「ママ、ごはん」
「ママ、喉乾いた」
「行く」
日々のお子様との会話で、上記のような一語会話はよくありませんか?
我が家も3歳ぐらいの頃、このようなやり取りが多かったです。私は私立小学校受験のため、これまで色々な学校の説明会に参加してきましたが、先生に日々の幼児教育について伺うことも多いです。この中で色々教えて頂きましたが、その中で同様の回答が複数に渡り、今振り返ると響く内容がこの論点です。
一語会話よりも二語、三語と増やしていくことで、短期的には小学校受験評価、中長期的には文章の読解力、会話の組み立て方、論理的思考に結び付くとされています。
子供が言葉を覚えてくる1~2歳頃、大人はできるだけたくさん言葉を教え、幼児教育に熱心なご家庭であれば、フラッシュカードを利用したり、幼児教室に通ったりして早期学習を試みます。しかし、そのようなご家庭でも、お子様が話せるようになってくると、特段の意識がないと一つ一つの言葉が短くなってしまう場合があります。
大人は誰しも普段の会話の中で、できるだけ効率的に話すため、5W1H(When「いつ」、Where「どこで」、Who「だれが」、What「何を」、Why「なぜ」、How「どのように」)を省いて話しています。脳のシナプスと同様に、使わないものはどんどん削除されていき、この程度は日々の会話で洗練されていきます。最終的には1語になりますね。
例えばお昼にどこに行こうか話している時に、「お腹が空いたので、お昼に、新しくできた〇屋に、私とあなたで、〇ラーメンを食べに自転車に乗って出かけましょう。」みたいなことは普通言いませんよね。
お店の候補が頭に入っていたら「よし行こう」がせいぜいかと思います。この際、お子様はどこへ誰と行くか正確にわからないまま、ラーメン屋へ行くことになりますね。この後、お子様からどこに行くか、誰と行くか、聞いてくることはありませんか?これは子供にとって気になる情報なわけで、言葉が足りていないサインでもあります。
小さいお子様がいるお子様がいるご家庭では、上記のような5W1Hを意識した、ややくどい程度の話し方が有効です。
1語の会話を普段からお子様が聞いていると、お子様もやはり1語になります。
事後的に焦って上記を意識しても、年齢を重ねていればいるほど、修正に時間がかかります。
親が実践してないのに、幼児が言われたことをできるかというと、それは無理がありますよね。
このため、幼児には上記5W1Hを「教える」のではなく、「親が見せる」のが有効です。
日々の夫婦の会話でも、面倒かもしれませんが、この長文会話を意識して話すとよいでしょう。
小学校受験では、口頭試問や面接で子供が先生の質問に回答する局面がたくさん出てきますが、どの学校も恐らく重要視しているのが、文章構成です。
質問自体は結構シンプルです。例えば「好きな食べ物はなんですか」と聞かれたとします。
これに対して答えられない方は少数で、ほとんどの方は何かしら答えますが、この回答で差がつきます。
何を言ったかよりも、その周辺が大事です。例えば、多くのお子様が大好きなカレーライスを例に挙げましょう。
「カレーライスです。」1語文→多分合格点には至らない
「甘いカレーライスです。」2語文→普通
「じゃがいもがたくさん入った甘いカレーライスです。」3語文→厚みが出る。
「じゃがいもがたくさん入った甘いカレーライスです。理由は~(一言で)」3語文+α→理想
合格点に達するかは姿勢、声の大きさ、スピード、内容にもよりますが、下に行くにしたがって厚みがでるのはお分かりいただけると思います。
小学校受験直前は「話し方講座」のようなものがどこの幼児教室でもたくさん実施されますが、1分100円程度の高額な費用がかかります。ただ、この技術は付け焼刃的に教えてもらって身に着けるものではなく、子供が小さい頃から、両親が日々の会話でほんの少し意識していれば自然と身に着くと思われます。
小学校受験の後にもつながりますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。
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