今日は速読のお話です。
私が学生の頃から人気だった速読ですが、今では効果がある学習方法の一つとして認知されつつあります。
東京でも、高い中学受験合格率で人気の私立小学校、東京都市大学付属小学校の授業でも3年生で導入されています。
速読の効果と費用問題
速読で目指す効果は、情報処理速度向上にあります。
幼少期のフラッシュカードにも似た効果がありますね。
フラッシュカードもその効果に論争がありますが、速読にも同じことが言えます。
下記は北海道大学の医学部教授の速読に関する見解です。
速読によって色々な脳機能を向上させることができます。まず、視野が広くなり、眼の動きがスムーズになります。これに伴って「注意の視野」が広がります。
注意の視野が広がれば、スポーツやクルマの運転が上手くなりますし、危険回避能力も高まります。
もっと注目すべきなのは、ワーキングメモリの速度が上がる、という点です。ワーキングメモリは思考や推論、計画、決断などの多様な高次脳機能の最重要な基礎です。このワーキングメモリが速くなることで、思考や決断も速くなり得ます。速読中の脳の活動をみても、注意やワーキングメモリに深く関わる前頭前野が左右共にとても活性化します。
前頭前野はこれらの機能以外にも、勉学や仕事などに重要な諸機能に関わります。速読がそうした前頭前野機能を広範に高めることは明らかです。さらに、前頭前野の働きは20歳を過ぎると加齢と共に下がりますから速読が脳の老化を防止する可能性もあり、この点からも速読は大きな意味をもつと言えます。
元北海道大学大学院医学研究科・医学部教授 脳科学者 澤口俊之先生
より直接的な表現では、東京都市大学付属小のコメントが説得力があるかもしれません。
本校の速読プログラムは、単に本を速く読むことを目的にしているわけではありません。
速読プログラムでは、毎回多くの文字に触れるので、自然と文字に対する抵抗力がなくなり、読むことが好きになることにつながります。また、読書スピードが上がれば、同じ時間でもより多くの本を読めるので、読書量が増え、さらに読解力の向上がのぞめます。つまり、「読む」トレーニングと「読み解く」トレーニングをバランスよく行っているのです。
東京都市大学付属小学校HP:東京都市大学付属小学校の特色ある教育 速読プログラム
東京都市大学附属は、中高ではここ10年で飛躍的に大学合格実績を上げて頻繁に雑誌に取り上げられ、小学校では中学受験の実績において都内私立小で1,2を争う学校です。なぜ速読をやるのか、という問い対する答えも合理的です。
ただ早く読むだけでなく、早く読むことで同じ時間でより多くの本が読める=読解を深く読み解くことができる、ということですね。
このように、速読プログラムの実施によって、入学試験など、限られた試験時間の中で、読む時間が短縮されるとそれだけ考えたり見直したりする時間が増え、ケアレスミスや答案の完成度に違いがあると考えています。
ただこの速読、つい最近までは高い参入障壁がありました。それは価格です。
ものすごく高いんですよね。
質はいいんでしょう。でもいいお値段です。私が子供のころからこれぐらいの価格帯です。
小学生~高校生・予備校生-コース案内 | SP速読学院 (pc-sokudoku.co.jp)
8回 35,200円(税込)
30回 119,900円(税込)
50回 173,000円 (税込)
速読は、受験合格などに直接結びつくものではありませんから、興味があっても効果が出るかわからないものになかなか大金をかけられないんですよね。
それゆえ、たまにテレビで本を恐ろしいスピードで読むスーパーキッズに憧れたり、大学受験の英語速読や現代文で差をつけたいと速読を調べるも、受講料を見て通学を断念するのがよくあるパターンです。
それならばと、今度は書店で速読の書籍を買ってみたりして独学を志すのですが、続かずに挫折していずれ記憶から消える、、これもよくあるパターンですね。
上記二つとも私の学生の頃のパターンです。因みに英語の速読はやってましたよ。
それゆえ、速読カテゴリに関しては中立。
今は世の流れも変わり、安価で速読を学ぶ良さげなアプリを見つけました。
しかも作っているのは大手の日本速脳速読協会。金額がえらく安価で、通信教育並。
速読解Biz
■4ヶ月お得パック 13,112円 (税込)(月2,980円/税抜)
■通常プラン 月額利用料5,478円 (税込)※1ヶ月ごとの自動更新です
■3ヶ月利用パック 15,400円 (税込)
■6ヶ月利用パック 27,500円 (税込)
幼児期は小学校受験もあり様子見していましたが、小学校一年生になって4か月パックで親子でトライしてみましたのでレポートします。公式HPは下記ですが、まとめたものやレビューは次に続きます。
対象年齢
メインターゲットは社会人のように見えて、年齢を入力する欄があります。
「小学校低学年以下」を選択することで平仮名表記が可能です。
この点、どこにも書いてませんが、実質的には平仮名が読めるようになったら開始できることとなります。
私が運営するなら、子供向けでも利用できます!とアピールしますが、営利を目的とする団体ではないんでしょうね。
全くアピールしていません。それゆえ、私が代わりに宣伝しましょう。
公文のように短文の文章を素早く読んで読解する問題や、小学校受験で出る絵の記憶のようなものもあり、子供向けの問題は非常にバラエティ豊富です。
アプリ:速読会Bizの使用レビュー
使い方まとめ
購入から学習開始まで、一連の説明にややわかりにくい点がありましたので、実際に一通りやった後、やるべきことを簡潔にまとめておきます。
①コース申込と個人情報入力、クレジット決済
3か月パックより4か月お得パックの方が有利なので、お間違えのないように。
通常、お試しで単月にするか、4か月にするか2択かと思います。疑心暗鬼の方は単月で。
②登録メールアドレスに送られたID、パスワードをコピーし、指定のURLからログイン
無事入力が終わったら、メールアドレスにログインに必要な情報が送られます。
③ログインしたマイページで、違うID、パスワード(アプリのID、パスワード)が表示されているので画面を残しておく
ログインすると、マイページでこれまでの学習履歴が見られるようになります。
このページのID、パスワードはアプリで必要となるので、別にコピペしておくか、画面を残しておくと良いでしょう。
④指定のページからアプリをダウンロードし、インストール
ここが迷うところ。
下記画面でファイル名をクリックするとダウンロードできます。
ご自身のPCの仕様を調べ(マイコンピュータなどから)、OSの32ビットは上、64ビットは下を選びます。
ダウンロードしたら下記exeファイルを選択するとインストールが始まります。
⑤アプリに③のID、パスワードでログインして速読開始
下記で自宅受講はこちら、を選択して上述の③で記録したID、パスワードを入力してログインします。
最初は後述する15分トレーニングから始まります。
トレーニング内容
速読のレベルは、年齢に応じて小学生から大人まで選ぶことができます。
小学生コースがあるので、小学生も対象と明言したら良いのに、HPでは開示されていないので商売っ気がないですね。
また、アプリのインストールは複数媒体で使用することができます。これは非常に大きい!です。
速読力トレーニング
各自の読書速度に合わせて段階的に読む速度を向上させながら、短文チェック問題で内容理解度が伴っているかを確認します。
読解力トレーニング
文章を読み解くうえで必要な基礎的読解力を体系的にトレーニングできます。さらに文章全体の内容を把握・理解する力を養成します。
脳力トレーニング
速読の習得に必要な検索力、短期記憶力、認識力、判断力を、脳トレゲーム形式で鍛えることができます。
15分トレーニング
計測した読書速度に合わせて、15分のトレーニングが展開されます。
学習履歴で強化ポイントが把握できます。
速読アプリレビュー
アプリをインストールすると、準備展開に時間を要するので数分待ちます。
準備が終わったら、ニックネーム、小学校以降のレベルなどを入力して学習が開始します。
よって、このアプリは小学生からでも十分に学習できます。
一方で、幼児は公文などで文章を読む習慣がないと少し厳しいかなと感じました。早期教育としても年長が限界でしょう。
最初は上記の15分トレーニングから始まる仕様でした。
まず実力チェックから始まり、自分の読むスピードを最初に計ります。
文章を読んでクリックするまでの時間を測り、下記のように読書速度が評価されます。
私は1,449文字/分、娘は279文字/分でした。
平均の3倍速度と褒めているように見えて、私も一つ星ですね。決して早くないと言わんばかりの評価。
この後、色々なトレーニングが15分間展開されます。絵が綺麗なので結構楽しいです。
トレーニングは、私と娘でスピードが違いました。初期スピードによって調整されるようです。
下記は眼筋トレーニング。視点移動のトレーニングで、目の筋肉を強化します。
見るだけではなく、途中で表示されるキャラクターを後で問われますので、覚えておく必要があります。
これが子供にとっては楽しくて、長続きします。
娘の場合は簡単でしたが、私の場合は一瞬で見逃しました。
下記は視幅拡大。どんどん輪が広がってきて、中心に一瞬だけ「タッチ」という文字が出たらクリックします。
また、イラストが出たら覚えておくという課題があります。
こちらも子供向けは比較的簡単ですが、難易度があがるとポーズだけ違うので難しいです。
そして次は速読の王道、なぞり読み。高速で読み進められる文章を追いかけて読んでいきます。
徐々に早くなっていきます。途中で追いつけなくなりますが、これもトレーニング。
この他、たくさんの課題があります。
約15分のトレーニングが終わったら、娘の速度を再測定してみましたところ、下記のように279文字/分から751文字/分に上昇しました。
一回でこの効果。早く読むにはコツがありますから、初回で多くの方が伸びるんでしょうね。
因みに1か月で軽く2,000は超えました。これは娘が凄いのではなく、誰でも早くなるようにできています。
これからどこまで伸びるかは努力次第でしょうね。
上記は一例でしたが、いかがでしょうか。
このようなトレーニングを、時間を気にすることなく、毎日脳をフル回転して、思う存分取り組むことができます。これで月額2,980円に抑えられるのであれば素晴らしいですね。
速読開始後の成果は?
一定の効果が出ないと意味がないので、親子で取り組んで、スピードの途中経過、関連模試などの成果をレビューします。
ここで注意する点が、早く読めても理解できていないと意味がないということです。
幼児の場合、この数字を早くしたいがために、とりあえず読んで、読めたことにするケースもあります。
数字が独り歩きして5,000を超えるその傾向もありましたので、内容理解ができていない異常値は排除しています。
簡単な文章を3,000文字/分程度で安定的に読めれば、読書でも試験でも十分ですので、あとは理解の精緻化に努めたいです。
理解しながら読めてこそ速読なので、この文字数はあくまで参考にして、小さいお子様には早い方が良い旨を伝えないほうが良いかもしれません。その点を意識すると良いと思います。
この速読アプリで良い点は、途中でトレーニングをしつつ、国語の読解文のように、内容を確かめる問題も含まれます。
このため、速読の練習をしつつ、内容理解も確かめることができる点は非常に大きいです。しかし、大人でも超難しいです。
また、我が家は毎日取り組めませんでしたが、毎日取り組むことが可能な点も利点です。
一日15分程度継続すれば、情報処理速度に一定のアドバンテージを期待したいです。
今のところ、小学校1年生の国語は簡単なので速読の効果かわかりませんが、読解問題は良好です。
英語に関しても長文読解処理の重要性が高まっているので、一定のアドバンテージが維持できれば良いなと思います。
コメント
コメント一覧 (6件)
はじめまして。突然のコメント失礼します。中学受験を視野にいれている小2の娘の読解力をあげたいと思い、速読解力講座の検索をしていてこちらのブログにたどり着きました。
速読解力の教室に通うつもりでいましたが、こちらのブログをみてbizでも小学生から使えそうなのであれば、自宅でできる方がいいなと思っております。
質問なのですが、文章にふりがななどはふってあるのでしょうか?
小学低学年でも大丈夫でしょうか?
宜しくお願い致します。
こんにちは。
学年を選択して小学校低学年以下を選択することで、平仮名表記ができます。
ふりがなはないですが、学年に応じて文章のレベルを変えられるイメージですね。。
お返事ありがとうございます。
参考になります。
その他の点でも、娘様が使われてみて、困ったこともなく問題なく使えている感じでしょうか?
教材は色々な種類の動画を短時間で回すので飽きずに取り組めますね。
ご存知かわかりませんが、昔流行ったDSの眼のトレーニングの速読版のイメージです。
低学年設定にしているからかもしれませんが、大人より子供向けをターゲットにしてもよい教材と思います。
ありがとうございました。
とても参考になりました。
また4か月後の効果のレビュー記事を楽しみにしています。
そう仰っていただけると引き締まり励みになります、
ありがとうございます。