私立小学校は大きく中学以降も内部進学する附属校と、中学受験をする学校に分かれます。
この場合、前者は出口となるのが大学であれば大学、高校であれば大学受験の実績に、小学校のブランドを反映してその難易度が決まります。一方後者は、原則として中学受験を目的としているわけですから、その価値はブランドよりも中学受験の実績に概ね比例してその難易度が決まります。
この難易度は一度結果を出したからすぐに倍率があがるというものでもなく、安定した結果を何年が続けてようやく評価に反映されるイメージです。
中学受験を目的とするご家庭は、近隣の公立小や中学受験に強い公立小学校とも比較しながら受験を検討します。
この点、私立小学校の実績や倍率を見ていると、中学受験の合格実績が継続して良好な私立小学校は、時間をかけてじっくり倍率が5倍程度まで上がってきている印象です。しかしながら、国公立や早慶進学が当たり前の超難関中学への合格率で比較したとき、20%~40%程度である程度団子状態になっている割に、受験倍率に開きがあるように思います。
私立小学校の難関中学合格実績と入学時倍率から受験コスパを探る
この点、プレジデントの「日本一わかりやすい小学校受験大百科2021」の中学受験実績に、各小学校の受験倍率で除することで、「受験コスパ指数」を計算してみました。
順位 | 小学校 | 卒業生数 | 難関中※合格者 | 難関中合格率 (a) |
小学校 志願倍率(b) |
受験コスパ指数 (a)÷(b) |
1 | 幕張インターナショナルスクール | 45 | 25 | 55.60% | 1.6 | 0.35 |
5 | 国立学園小学校 | 116 | 47 | 40.50% | 1.9 | 0.21 |
6 | 日出学園小学校 | 102 | 34 | 33.30% | 1.9 | 0.18 |
9 | 鎌倉女子大学初等部 | 62 | 15 | 24.20% | 1.4 | 0.17 |
14 | 武蔵野東小学校 | 67 | 11 | 16.40% | 1.2 | 0.14 |
7 | 国本小学校 | 50 | 16 | 32.00% | 2.6 | 0.12 |
4 | 宝仙学園小学校 | 73 | 30 | 41.10% | 3.6 | 0.11 |
8 | 品川翔英小学校(旧小野学園小学校) | 41 | 10 | 24.40% | 2.2 | 0.11 |
10 | さとえ学園小学校 | 69 | 14 | 20.30% | 1.9 | 0.11 |
2 | 洗足学園小学校 | 71 | 32 | 45.10% | 5.0 | 0.09 |
3 | 東京都市大学付属小学校 | 77 | 34 | 44.20% | 5.0 | 0.09 |
11 | 昭和学院小学校 | 79 | 16 | 20.30% | 2.5 | 0.08 |
13 | 文教大学付属小学校 | 50 | 9 | 18.00% | 3.9 | 0.05 |
合格率は高い方が良くて、志願倍率は低い方が受験者にとってありがたいです。このため、「小学校志願倍率1倍当たりの合格率」を計算して高い順に並べることで、「合格率が高いが相応に入るのも難しい学校」の順位を落として比較することができます。
一言でいうと、上に来る方が「受験コスパ」が高いという考え方ができます。
例えば、洗足や都市大は合格実績は高いですが、倍率も上がってきており、相応に難しいと言えます。
一方、千葉の教育特区に新設されて結果を出し始めた幕張インターナショナルスクールや、国立学園小学校は中学受験の実績があるのにまだ受験倍率が低いので、入りやすくお買い得と言えます。
この考え方は、大学まで先を見据えると、理に適っていると考えます。
小学校の段階では狭い世界で小学校のブランドが見え隠れしますが、中学以降どの学校で過ごすかの方がより重要です。
合格へのポイント
上記の学校のうちいくつかの学校は、説明会へ来ていて学校への理解と熱意を見せれば、相対的に有利になる学校もあります。
倍率の低い学校では、先生が明言されるケースもありました。
加えて、狙い目は11月1日の受験です。11月1日は東京の私立小受験が最も重なる日です。
多くの学校では、11月1日を専願として、または本命と認識してもらって受験することで有利に運ぶことができます。
本命宣言を出すことで1倍に近くなることもありますので、これぞまさに究極のコスパです。
夏休み以降、最難関校の準備で幼児教室に200万、300万円とかける方が続出しますが、11月1日に難関校Aを受験した方々の多くは、後日のB学校一般試験で高倍率で受験することとなります。上記戦略を徹底した方は、費用をかけずともB学校に高確率で合格することができ、その頃には受験は終わっています。
実を取るという意味では、上記の上位私立小学校はおすすめできる学校が多いと考えますので、是非ご検討いただければと思います。多くは説明会に参加していますが、素晴らしい学校が多いですよ。
おすすめを挙げさせていただくと、品川大井町の品川翔英小学校。
こちら、教頭先生を始め非常に熱心な印象で、数年前は定員割れしていたにもかかわらず、ここ数年は受験生が増え、クラスが増設されています。更に、かつて定員割れしていた状況なのに、卒業生がたくさん既に難関中学に合格しています。
これは看過できない結果で、入学時のセレクションで多くが通る状況なのに、御三家なども合格できる、、、となると凄いですよね。4、5年後、今の低学年が受験する頃には評価を更に上げているかもしれません。
また、世田谷の国本小学校もおすすめです。
こちら、初めて説明会のブースでお話したときに先生が非常に丁寧で、心が取り込まれそうになるぐらい良い印象でした。
英語に力を入れていますが、中学受験結果も良好で、少人数できめ細やかな指導という点では品川翔英と共通します。
遠方ということもあり、情報が少なかったですが近くなら検討したいと思った学校です。
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