな情報を基に、信頼性のある問題を提供していることです。
他の教材よりもやや高額ですが、過去問のボリュームも10年など非常に多く十分な経験を積めます。更に模試形式のシミュレーション問題も付属しています。
役立つのが、年度別の入試問題分析表です。こちら、過去10年などの長期にわたり、どの分野から出題されたかが一目瞭然です。これがあれば、どの分野を勉強すればよいか一発でわかります。志望校であれば、この表をどこかしらで入手したいところです。
また、最新年度の受験形式(試験の流れ・人数・時間・内容など)、面接の質問内容など誰もが知りたいと思う試験情報が豊富です。合格した受験者層の情報提供が多いでしょうから、情報の信頼性も高いです。
評価が分かれる点が、問題が一枚一枚ミシン目でくっついている点。コピーする際に切り離さないといけません。
問題を解く前は解けるかわからないので、あとで解きなおすかもしれない場合、念のため切り離すという作業が必要になります。
ニチガク:過去問題集
ニチガクの過去問題集は、伸芽会で弱点であったミシン目問題をクリアしています。
つまり、家に手差しコピー機があれば、買って封をあけて、すぐにコピーできます。
よって、コピーするための手間と時間を大幅に短縮することができます。
ニチガクは昨年実地の過去問+特徴的な問題を併せて、約40問掲載されています。
1問ごとに「学習のポイント」という豊富な解説がついているので、問題を解くだけではなくて、論点ごとに出題背景・ポイントを深く知ることができます。
価格は2,000円程度で伸芽会と比べると安いですね。また、小学校の実際の試験を報告するアンケート用紙が同封されており、これに回答すると1,000円の図書カードがもらえます。
こちらの特徴は、ニチガクの関連問題集が予め掲示されていることです。
テストごとに特定分野の復習をしたいと思った場合に、すぐに購入することができます。
理英会:そっくり問題集
理英会のネットワークにより、実際に受験した受験者の情報をもとに、首都圏・関西圏67校の入試問題を精選した問題集です。理英会の問題集は対応する学校数も多く、上述の伸芽会とニチガクのいい所取りのようなイメージです。
ニチガクと同様、一枚一枚が切り離されているので、ミシン目で切り離すストレスがありません。
特徴は下記の通り。
問題集は過去5年などで、模試形式のような対策問題集、制作セットも同封されていることもあります。
加えて、入試情報が1年ごとにイラストつきでA4にわかりやすくまとめ、情報が豊富です。
それでいて価格がニチガクと同程度ですから、弱点があまりありません。
理英会のことを知らない方であれば評価も変わるでしょうが、こちらも非常に質の高い教材かと思います。
こぐま会:過去問とっくん
こぐま会の「過去問とっくん2022年度」は、過去10年間分(一部学校を除く)の入試問題に加えて、入試対策資料が付属します。資料には最新年度の入試情報・問題分析・最大過去30年分の単元別出題一覧表が掲載されています。
過去問とっくんの特徴は下記の通りです。
こちらも1ページずつ切り離せてコピーしやすい仕様で、設問が小冊子になっています。
このため、文字の読めるお子さまが問題を読んでしまう心配もなく、実際の入試同様聞き取りに集中できます。
こぐま会:教育指導者からのメッセージ
こぐま会からは過去問以外に、「教育指導者のメッセージ」も有用です。
こちらは完全に保護者向けの冊子で、過去問が受験専門家の見解で細かく分析されています。
こぐま会が蓄積した過去30年(※一部学校を除く)もの入試資料を、家庭で入試対策として使用できるように入試問題を分析しながら詳細解説を加えた入試資料集です。
各小学校の入試問題では特色がありますので、伝統あるお教室ならではの視点で、長期の問題傾向が分かります。
特徴は下記の通りです。
過去問や過去の出題傾向も細かく記載されており、独自の分析に非常に役立ちます。
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