今日は大手幼児教室で実績がある伸芽会とジャックに加え、最近勢いがあるスイングについてお話したいと思います。
先にお話しておくと、私はこの3校、程度の差はありますが全て通っています。
一部は親戚が元講師(少し前ですが)だったりしますので、情報はある程度正確かと思います。
経営母体、沿革、教室
伸芽会は上場企業の株式会社リソー教育の一事業として運営しています。一方、ジャック幼児教育研究所は非上場です。
このため、株価もわかりますし、伸芽会の事業がうまくいっているかどうかは、リソー教育のホームページで結構詳細に開示されています。一方、ジャックについては詳細は開示されていません。
伸芽会は1959年から幼児教育の運営を開始し、現在は関西含め23教室展開しています。一方、ジャックは1969年に体操教室から始まり、現在は首都圏15教室(2019年11月より白金台で開講含む)展開しています。
伸芽会はオフィスビルの一角に教室を構え、待合スペースが必ずありますが、ジャックはマンションの一室のような場所で授業を行うことが多いです。このため、ジャックは、インターホンで入り、入室したら即教室、というようなことが多々あります。
スイングは校舎がまだ田町と白金、自由が丘の3拠点しかなく、歴史の浅い学校です。合格者が伸びだして注目され始め、今では大手と変わらず認識されています。
有力な幼児教室も都心部に出てきていますので、維持できるかが勝負となりそうです。
指導内容の特徴・違い
伸芽会
・ホームの教室で通常クラス+α講座を取る傾向(講座の確保がしやすい)
・外部教室はイレギュラーなイメージ(講座の確保がしにくい)→ホームの対応が手厚い
・受験のみならず、受験後も踏まえて焦らずじっくり、個性を尊重した授業
ジャック
・学校別に分かれているので取りたい講座で自由に色々な教室へ行くイメージ
・システマティックな対応
・まっすぐ受験合格に向けた塾的指導
スイング:
・学校別、分野別に細かく分類。単科講座の集積のイメージ。
・更にシステマティックな対応
・受験結果を重視した厳しい指導
まず、伸芽会とジャック、スイングの大きな授業スタンスの違いは、保護者の同席可否です。
伸芽会は月に1回程度参観日がありますが、その他は基本的に母子分離です。
授業後に毎回成績表が配られ、授業でやったことの解説が保護者向けに行われます。このため、親は教室を離れてどこかで時間を潰すことになります。一方、ジャック、スイングは毎回保護者同席です。ずっと見続けるのは大変かもしれませんが、子供の長所や短所、授業態度を正確に把握できるというメリットがあります。たまに親にも質問がきたりすることもあります。親も気が抜けません(笑)。
スイングもジャックと同じ参観型です。保護者はネックストラップを下げる必要があり、遅刻すると入れなかったり厳重な体制です。伸芽会・ジャックより一段厳しい環境で、数分前に来ても、心構えがなっていないと怒られている方を見ました。
通常クラスと選抜Sクラスがある他、慶應、早稲田を始め難関校に絞って特定の小学校のクラスがあり、細かくクラス分けされています。
ジャックは伸芽会に比べて、早くから志望校別に授業が細かく分かれています。これは公式HPにも開示されています。
伸芽会も分かれますが、ジャックの方が細かいです。これは一長一短で、志望校が複数あるときは多めに取る必要を感じたりして悩まされることとなります。合格したいがために、複数校舎を渡り歩く方も多く見られます。
伸芽会は、ホームの教室があり、そこを中心に、必要に応じて他の教室へ行くということになります。ジャックより一教室完結の割合が多いです。
次に異なるのはクラスの定員です。
伸芽会は、クラスの人数にややゆとりがあり、直前でも比較的融通を利かせてくれますが、ジャックやスイングは早いうちから締切にしてしまいます。スイングは本年自由が丘が増えて、取りやすくなった印象。在籍している方にとってはレベルの高い母集団の方が望ましいので、後者の方が好評です。
幼児教室側も新しい方が試験直前に入ることで全体の進行が滞ることを懸念しているのが実情です。
あまりぎりぎりに入ると、親も居心地が悪くなることがあります。逆に古くから続けていて、一定の成績を上げると選抜クラスに入ることができます。
伸芽会もジャックも、教室数が多いですが運営がある程度教室に任されている節があり、配賦物のフォーマットや企画も教室によって異なります。どちらかというと、上場会社である分伸芽会の方が統制が効いているイメージで、ジャックは教室ごとにメニューも大きく変わります。
スイングは教室が3つしかなく、先生も同じ先生が行き来していますので、質も変わらず統制は十分に取れています。
ジャックでは2019年11月に新しい校舎が白金台駅前に開講し、注目されました。
白金台は南北線を通じて近隣のみならず、都心方面からも世田谷方面からもアクセスしやすく、幼稚舎などの人気校もあります。
これまで白金台は有力お受験幼児教室があり、袂を分けていましたが遂に来たかといった感じです。
また、スイングも2020年に群雄割拠の自由ヶ丘へ進出。コロナで予定より出遅れましたが、新築ビルで早くも人気です。
港区で盤石の評価を得て、自由が丘へ進出と、非常に目の付け所がよいなと思います。
なお、願書などのサポートについては伸芽会が手厚いです。
伸芽会はいつでも何度でも願書を手直ししてくれます。幼稚園受験の際も非常にお世話になりました。一方、ジャックは制限があります。
この他、市販の受験本も伸芽会の方が多く出していますね。
合格実績
ジャック、スイングは細かく合格者を開示していますが、伸芽会は学校ごとは開示せず、まとめて開示しています。
しかし、伸芽会も内部者には教えてくれますので、隠しているわけでもなさそうです。
この点、ジャックと伸芽会の合格者がよく比較されますが、
あくまで表面的な合格者総数のみで判断する限り、ジャックの方がやや合格者が多いようにも感じます。
但し、ここまで両者ともに通っていますが、授業内容にそのような差は感じません。また、幼稚園の皆さまの選択を見ても、互角の評価で、校舎や先生のわずかな違いが論点になっています。
スイングは慶應や早稲田、洗足など一部難関校で強みがありますが、教室の数を加味すると、ジャックや伸芽会と肩を並べる存在と推定されます。
合格実績は合格率で評価すべきなので、通学過程である程度合理的に算出できれば追伸します。
お月謝
ジャック:総合 59,400円/月 120分(年間一括払いで54,000円)
伸芽会:総合 69,120円/月 150分
できるだけ同条件で比較してみました。1分あたりで換算すると、両者ほぼ等しく高いという結果になります。
ジャックは年間一括払いにするとそれなりに安くなるのでお得です。仮に途中でやめる場合も、手数料を少し控除された
金額で、未受講分が返金されます。また、講座の優先申込ができる準会員(21,600円)という制度があります。
ほぼ半数は何かしら他と掛け持ちしており、通常の講座と志望校の講座を取る組み合わせがスタンダードです。
この結果、月額のお受験費用は10万を下らず、多くの方は年間150万円以上お教室だけで費やすこととなります。
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