中学受験で抑えたい倍数(2,3,5,6,8,9)の判別方法:今後重要となる算数・数学の思考プロセス

今日は直近の学習指導要領も踏まえ、算数における倍数のお話をしたいと思います。

例えば52,767は9の倍数ですか?
と聞かれた時、瞬時に答えられますか?

この点、この類の問いに対する解法は後述のとおり比較的ありふれており、丸覚えしようと思えば簡単です。
しかしながら、これからはそのような丸覚えのテクニックが求められるのではなく、なぜそうなるのかという思考が大事になってきます。

証明に関しては、大学受験レベルになると数式を用いた説明はたくさんありますが、今回は小学生でもわかる説明をオリジナルでしていきたいとおもいます。本当にオリジナルですので、拙い面があるかもしれませんがもともと算数は自由です。思考プロセスの一例としてご容赦ください。
説明すると手品の種明かしのように、なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、難しいことを簡単に説明するのが算数、数学の醍醐味と思っています。もし共感いただければお子様に説明してあげてください。

まず下記、倍数の見分け方の基本です。特に9の倍数当たり丸覚えされている方が多いのでは?と予想します。
7の倍数は前提条件が限定され、やや難解ですのでここでは省きます。

倍数の見分け方

2の倍数・・・1の位が偶数であれば2の倍数
3の倍数・・・全ての位の数の和が3で割り切れれば3の倍数
4の倍数・・・数字の下2けたが4で割り切れれば4の倍数
5の倍数・・・一の位の数字が0か5であれば5の倍数
6の倍数・・・上記2の倍数と3の倍数の要件を両方満たす場合6の倍数
8の倍数・・・数字の下3けたが8で割り切れれば8の倍数
9の倍数・・・全ての位の数の和が9で割り切れれば3の倍数

目次

一の位が偶数であれば2の倍数となる理由

こちらは簡単ですね。偶数がわかっていれば解けることとなります。

全ての位の数の和が3で割り切れれば3の倍数となる理由

少し考える問題になりましたね。
早速ですが、任意の数字と、全ての位の和をいくつか挙げてみます。

6→6
15→6
131→5
1212→6

計算はこのように行います。
131だけ5になり、確かに3で割り切れませんね。
確認方法はわかりましたが、なぜ各桁の和で3の倍数になるのでしょう。

数式に頼らず考えてみたいと思います。

一桁の数字の十の位に0を加えて、30まで3の倍数を並べて考えてみます。

03,06,09,12,15,18,21,24,27,30

各桁の数字の動きに注目してみると、09までは十の位は変わりません。よって各桁の和は3の倍数
09から12に変わる所で、十の位が0から1に増え、一の位が2増えますね。よって各桁の和は3の倍数
18までは十の位の数字は1で変わらず、21になるときに十の位が1から2になり、一の位が1になりますね。よって各桁の和は3の倍数。同様に30になるときは十の位が3になり、一の位が0になり、各桁の和は3の倍数となります。

ここで一の位が0になりますから、あとは同じパターンでこの法則が維持されていきます。
99から102になり、桁が変わるタイミングでも同様で、百の位が0から1に変わり、十の位は0で一の位は2ですね。各桁の和は3の倍数となります。どれだけ桁が増えていってもこのような考え方は維持されます。

考え方は色々あるのですが、小学生であれば上記で納得できるでしょう。

数字の下2けたが4で割り切れる場合4の倍数となる理由

こちらは簡単ですね。100をイメージいただくとわかりやすいです。
100は4で割り切れますが、ここで下2桁が00にリセットされて繰り返されると考えていただければと思います。

100でも200でも10000でも20000でも4で割り切れます。よって下2桁の数字によって4で割り切れるか否かがきまり、百の位より上の位の数字は関係ないわけです。

一の位の数字が0か5であれば5の倍数となる理由

これは感覚的にわかりそうですね。先ほど4で説明した考え方と同じく、10で考えることができます。
10でリセットされて繰り返されますので、一の位の数字だけで割り切れるか否かが決まります。

上記2の倍数と3の倍数の要件を両方満たす場合6の倍数となる理由

6は2×3で2と3の最小公倍数です。このため、6の倍数もまた、2と3の倍数です。
よって、上述の2の倍数と3の倍数の両者の要件を満たす場合、6の倍数となります。

これを条件に当てはめると、全ての位の数の和が3で割り切れて、偶数であれば6の倍数になります。
偶数の判別は容易ですから、手間としては3の倍数の判別と変わりませんね。

数字の下3けたが8で割り切れる場合、8の倍数となる理由

こちらは、4の倍数の説明が理解できればすぐにわかります。
今度は1,000で考えます。1,000は8の倍数ですから、ここでリセットされると考え、2,000も20,000も全て8の倍数です。
同じ法則で考えていきますので、下3桁が8で割り切れれば判別できることとなります。

全ての位の数の和が9で割り切れれば9の倍数となる理由

上述の説明がわかっていればピンとくるかもしれませんが、3の倍数の時の考え方に似ています。
例えば下記108までで考えてみます。

09,18,27,36,45,54,63,72,81,90,99,108

09から18に変わるとき、十の位は1増えて、一の位は1減りました。
99から108に変わるとき、百の位が1増えて、十の位は0となり、一の位は1減りました。
3の場合と異なり、こちらは増減しますが、上の位の数字が増えて、一の位は1減ってますね。

下記でも比較してみてください。

198,207
999,1008
1998,2007

この考え方も自由ですが、9はそもそも10より1少ない数ですから、一の位が0の場合を除き、常に一の位は1ずつ減少していくわけですよね。その分、十の位の数字が増え、十の位を超える増加があるときは上記の通り十の位が0となって百の位の数字が1となるわけです。位が増えていっても考え方は同じです。

この考え方を使って手品ができますよ。

例えば111,111,111
上述の判別方法ですと、各位の和が9なので9の倍数ですよね。
これを9で割ると12,345,679で、確かに割り切れるということがわかります。

ということは、この12,345,679に任意の一桁の数を第三者に言ってもらい、先にその数を乗じて(掛け算して)、そのあとに9を乗じると面白いことになります。

2の場合→222,222,222
3の場合→333,333,333



9の場合→999,999,999

上記太字部分と結果だけ見ると手品のように思われるかもしれませんが、12,345,679に9をかけた数が111,111,111ですから上記の通りの数字となるのは当たり前ですね。

このように、数字の倍数を素早く判断する解法は便利ですが、その理由まで考えると数字を深く理解できることとなりますし、柔軟な思考で考えることができます。
発想は自由で一つではなく、そのような思考プロセスが今求められていますので、余裕があるうちに色々な学習機会に接することをお勧めします。

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