本日は首都圏の小学生に絞って、英検や中学受験に強い、新進気鋭の人気の英語塾をご紹介します。
私が塾講師をしていた20年前まで、小学生の多くは中学1年生から受験英語を学び、大学受験に至るまで受験で必要な読み書き中心の習得が求められました。私は当時、「受験英語」に関しては自信があり、大学入学後はその受験英語を教えてきましたが、大学以降はスピーキングまで含めた使える英語の習得に苦労しました。
周囲ではベルリッツが流行ってましたね。この点、今なお、ネイティブとは埋めがたい差を感じています。
当時の受験英語はこの土俵で戦っていたため何とかなりましたが、ここ10年で小学校の英語学習環境も、英語塾の業界動向も大きく変わりました。当ブログを書いている間にも変わり続けています。
英語を取り巻く環境の変化
・2020年度の学習指導要領にて、小学3年生から外国語活動、5年生から英語学習を導入
・中学受験で英語を導入する学校の増加
・コロナ禍でオンライン英語が浸透
・4技能の習得を重視した新しい形態の英語塾が人気
まず、大きな要因の一つは学習指導要領です。
公立育ちですと英語を学び始めるのは中学1年生からでしたが、2020年度より、読み書きだけでなく、聞く話すまで含めた4技能の英語習得を視野に、小学生から英語に触れることとなりました。
更に、中学受験に英語を導入する学校も近年増加傾向です。
これまで中学受験を視野に、受験に関係ない英語を小学校低学年の間に取り組んだり、中学1年からの学習に割り切るなど、特段の意思決定が必要でしたが、新しい選択肢が増えつつあります。
中学受験で英語を導入するしている学校は2022年度で146校(前年比3校増加)
b9c06cd5962f49a333df8bd1942778fc.pdf (syutoken-mosi.co.jp)
参考:首都圏模試センター
同時に、コロナ禍を背景にオンライン学習もより一般化、低年齢化しました。
私がブログを始めた2018年頃、娘は3歳。オンライン英会話はスカイプ中心で、当時はまだ数も少なく、対象年齢も4歳以上が中心でした。今は3歳は当たり前で、オンライン英会話の数も数え切れません。
これまでは対面で行っていた英語教育に新たな選択肢が増え、定額で場所を選ばず学習できるようになりました。
人気の幼児オンライン英会話継続レビュー:対象年齢、費用、効果を比較 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
加えて近年、ここ10年程度と思われますが、今の英語ニーズに即した英語指導を行う、新しいタイプの英語塾に人気が集中する傾向があります。
今回ご紹介する5教室は軒並み人気が高く、予約がそもそも取れなかったり、入塾倍率が10倍を超えたり、一定の英語スキルが求められたり、やや異常な状況となっています。
近年人気がある英語塾につき、共通している特徴は下記の通りです。
近年人気の英語塾の特徴
・授業時間が長く、予習復習のボリュームも多い
・楽しい英語学習というより、使える英語の習得が目的
・英語絵本を推奨
・フォニックス、英英重視の傾向
・文法を学んでからというより、構文(例文)理解から
・英検取得が目的ではない、としつつも結果を出す
・月額費用が高額
端的に言うと、何かしら結果を出すことを意識しています。
楽しく学ぶというより(楽しくないわけではない)、4技能を視野に使える英語の習得を目的としています。
その過程として、英検取得や中学受験合格があります。どの教室もこれらは目的ではないと前置きしていますが、成果が確実に出ていることを示すベンチマークとなり、それが評判の一端になっている所もあります。
英検ですと、通塾期間2年~4年で2級取得が目安です。
小学校の間に準1級合格は流石に大変ですが、2級合格までは珍しくなくなってきています。
指導方針でざっくり共通していることは、英語圏で育った子供達の学習環境に寄せて学ぶ点。
確実に身に着けるため、塾に通わない日の予習復習もありますし、1回当たりの授業時間自体も概ね長いです。
あと、こちらはデメリットとも言えますが費用が高額です。
従来、英語教室は高くても月額1万円前後のイメージではないでしょうか。
新世代は違います。凡そ月額3万円以上かかります。
しかしながら、費用は高くてもしっかり英語を身につけたいご家庭に響いているようです。
この英語塾の論点は2022年8月20日の週刊ダイヤモンドオンラインでも特集があり、JPREP、エベレスト、キャタルについては代表者のより深みのあるコメントが掲載されています。私のコメントも掲載させて頂きました。
宜しければ併せてご一読ください。
小学生英語塾のニーズ急騰!キャタル、エベレスト…人気塾代表らに聞く学習の取り組み方 | 中学受験に勝つ! 最強の小学校低学年の教育 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
今回、調査した5教室をご紹介します。
いずれも2000年以降に設立した新進気鋭の英語塾ですが、確かな実績と定評に裏付けされている英語塾です。
地図も準備しましたので、宜しければご活用ください。
各教室所在地マップ
今回ご紹介する英語塾の分布図です。
ご自宅に近い教室のご確認にどうぞ。
JPREP Kids・JPREP Explorers
2012年(JPREPに改称したのは2013年)に設立し、まだ10年程度しか経過していないにもかかわらず、授業内容の高い質と評判が口コミで広がりました。更にマーケティングも長けており、多くの方が知る英語塾となりました。上記画像は渋谷校で宮益坂近くの一等地にありますが、10年以上前は赤い看板がトレードマークの大原簿記専門学校でした。
小学生の子供対象の英語塾では、一番勢いがあるのではないでしょうか。
主として冬期に実施される説明会申込日はもう大変です。
開始直後、パソコン前でスタンバイ。開始後、5分~10分程度で締切。説明会日程の上方部をクリックすると住所記入中に締切となるリスクが高く、下から選んだ方が予約確定しやすいという、必勝法まで語られるほど。
JPREP Kidsは入塾にあたりこの説明会申込が必須で、人気がより加熱する一因となっています。
説明会では、カリキュラム詳細や合格体験、上の学年の冊子含め、分厚い冊子がたくさん配られます。
オンライン説明会は現状行っていません。説明会申込さえできれば、だれでも入ることができますが、その意思決定も説明会後、数日以内にQRコードで指定されたページから行う必要があります(2023年2月時点の方法)。
上のクラスから始めたい場合は認定テストが必要で、英検4級合格相当以上の実力が必要となります。
英検3級を余裕合格する程度の力があれば、更に上のクラスにも入れます。ネイティブクラスは更にその上で、インターの環境でないと難しいようです。
ジャンル | 英語塾 |
対象 | 小1~小4 年長以下、小5以上は別コースあり |
教室 | 自由が丘、渋谷、吉祥寺、四谷 |
授業時間 | 2時間~2時間30分/週1回 |
費用 | 入塾登録料 33,000円 JPREP Kids 36,300円/月 教材費 30,800円/年 JPREP Explorers 36,300円/月 教材費 26,400円~34,100円 |
特徴 | 帰国子女やインター生など幼児期に十分な英語教育を学習済の子供を対象とした J PREP Explorersと、小学校入学以降に英語学習を始める児童を対象としたJ PREP Kidsで、それぞれレベル分けして講義展開 J PREP Kids ・4年間で英検2級合格を目標 ・日本語母語講師と英語母語講師による各1時間、計2時間の授業+30分間のライブラリー・タイム(宿題、音読、英作など) ・フォニックス、文法も重視 ・毎週1時間程度、自宅で宿題に取り組む復習型の学習 ・オリジナルテキスト、アプリが豊富 ・入塾前に説明会参加が必須だが、5~10分で予約が満席となる。 ・説明会に参加しても、希望の教室、人気の時間(週末など)は満席であることが多い。 ・オンライン授業もあり、振替可。 ・授業の振替は登録校舎のみ可。 ・1クラス10名+振替枠1名の少人数制 J PREP Explorers ・帰国子女を意識したオールイングリッシュでクラスもやや少なめ。 ・説明会が必須な点はKidsと同様。 ・レベル認定テストに合格する必要がある。 ・毎週3時間程度の予習が必要 |
体験 | 不可 |
HP | J PREP Kids トップページ |
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4技能英語塾キャタル(CATAL)
2002年に設立されたキャタルは、現在注目されている4技能英語塾の先駆けです。
教室はいつも生徒で賑わい、高校生まで含めて同じ教室で学びます(小学生の割合は半数弱)。
キャタルではグループ授業はなく、自学自習しながらバイリンガル講師と1対1でオーダーメイドのカリキュラムが展開されます。ここでライティング指導もマンツーマンで受けることができます。
対象は小学3年生からですが、小学生のうちに2級合格を視野に入れた英語学習が展開されます。
入室時期と英語力、現状の成果がHPで写真付きで紹介されているので、成果についても一定の信頼があります。
キャタルは高額ですが、年末などに大規模キャンペーンを行う傾向がありますから定期的に要チェックです。
慶應・慶應横浜・早実・青山学院・成城学園・成蹊・立教・立女・学習院・玉川学園・桐蔭学園・聖心・東京女学館・東洋英和女学院・白百合学園・田園調布雙葉・横浜雙葉・筑波大学付属・東京学芸大学付属など私立、国立のご家庭も多く在籍しています。
ジャンル | 英語塾 |
対象 | 小学3年生~高校3年生 |
教室 | 【東京】渋谷校、自由が丘校、二子玉川ライズ校、池袋校、吉祥寺校 【福岡】薬院大通校、西新校 |
授業時間 | 1.5時間~3時間程度/週1回 ※学習内容や進度によって異なる |
費用 | 入会金:27,500円(税込) 受講料:月額 52,800円(税込) システム管理費:月額 3,666円(税込) |
特徴 | ・使える英語を意識して、文法も含め4技能をバランスよく習得 ・グループ授業ではなく、一人一人にあったオーダーメイド ・当日朝8時までの連絡で無料振替可(回数制限あり) ・毎回、レッスンの最後にスピーキングを録画してフィードバック。 ・物語の要約文と添削を繰り返し行い、ライティングも重視。 ・小学校のうちに2級合格を視野、英検自習教材が豊富。 ・慶應義塾ニューヨーク学院の入試に強い ・英語書籍の無料貸し出しあり ・対象は小学3年生からだが、体験は小学2年生も可 |
体験 | 可 |
HP | 4技能型英語塾® キャタル | 受験・英検合格・留学・使える英語が身につく (catal.jp) |
SNSでコメント頂きましたので、
小学校3年生から対象という点、下記のように伺ってみました。
小学校低学年以下の英語については、ニーズに比して効果に諸説ありますので、ポリシーに共感できます。
小学1年から始めたいというお声、たくさんいただいております🥺が、レッスン3時間は低学年のお子さまには長く感じられること、3年生までは(机でやる勉強という形ではなく)楽しく英語に触れてほしいという思いから小学3年までとさせていただいます😭🙏🏽
— 4技能型英語塾®︎ キャタル📚ブックリスト配布中! (@cataljp) May 29, 2022
早稲田アカデミー IBS
2012年に新設された、早稲田アカデミー系列の英語塾です。
JPREP Kidsとよく比較され、異なる点は、説明会自体はオンラインで容易に参加できるものの、入塾倍率が非常に高い点。
結果、通塾する絶対数は少ないです。入塾倍率が高いものの入塾要件として英語は必要とされていません。
幼児も対象とされていますが、小学生低学年から入る子供が多いようです。
お茶の水本校が特に人気で、英語以外の筆記試験に加えて、更に面接も通過しなければなりません。
入塾に英語スキルは必要とされていませんが、この倍率は10倍~15倍程度と公表されています。
生徒は本名ではなく任意のコードネームを使い、匿名性が重視されています。
英検取得のスピードはトップクラスで、初学者でも1年余りで英検3級に達し、2年~2年半で2級目的が視野に入ります。
英検の合否が進級条件となっているため、結果次第で退塾となります。
ジャンル | 英語塾 |
対象 | 幼児~ 無学年制 |
教室 | 御茶ノ水本館 系列にEnglish ENGINEがあります(月島、国立、新百合ヶ丘) |
授業時間 | 2時間~/週1回 |
費用 | 【入会金】11,000円(税込)基本コース生(早稲田アカデミー塾生)は免除 【授業料】スターター:30,030円/月 スタンダード(5級~3級):40,810円/月 アドバンス(準2級~1級):46,970円/月税込です。 上記のほかに別途教材費・年会費がかかります。 |
特徴 | ・最大10名、教室内振替可 ・オンライン授業可 ・入室試験があり、1次は筆記、2次は面接で倍率は10倍以上(お茶の水本館) ・英検の取得ペースは公表されている数字で比較する限り最速 ・3級まではほぼ全員が1年余りでストレート合格。2年~2.5年で2級が目安 ・英検の合否により休室・退室となることもある ・講師は全てバイリンガル講師 ・毎回10分程度の確認テスト ・海外テキスト使用 ・英英、英語絵本重視 |
体験 | 不可 |
HP | 早稲田アカデミーIBS | 早稲田アカデミーの英語教育 | 進学塾・学習塾なら早稲田アカデミー (waseda-ac.co.jp) |
エベレスト
2015年に設立した新しい英語塾ですが、口コミで人気となりました。
茗荷谷1教室のみで満席状態が続いていましたが、近年自由が丘校を新設しました。
他教室と異なる点は、週単位、時間単位の学習計画を子供が作成、提出し、予実評価を行うことです。
英語中心の英語漬けの日々を送る「仕組み」が構築されます。
毎日の添削、無制限のオンライン英語もあるため、他の英語塾に浮気する要素は一切なくなります。
費用も一番高額で、まさに英語版ライザップ。多くの時間を費やし、本気に英語で取り組むことが求められますので、〇曜日が空いているからエベレストに行こう、、という考えですとうまくいかないかもしれません。
ジャンル | 英語塾 |
対象 | 幼児~ |
教室 | 茗荷谷、自由が丘 |
授業時間 | 2時間~/週1回 |
費用 | 入会金:15,000円(税込:16,500円) グループ:58,000円/月(税込:63,800円) プライベート:58,000円/月(税込:63,800円) インテンシブプライベート:81,200円/月(税込:89,320円) |
特徴 | ・保護者非参観(離れて見学は可) ・英語書籍をオンラインで読むことができる ・欠席する場合は、同日12時までに連絡すれば振替可 ・毎日24時間、スカイプの英語学習が無制限で可 ・毎日、ライティングの添削を受けることができる ・週ごとに学習計画を提出し、実際に予実を見返すことで学習の成果を確認することができる。 |
体験 | 可 |
HP | 英語塾エベレスト(文京区:茗荷谷校/目黒区:自由が丘校) | 小学生・中学生の英語4技能を鍛える。 (everestenglish.jp) |
帰国子女アカデミー(KA International)
中学受験を英語受験で臨みたい場合、非常に高い合格実績で定評ある帰国子女アカデミー(KA)がおすすめです。
KAも2004年に設立された比較的新しい塾ですが、英語受験を導入している中学校も上述の通り増加傾向ですから、規模も合格者も拡大しています。
中学英語で求められるレベルは非常に高い水準となりますので、この過程で英検取得も可能となります。
帰国子女に人気の塾ですが、帰国子女以外でも入塾できます。
ジャンル | 英語塾 |
対象 | 幼児~ |
教室 | 明大前、西船橋、たまプラーザ、目黒、都立大学、船橋、下北沢、吉祥寺 |
授業時間 | 幼稚園年中~年長対象(週1回/80分) 小学1年生~6年生対象(週1回/110分) |
費用 | Kinder Programs 4レッスン/月 ¥29,337 年会費¥22,000 4名程度 Elementary School Programs ¥39,270 年会費¥22,000 6名程度 5th Core Program ¥39,270 年会費¥22,000 12名~15名 6th Juken Program ¥39,270 年会費\26,994 12名~15名 |
特徴 | ・オリジナルテキスト+オールイングリッシュ ・小学校クラスの授業はリーディングハーフ、ライティングハーフの2部構成 ・オンラインで自習できるコンテンツが豊富 ・英語絵本が読めるライブラリーあり ・エッセイを重視し、年に2回発表する機会もある ・中学受験に強く、帰国子女が多いが一定の英語要件を満たせば帰国子女でなくとも入塾可 ・事前連絡で振替可 |
体験 | 可(入塾テストの代替として) |
HP | 帰国生の英語教育に特化したKAのオリジナルプログラム (kikokushijoacademy.com) |
2022年度入試 中学帰国枠受験合格実績 (KA合格者数/総合格者数)
広尾学園小石川中学校(11月、12月、2月合計) 119名/– 内、特待生3名
三田国際学園中学校(11月、12月、2月合計) 121名/–
開智日本橋中学校(11月、12月、2月合計) 36名/–
市川中学校 20名/39名
頌栄女子学院中学校(12月、2月合計) 74名/97名
広尾学園中学校(12月、2月合計) 65名/81名 内、特待生1名
東京都市大学付属中学校(1月、2月合計) 28名/61名* 内、特待生2名 1月A方式総合格者数
聖光学院中学校 10名/35名
洗足学園中学校(A、B方式合計) 56名/76名
攻玉社中学校 21名/–
渋谷教育学園幕張中学校 34名/35名 内、特待生2名
渋谷教育学園渋谷中学校 26名/26名 内、特待生1名
慶應義塾湘南藤沢中等部 30名/–
東京学芸大学附属国際中等教育学校 16名/34名 *A方式総合格者数
参考:帰国枠中学受験実績|帰国子女アカデミー|KA INTERNATIONAL株式会社|東京都|英語教育スクール(小学生・中学生・高校生・通信コース) (kikokushijoacademy.com)
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