小学校受験において、「ペーパー問題」はほとんどの学校で出題され、避けては通れません。
ペーパーとはその名の通り、紙の筆記問題を指します。
中学受験や高校受験、大学受験ではペーパーばかりですが、小学校受験では紙を使う出題の他、行動観察、口頭試問、運動など、紙を使わない出題も多いので、このような呼称で呼ばれます。
このペーパー対策は幼児教室でも力を入れるところとなりますが、多かれ少なかれ、本屋にお世話になります。
苦手分野や過去問対策も必要となり、また国立を含めると幼児教室へ通わない方も多いので、小学校受験の問題集は、受験生にとっては非常にニーズが高くなります。
しかしながら、小学校受験は受験生の母集団も限られることもあり、その問題集の種類は一般の幼児や小学生の学習書籍と比較して、まだまだ少ないのが実情です。今回、このペーパー問題集の選び方と、受験傾向に即したおすすめ問題集をご紹介したいと思います。
ペーパー問題集のニーズは受験生の状況によって下記のように異なります。
幼児教室で早くから準備を進めている難関校受験生→過去問と一部の苦手分野のみ
幼児教室で年中に勉強を始めた受験生→必要な範囲でバランスよく取り組む
幼児教室で年長から勉強を始めた受験生→基礎が大事なので、一般書籍中心で良い
幼児教室へ通わない受験生→一般書籍に頼らざるを得ない
一般書籍のメリットとデメリットは比較的明確で、下記の通りです。
一般書籍のメリット
・安価。
・誰でも入手できる。
・教材によっては網羅性確保(こぐま・理英会・ピグマリオン)。
一般書籍のデメリット
・書籍名に小学校受験が含まれていない場合、良本に気づきにくい。
・教材によっては網羅性に欠ける。
・解き方を教えてくれないため、効率性に欠ける場合がある。
・選択を誤ると機会損失。
簡単にまとめると、入手しやすいが故に、どれを利用するかも自己責任となります。
その問題集が受験にフィットしているかどうかの見極めは重要ですが、論点ズレした教材を購入してしまうと非効率です。
また、良い問題集も確かに存在するのですが、探すのも手間です。
今回、おすすめできる問題集を具体的にご紹介していきたいと思いますので、上記ニーズに照らしてご利用ください。
1位:ジャンル別問題集(こぐま会・理英会)
★全ての方におすすめ
ほぼ全てのジャンルを細かく網羅している一般教材を出しているのは、こぐま会と理英会だけです。
こちら、一冊当たりの価額がお手頃で、一気に買わなくても良い点がメリットです。
必要な時に必要な量だけ買って、すぐに学習できます。
このため、受験生の幅広いニーズに対応し、人気があります。
バッチリくんドリルは基礎と応用に分かれており、取り組みやすいですが、問題が漢字で書かれているので独学は厳しいという特徴があります。ひとりでとっくんは、平仮名が読めればひとりで取り組める問題も多いです。
詳しくは下記にまとめています。
こぐま会「ひとりでとっくん」と理英会「ばっちりくんドリル」の比較 | 幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
【こぐま会】ひとりでとっくん100:年中のおすすめ小学校受験教材を全解説 | 幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
2位:ピグマリオン
★中級者以上におすすめ。特定論点の底上げに
ピグマリオンの教材もこぐま会、理英会と同様に分野別に分かれていますが、全ての分野というわけではなく、受験生が気になる論点の多くにスポットを当てて、特定論点の問題につき、スモールステップ方式で基礎から難問まで幅広く対応しています。
小学校受験向けというよりも、小学校受験にも使える問題が多い位置付けなので、志望校に照らして論点ズレには注意を払う必要があります。上述のこぐま会や理英会の問題集を終えた後、幼児教室の難問や過去問で更なる底上げが必要と感じたときにフィットする場合が多いです。
我が家も図形分野で非常にお世話になりました。良問ですが、ボリューム的にはここまで全て終わらせようと思うと、幼児教室併用の場合はどこかで無理が生じます。
よって、ピグマリオンは必要な分野を必要な量だけ取り組むのが宜しいかと思います。
【小学校受験・中学受験準備】ピグマリオン教材で積み木の四方図から個数を把握しよう | 幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
3位:国立・私立有名小受験ハイレベ合格ワーク100
★論点理解の確認におすすめ
こちらは奨学社の人気の問題集です。
ハイレベルと記載がありますが、近年は全体のレベルが上がっているので、レベルは概ね標準~ややハイレベルな程度が多いです。切り離し可能で、ドリル形式でどんどん進められますので、勢いに乗って取り組みやすいです。
問題が100問あり、ボリュームが非常に多い点が特徴です。試験直前期であれば、できたものは捨てて、できないものは残すという論点理解の確認・復習を含めた学習にフィットしやすいです。
4位:小学校入試段階別ドリル実践編 (まいにちウォッチャーズ)
★幼児教室に通わない方に特におすすめ
お受験のパイオニア、ニチガクの新しい問題集です。
ペーパーのみならず、巧緻性などの分野も学べる問題集で、分野別ではなく総合的に学べる点が特徴です。
自習中心で進める方にとっては心強い教材となります。
5位:「小学校入試 セレクト問題集(NEWウォッチャーズ)
★難問を含む特定分野の底上げにおすすめ
上述の段階別ドリルと併せて、NEWウォッチャーズもおすすめです。国立と私立に分かれており、特定の分野の底上げをしたい場合はこちらを優先します。サクセスウォッチャーズの頃からそうですが、問題にはかなりの難問が含まれ、上級者もやりがいがあります。
6位:4歳・5歳・6歳 小学校の勉強ができる子になる問題集
★楽しく小学校受験の問題に取り組みたい受験生、受験後のリハビリにも
書籍の名称に小学校受験が出てきませんので気づかないことも多いですが、問題はほぼ全て小学校受験の問題で、絵本仕立てで取り組みやすい内容となっています。人気幼児教室の著書で、小学校受験の問題集は、楽しく学ぶ、又は解き方などにケアした書籍が少ないので貴重です。
よく本屋で平積みにされているので、本屋でも人気があると思われます。
その名の通り、小学校入学前に取り組む教材としてもバッチリで、受験を終えた方の入学前のリハビリにも丁度良いと考えます。
7位:1話5分の読み聞かせお話集
★昔話も一緒に抑えられるお話の記憶で大人気
ペーパーの頻出分野、お話の記憶と、常識として抑えておきたい昔話を一度に抑えられる問題集です。
私もかなり利用させて頂き、当ブログでも何回かご紹介させて頂いてますが、毎回非常に反響がある問題集です。
昔話は読み聞かせで徐々に教えるのが通常ですが、読み終わった後に問題として取り組めば一石二鳥ですよね。
8位:身近な自然と「理科」が好きになる かがくのれんしゅうちょう
★良問ぞろい。理科的常識やるなら取り組みたい。
やや学校が偏りますが、難関小学校受験の頻出分野に理科的常識があります。
ここで言う理科は、「小学校で習う理科のうち、幼児が日常生活で触れうるもの」であり、出題される範囲は帰納法的に概ね決まっています。よって、たくさんの問題に取り組み、受験を終えた方は、その範囲について、経験則として理解することとなります。この範囲を過不足なく網羅し、わかりやすくまとめていると思われるのがこちらです。
この問題集で浮き沈みの問題の他、娘は非常に成長しました。
値段も安いですし、マストバイの一冊です。
9位:天才脳ドリル 空間把握 思考力トレーニング
★空間図形で差をつけたい方に
受験研究社からの天才脳ドリルシリーズは昨年リニューアルされましたが、うち空間図形に関しては小学校受験に必要な範囲が基礎から難問までレベル別で幅広く網羅され、非常にお勧めです。
小学校受験においては、最初は入門、初級に取り組み、もし得意になれば中級までできるようになると十分に上位になります。
小学校受験にも役立つ問題集であって、小学校受験向けでもないので、その先(中学受験以降)にも役立つ構成になっています。
10位:きらめき思考力パズル(サピックス)
★中学受験、入塾テストにも役立つ万能優良教材
サピックスのきらめき算数脳シリーズは年長から小学校一年生にかけて非常に有用です。
将来の中学受験にもつながり、小1のオープンテスト対策にもなります。
このような問題集ですが、小学校受験に役立つのが上図緑色の「図形センス入門編」
こちら、小学校受験に照らして出題範囲がぴったり整合しています。
新年長から夏にかけて、余裕があるときに取り組みたい副教材です。
分野ごとの学習方法は下記ご参照ください。
小学校受験ペーパー対策:高得点を取るための分野別勉強方法 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
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