本日、わずか9歳にして兵庫県西宮市の公立小学校4年生、安藤匠吾君が実用数学技能検定1級に合格したと報道されました。
今までの最年少記録は昨年、小学校5年生で合格した高橋洋翔君11歳ですので、学年は1年違いになりますが、一気に2歳も更新したことになります。
匠吾君が合格した実用数学技能検定の内容と、勉強方法を下記にまとめます。
実用数学技能検定とは
「実用数学技能検定」は文部科学省後援の検定で、日本数学検定協会が実施している数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式検定です。
1級から5級までは「数学検定」、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までは「算数検定」と呼ばれます。
2015年以降は受験者が年間35万人を超え、実用数学技能検定を実施する学校や教育機関も17,000団体を超えています。1級や準1級合格などは、多くの大学でAO入試などの要件として認めています。また、国内のみならず、アジア諸国でも実施され、人気が高まっています。
このうち、数学検定1級の出題内容は理系大学卒業程度のレベルとされ、解析分野や線形代数、確率統計、アルゴリズム(計算手法)の基礎などが出題範囲です。
記述式ですが、今回2019年の合格率は14.4%、昨年2018年度の合格率はわずか5.7%とのこと。幅はありますが厳しいですね、、、10%程度の合格率の試験はどれも非常に難関です。準1級合格した人がたくさん100人受けて6人、、と考えると試験の難しさがわかると思います。
匠吾君の勉強方法と検定履歴
お母さまによると、匠吾君のこれまでの勉強方法は下記の通りです。
1歳:テレビの「すうじのうた」を繰り返し見ていた。
2歳:1~100の数字を並べる「数字盤」のおもちゃがお気に入りだった。
幼稚園:九九を自分でマスター、四則計算(足し算、引き算、掛け算、割り算)ができるようになる。
車のナンバープレートの数字を10になるよう計算、数字パズル「ナンプレ」など遊びの中で算数を学ぶ。
数字盤という教材名自体が、公文の代名詞みたいなものですので、これは公文式教材の可能性が高いですね。
ナンプレや車のナンバープレートの話はよく聞きますね。九九は娘もできるようになりましたが、近年の潮流として、九九の早期学習はあまり評価されない流れなので、嬉しいです。九九はできるできないの議論は小さなところで、とりえあずできるようにして先の学習に進むのが有利です。
匠吾君の数学検定合格履歴:
小学校2年生:5級(中学1年相当)に合格
小学校3年生:3級(中学3年相当)に合格、準1級(高校3年相当)に合格
小学校4年生:4月に1級の1次、10月には2次に合格し、最年少での1級(理系大学卒業相当)合格
履歴を見るに、小学校3年生の3級までは、中学相当の内容でもあり、合格するお子様はたくさんいます。
一方で、小学校3年生の2回目、準1級が凄いですね。この時点でかなり難しいはずですが、小3で高卒レベルであれば、合格することは可能と思われます。
次の4年生で1級合格はやや次元を超えています。
周りでもこれを目指す天才児がたくさんいるでしょうから、なおさら凄いです。
計算方法など中学卒業程度までの内容はご両親が教えていたとのことですが、今は数学検定のオンライン指導や、ユーチューバーの動画を見て勉強してるとのことです。後者の動画を流している方も嬉しいでしょうね。漏れなく力をつける意味では、数学検定に特化した学習も必要です。
匠吾君の将来の夢は?
匠吾君によれば、数学の魅力は「答えが出たときに、すっきり楽しい気分になる」点にあるとのこと。
これから中学受験の勉強を始めるようで、次は物理にも関心が出てきたとのことです。中学受験において、数学は非常に大きなウェイトを占めますので、ここでアドバンテージがあればかなり有利ですね。但し、中学受験の算数は求められる分野が異なりますから、それなりに対応は必要となりますが。
匠吾君の合格時のコメントは下記の通りです。
「合格を知った時は涙が出そうなくらいうれしかった。これからもたくさん数学を学んでいきたい」
また、匠吾君の将来の夢は「地球温暖化を止める研究をしたい。今までの温度の上がり方や、対策しなかった場合の温度上昇のデータを出すことに数学が生かせると思う」とのこと。
いつも思いますが、何かの分野で一番になる方は、年齢に関係なくしっかりしたコメントを残しますね。
コメント
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T君の良きライバルになりそう。