コロナショックで小学校受験者数がどうなるか、、と危ぶまれましたが、コロナ禍で私立のオンライン授業や学校の学習環境、加えて簡単なWEB出願など、出願増を後押しする事象が重なり、難関小や国立小は軒並み志願者が増加しました。
今回、主要な国立・私立小学校につき、リーマンショック年度前後の受験者数を比較してみたいと思います。
それぞれ金融とウイルスという点で原因が異なるものの、職を失い、家計に悪影響を与えると言う点では共通します。
リーマンショックは2008年9月15日に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことから、世界的な金融危機に陥り、株価も景気も一気に冷え込みました。
当時も短期間に株価が大きく動きましたが、株価の変動で言えば、当時の方が大きいです。株価は12,000円程度から2か月も経たないうちに6,000円程度まで半減したので、変動率としては約半減で、実に大変な日々でした。
多くの方は職を失い、又は収入を大きく減らしました。加えて、ここから長いトンネルに入り、東北の震災後に復活するまで数年要します。
コロナショックでも経済的に厳しい状況に置かれる方が続出しましたが、小学校受験層が受験を取りやめる、という方向には至らなかったようです。
学校説明会が開けないなど、学校と接触して知る機会、受験しようと思う機会も奪うこととなるので、知名度が低い学校にとっては痛手となることもありました。
受験日が不透明な状況は、受験可能性を踏まえて念のための出願が増え、志願者数増加につながりそうです。現在、都内私立小は11月初旬を中心に受験日が固まっており、多くの方は受験日から逆算して受験校をまず絞っています。ここで諦めるケースが多いわけですが、受験できるかも、となれば受験校を増やしたい方も多いはずです。
また、コロナ禍で対応が素早い私立小学校の動きが目立ったので、こちらを評価するご家庭が多い可能性もあります。
リーマン直後、2009年度の受験(2008年11月)については願書提出直前と重なりますので、経済的に大きな影響を受けながらも志願自体にはそれほど影響せず分散したと考えられます。直接的な影響を受けたのは、翌年ですね。
では、私立と国立に分けて主要小学校につき、リーマン前後の志願者数を比較してみましょう。
【2007年~2010年】主要私立小学校のリーマン前後の志願者数比較:多くの学校で減少傾向
まず私立小学校の比較です。
なかなか面白いデータとなりました。青色の2007年は非常に好景気でした。単純な景気や有効求人倍率では、前後5年で一番良い一年でしたが、以後、景気は灰色の2009年11月を底として下がっていくこととなります。
受験者数も一定の相関関係があり、明らかにリーマン翌年に下がっている学校は、慶應、早稲田、成蹊、桐朋学園、桐朋、女学館など。
一方、青山は逆行して高くなっています。青山は確かにお金持ちのイメージはありますが、果たして青山だけ高くなるほどか、、、というと、やや疑問もあります。純粋に青山の人気が上昇局面だったのかもしれません。
【2007年~2010年】主要国立小学校のリーマン前後の志願者数比較:男子は変わらず、女子は減少傾向
国立は面白い傾向があります。青の2007年から比較すると翌年下がる傾向があるものの、人数比としては私立と比較して明らかに軽微です。学費も公立に比べるとかかりますが、私立に比べると雲泥の差ですからね。
面白いのは、各校女子が減少していることです。
理由は色々考えられますが、データから女の子は試験を取りやめた家庭が多いようです。一方で、男の子はあまり影響を受けない傾向があるようです。
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