「小学校受験の合格者の特徴」を巡っては、正確な情報がない以上、議論は尽きません。
しかしながら、毎年多くの情報が蓄積され、少しずつ帰納法的に確度が上がってきます。
これまで、自らの小学校受験前後の経験と一部お教室や小学校との意見交換、事後の受験相談と結果を通じて、様々なデータが蓄積しつつあります。時間がかかるのですが、興味があり、一定の情報を提供できればと考えているのが、難関小学校の複数合格者の行動様式です
差し障りのない範囲で、合格するご家庭の特徴を情報提供したいと思います。
今回なぜ複数合格を重視しているかと言うと、ある程度コネやごきょうだい枠の疑念を回避できるためです。あと残るは単純なご家庭力ですが、懸念は緩和されるかと思います。当記事でお話する上で、一定の信頼性を確保するために重視しています。
下記①~③の通り、①②の実体験による経験を基に、③で補完しています。
③では、最大でフォロワーさんで超難関校ばかり6つ合格されている方がいます(途中から辞退されてますので合格コレクターではありません)。実際は、そのような方もたくさんいるんです。
お受験幼稚園に通うメリットかもしれませんが、難関小学校に複数合格したお子様はある程度わかります。
このため、園庭で遊んでいる日常を見学したり、ご家族との交流で、どこが素晴らしいのか自分なりにデータ収集できます。
お受験幼稚園においては複数の習い事に通うのが当然で、お受験教室も同様です。
幼稚園の中ではそれほど親しくなくても、習い事を通じて親しくなるケースが多いです。子供同士は学年を超えてよく見知った仲になっているので、親同士が学年が違っても子供をきっかけに仲良くなることが多いです。
同じ学年は情報交換も活発ですが、時に強力なライバルということにもなります。
一方、上の学年、とりわけ結果が出た方は、実際の受験体験に基づいた非常に多くの良質な情報を頂けることがありますので非常に助かります。また、そのお子様のことも実際に知っていますので、どこが良かったのか自分なりに具体的に落とし込めます。合格者が複数いれば、一定の特徴も見えてきます。
この点、まず前提として注意するポイントがあります。
それは、小学校受験はスタートラインが人によって違うということです。
例えばよく出る縁故問題ですが、公の場では「縁故は関係ない、根拠のないインターネットの情報は信頼してはダメ。」と言われることがよくあります。この点、後段の信ぴょう性はともかく、私立の縁故や最近の医大のような不祥事を全否定することには無理があります。幼稚舎も青山初等部も、少なくとも疑いを招く行動で週刊誌に書かれましたね。
きょうだいはまず圧倒的に有利なことは疑いようもなく、また親がOBという点も影響する場合があります。社会的に著名な方のお子様も同様です。私はこれらと無縁ですが、スタートラインの違いはあって当然かと思いますけどね。
よって、合格者の共通点というテーマで下記に実際に感じたことを書きますが、人によってゴールの難易度が異なり、お子様の能力がそのまま直結するわけではないという実情も踏まえ、参考にしていただければと思います。
慶応幼稚舎、早実初等部など難関私立や国立小学校など合格者の共通点
掛け持ちしている幼児教室の数
倍率5倍以上の私立小学校 複数合格者の掛け持ち状況(~2022年1月末まで)
掛け持ち状況 | 該当数 |
教室通いなし | 0 |
単独の教室通い | 6 |
複数の教室通学 | 34 |
お教室通いゼロで早慶W合格です、のような回答は、噂含めこれまで聞いたことがありません。
実際のところ、お教室を1つや2つに絞っているという方もかなり少数派。
いないとはいってませんので誤解しないでくださいね。伸芽会、ジャック一筋で十分合格します。
実際は、それだけでは無理というより、伸芽会で緩やかなペーパー進捗大丈夫かなという心配や、ジャックで複数校通う際にスイングを掛け持ちしたりするわけです。
当ブログ別記事でアンケートをとらせていただいた限り、国立専願の方は割り切って少数の方もたくさんいらっしゃいます。私立と国立を複数受験される方は本当によく調べて、正しく情報を選別し判断されていますね。
これは私も実勢に目にしています。
お子様も万全で費用も青天井なご家庭は、あらゆる幼児教室(の体験)を回って確かめ、週5~6日は習い事で埋め尽くされています。特に直前期はどうしても色々手を出してしまうようです。大学受験ではかなりの愚行ですが、小学校受験の場合、学校に強い弱いがはっきりしていますので、必ずしも悪くはないと思われます。
お受験界の幼児教育・習い事で見られる傾向としては、ベースの大手幼児教室+運動教室は必須で、次に英会話、弱点を補う幼児教室、ピアノなどの音楽系、公文のうち、1つ2つ何かやっています。お受験が近くなると、七田など能力開発系の幼児教室を断念する方が多いようですね。
こどもちゃれんじやZ会などは、話題には挙がらないものの、情報を網羅しておくために取っておく方が多いようです。しかし、年長時は戦力と考えていないでしょう。
開始時期が早い
小受は年中前半までに始めればなんとかなると言われていますが、その中でも格差があります。
この議論をすると、いやいや年長からでも合格しますよというご指摘も受けるでしょうが、傾向を示すデータが方々であります。
下記メリーランドの大野先生の趣旨が私の考えるところと近いです。
入試対策の開始時期
— 大野将平◇小学校受験塾経営&講師&保育園園長 (@shoheiono) February 22, 2022
A. 年少の11月(=入試2年前)
B. 年中になる4月(=同1年半前)
C. 年中の11月(=同1年前)
D. 年長になる4月(=同半年前)
Aからだと十分早い、Bが平均的、Cは急げば大丈夫、Dで間に合うこともあるが高負荷。年長の7月に0からスタートして第一志望合格した例もありました。
正確には、上記Dであっても何があるかわからないけど、あれこれ手を出す余裕はなく、志望校も絞って邁進するのが普通です。一点集中の結果、合格まで届くか否かが勝負で、この場合は複数合格の戦略を取るのは、良い策ではないでしょう。
可能性を高めるためには、基本的に上記A、Bで万全にしつつ進めることが望ましいです。
それで合格するかどうかはともかく、可能性を高められることは数多く実践いただきたいです。
まだ年中以下の方は、お教室の通室頻度はともかく、学習は緩やかにでも、早めに始められることをお勧めします。
一目見れば目立つ
よく幼児教室で言われる言葉ですが、見慣れている人が見れば、一発で輝いている子がわかると言われます。
私はそのような千里眼はないですが、確かに目立つ子はわかります。
幼稚園やお教室で大人数いる中で、だれをを合格させたいか?と聞かれたら、30秒もあればなんとなく見えてきます。
目が輝いている、笑顔で明るい雰囲気を与えている、気遣いができる。などなど複合的な要素が一つの印象を形づけます。
行動観察の評価尺度に集積されますが、行動観察の評価はどの学校でもある程度近似しています。
色々伺った結果を反映すると、
体幹がしっかりしている
上記パッと見の印象にも関連しますが、月齢によらず、運動をしっかりしている子は体幹が違います。
筋トレをしているというわけではなく、日々走り回って、いろいろな体験を通じて、体つきに現れるのでしょう。これは反射神経の良さ、社交性にも通じるものがあると思います。合格した年長のお子様が遊んでいるのを園庭で見ていると、総じてこのような印象を持ちました。
一通りの所作が完璧
礼儀を完璧にしているというより、園児としての子供らしさをもちつつ完璧という意味です。これまで受けてきた幼児教育のバランスが良く、全体的な平均よりすべてが上回っている印象を与えます。
具体的には、歩き方も堂々としていて、だらだらしません。座り方も上品、足もぶらぶらしません。座っているときはまっすぐ先生のほうを見て、表情もリアクションも豊か。手を挙げるときは元気よく上げ積極的。先生に突っ込みを入れて、園児にしては気が利いたことを言ったりする。先生が絵本を読んだら静かに聞いて、内容もばっちり覚えている。
これは誰しも意識して教育するところでしょうが、似たような子が10人集まると、やはりその中で上位2割と下位2割が出ます。そこで差がつくんだろうと思います。
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