本日は、私立小学校の実生活や自身の公立小の経験も踏まえ、客観的に私立小と公立小の違いを比べてみたいと思います。
二年生になると学校に慣れてくるのはもちろん、お友達との交流も盛んになってきました。
幼児は親子コミュニケーションが中心でしたが、小学校の低学年になるとお友達が中心となり、本格的に親離れしていく子供も多いようです。様々なお友達がいますが、コロナ禍を背景に生活の在り方も変わり、環境によって実に複雑多様化しています。
私立小学校と公立小学校の違いを挙げるときりがありませんが、日常生活で大きな違いは下記の通りです。
今回、実際の生活に照らしてお話したいと思います。
時間・余暇
登校時刻は確かに早い。ご近所の一部の方は公立小と変わらず短時間で通学する子供もいますが、通常、過半数は電車やバスで通学します。また、公立小と比べて早めに登校することが求められることも多く、電車やバスが遅延した場合に備えて早めに出ることも加味すると、7時前後に家を出る子供も非常に多いです。
公立小であれば、通常、8時頃に家を出て悠々学校に到着します。毎日の事ですから、時間を積み上げていくと大きな違いとなります。
私立の下校時刻も同様です。学童などの有無によっても変わりますが、通学と同じ時間をかけての下校となりますので、帰宅したら夕方ということも。加えて、平日に習い事に通うご家庭も非常に多いので、習い事がある日はそれだけでいっぱいいっぱいです。学校の宿題は、学校により非常に差があります。宿題の多寡は事前に確認できる所なので、説明会やOBに聞いて、調べておくと良いでしょう。宿題が多い場合、何かと制約になることもあります。
中学受験をされる場合は登下校の時間が大事なポイントになりますので、この論点はしばしば公立小の優位性として挙げられます。
私立小学校・国立小学校生活の朝は超早起き? | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
個性
私立小は試験があることから、良くも悪くも似たご家庭が集まります。これは職業の偏りを見ても明らかです。
この点は善し悪しではなくご家庭の考え方次第です。安定した教育環境を求める場合はプラスに運びますし、多様な方と接して経験するという意味では公立小も良い面があります。
前者の環境が良いという方が望んで前者に集まりますから、似たご家庭がより集まり、個性が偏ることとなります。
一方、私立小はそれぞれ学校のカラーがあるとはいえ、お子様の個性は多様性に富みます。
小学校受験だけで実情を正確に掴めるわけでもないですし、学校もまた多様性を意識することもあります。
実際は、学校のカラーがありますから、通学することでその学校の思想に多かれ少なかれ影響を受けます。
この質の安定を求めて、環境を買うという表現もなされます。
公立の多様性は、試験もありませんから待ったなしの多様性で、何事も不確実性が高いと言えます。
私は地方公立育ちですが、長短を感じています。大学進学率の低い地域でしたが、早くから働くことが偉い、カッコいいという雰囲気がありましたね。事実、私も家庭の事情もあり、高校の頃から借金して週7回働いていました。長い時間を費やす学校生活ですから、ここで受けた教育や周囲の友人により影響を受けて、人生が変わることもあるでしょう。
良い点としては、人生の選択が自由で、何をするにも自己責任で、何のしがらみもないことです。人と違う苦労や経験は、後々得をすることもありますし、振り返ると、自己肯定感は保たれていたこととなります。
教育
次に教育面ですが、結果的に私立小の英語は今の時流に即しており望ましいと考えます。
英語学習は多くの私立小で小学校低学年から行います。一般的に英語学習の開始時期は人それぞれですが、小学校からの英語学習を否定する理由は全くないと考えます。実際の所、学校での英語学習をスムーズに進められるように、更に英語塾へ通うご家庭が多数なのですが、この結果、多くの小学生は低学年から日常英会話がそこそこ話せるようになります。
農大稲花のように一部の小学校は英検2級や準2級相当の学力取得を目標としている学校もあります。人によっては早期学習と嫌悪感を感じるところもあるようで、未だSNSでは荒れがちなトピックのようですが、10年後には珍しくなくなっていると予想します。
【小2】英検3級レビュー:幼児英語と今後の指針 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
また、私立は低学年から宿泊研修なども多く、親離れの機会が多いです。
私は小学6年生の修学旅行でさえやや不安に感じた記憶が残っていますが、低学年からの宿泊研修たるや子供にとっては大きな体験です。
最近の私立小人気の一因となったと言われていますが、コロナ禍における私立小の対応は早かったです。
公立小が一斉に休みになる中、オンラインでの対応を多くの私立で導入しました。2020年では早ければ3月、多くの学校で4月からフォローしてましたね。これは当時大きな議論となりました。
オンラインでの学習が公立を含め定番になりかけたころ、私立小では学習効率を追求した結果、通学を元に戻す学校も。
何かと動きが早く、私立の場合、何か大きな非常事態が起きた際、「学びを止めない」姿勢があります。
※2020年のコロナ禍初期の記事です
【東京・首都圏】休校中にオンライン授業を行っている私立小学校 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
学校の教師で大きな所は、私立は定められた異動はありません。当然先生の退職などによる交代はあるものの、親子2代に渡って同じ先生にお世話になることもあります。これはお互いに信頼や心の安定、愛着に繋がります。公立小の場合、学校はあっても先生はまずいませんし、世代が違えば学校のカラーも変わってますから、この点は私立の方が望ましいでしょうね。
人間関係
私立小の場合は、ご近所にどうしてもお友達が少なくなりがちです。
特に低学年は、お友達と遊ぶ際、余程ご近所でなければほぼ親同伴ではないでしょうか。
これは時代背景もありますので私立と公立のお話ではないのですが、ご近所の公園にお友達の集団で遊ぶという日常は得難いところです。ただ、都心に限れば中学受験をする地域も多いので、デメリットというほどのことではないかもしれません。
このように、早い段階で子供同士のお付き合いに限定しやすい公立小に比べ、長く親も含めたコミュニケーションも関与するところが私立特有の特徴です。中学受験しない限り中学以降もお付き合いが続きます。子供同士のトラブルがあればそれも尾を引きますからお付き合いにも神経を遣います。
これに対して、公立小は一期一会と言って良いでしょう。一部一貫校もありますが、小、中、高とそれぞれ大きな別れと出会いがあります。私も正直な所、地味な小学生生活から中学デビューの傾向がありますが、過去をリセットして生活を送ることもできます。その分、多様な人間に出会うこともできます。
その他
この他、私立小を選択する際は、私立小の中の違いに注意を払う必要があります。
大きな所は土曜日の通学とお弁当を挙げさせていただきます。
午前中だけでも土曜日に学校があると、毎週末の生活がガラリと変わります。
十分な休息を取ったり、土曜日の習い事、魅力的なイベントに参加する面では土曜日が休みの方が良いですし、土曜日に通学することで学習の機会確保や子供を預けられる時間があると考えることもできます。
また、説明の必要もないでしょうが、お弁当がある場合も保護者様にとって大きな大きな影響があります。
ただでさえ朝が早いのに、更に朝早く起きて毎朝保護者様が作るお弁当。愛情は伝わるでしょうがやはり大変。これもご家庭の考え方次第ですね。
習い事の費用
最後に違いを見出し難い習い事の費用です。
私立小は中学受験がない分、習い事や学習塾にかける費用が安上がりと思われるかもしれません。
文部科学省の学習費調査によると、私立の場合こそ何らかの習い事に興じることが多く、周囲でも英語や算数、場合によっては中学受験塾などに通っている方も散見されます。結果、下記の通り違いが見られます。
上記に中学受験を加えると混沌としたデータになるでしょうが、中学受験をする場合を加味しても上記私立小の習い事費用は突出しています。
都心において中学受験を加味した場合、私立小と公立小というカテゴライズは適切ではないと思われます。
この違いは、お子様の意欲若しくはご家庭の学習への意識、ご家庭のお財布の余力の違いから生じるものと思われます。
中学受験の有無で学習塾への関与の程度は異なりますが、内部進学でも学内の学力は重要となり、高学年になればなるほど意識されます。中学受験がない場合も、私立小で何もしていない子供はごく少数派で、ピアノ、バレエ、スポーツ、プログラミング、囲碁将棋などなど、思う存分趣味の習い事を追求するご家庭が多いです。そのための私立小だったりしますから。
結果、特に都心では、私立小でも公立小でも習い事にそれなりに通っています。
公立と私立の学費、塾・習い事関連費用比較:幼稚園~小学校~中学~高校 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)
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