本日は武蔵小金井にある国立小学校、東京学芸大学附属小金井小学校のご紹介です。
小金井小学校は他の学芸大学附属小と同様住所制限があるものの、中央線のおかげで受験資格を得られる範囲が広く、杉並区や中野区全域に加えて西新宿など新宿の一部、その他世田谷区と練馬区の一部地域でも受験ができます。また、西も八王子まで受験資格があります。都心では様々な学校を併願できますが、居住地域によっては小金井小学校が唯一の国立受験校となるケースも多く、専願で来る方の中に猛者がいることでも知られています。
2022年度は出願形式がWEB出願に変わりましたが、試験の本質に係る部分の大きな変更点はありません。
アクセス
小金井小学校の最寄り駅はJR中央線の武蔵小金井駅です。
駅からは徒歩15分ぐらいかかるので、バスが便利です。バスは北口を出て一番左奥の6番乗り場で、中大循環バスに乗ります。
バスですと数分で学芸大東門のバス停に着きます。学芸大学の中に小学校がありますが、小学校は門を入ってすぐ左にあるので迷いません。
受験倍率推移(2010年~2021年)
男子 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
応募数 | 582 | 609 | 540 | 523 | 509 | 541 |
1次通過 | 87 | 81 | 73 | 83 | 87 | 88 |
1次倍率 | 6.7 | 7.5 | 7.4 | 6.3 | 5.9 | 6.1 |
2次抽選合格 | 53 | 53 | 53 | 53 | 53 | 53 |
合格倍率 | 11.0 | 11.5 | 10.2 | 9.9 | 9.6 | 10.2 |
女子 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
応募数 | 554 | 540 | 531 | 474 | 496 | 528 |
1次通過 | 90 | 86 | 74 | 81 | 92 | 84 |
1次倍率 | 6.2 | 6.3 | 7.2 | 5.9 | 5.4 | 6.3 |
2次抽選合格 | 52 | 52 | 52 | 52 | 52 | 52 |
合格倍率 | 10.7 | 10.4 | 10.2 | 9.1 | 9.5 | 10.2 |
東京学芸大学附属小金井小の受験倍率は、2021年度は男子が10.2倍(前年9.6倍)、女子が10.2倍(前年9.5倍)です。直近12年で比較すると倍率が緩やかに10倍前後に低下傾向で、2019年から2020年にかけて男女ともに10倍を割りましたが、2021年は都内国立小の志願者が軒並み増加したことで、男女ともに再び10倍を超えました。
今年もコロナ過が続きますが、倍率が大台を守るか注目されます。
受験倍率の定義は
受験倍率=受験者÷合格者
です。この点、受験者の定義、合格者の定義により解釈が変わってきますのでご注意ください。
受験倍率を判断する場合の留意事項
①合格者は定員ベースなのか実合格者数なのか(実合格↑→倍率↓)
②出願者と受験者には乖離がある(受験者の方が↓→倍率↑)
③補欠合格が加味されているか(補欠いる→倍率↓)
④定員・合格者に内部進学が含まれているか(含む→合格者↓→倍率↑)
試験内容
ペーパー、制作、口頭試問、個別審査、行動観察、運動が課されますが、運動は立ち幅跳びが毎年出されている点が特徴的です。その距離もやや考慮されていると思われ、運動能力が影響する学校とも言えます。
ペーパー:
お話の記憶→毎年出題
常識→ほぼ毎年
その他数量、記憶、図形、言語、推理など幅広く出題
制作:
巧緻性を評価する制作課題を毎年出題
2020年度はA4用紙とゴムで焚火づくりなど
口頭試問:
好きな○○は何ですか?
答えてから詳しくその内容、理由など説明
個別審査:
文房具のお片付けなど
運動:
立ち幅跳び→毎年出題(待っている間も体操座り注意)
その他じゃんけん列車、ケンパー、平均台など頻出
2022年度の小金井小学校の受験日程・受験資格:今年はWEB出願
募集児童数 | 第1学年児童105名(35名×3学級、応募者数の多い方を53名とする。) |
出願資格 | ・平成27(2015)年4月2日から平成28(2016)年4月1日までに生まれた者。 ・指定された通学区域内に願書提出時、保護者とともに居住している者。出願時に必ず世帯全員の氏名が記載されている住民票を提出 |
学校説明会(Web学校説明会) | ①動画配信期間:2021年9月11日(土)9:00~9月17日(金)17:00 ②参加申込方法:9月1日(水)から9月10日(金)までに下記より https://forms.office.com/r/Sq9K1dmthr |
学校案内・募集要項の頒布 | 1部2,000円で頒布(値上がりしました) ①頒布期間 2021年9月11日(土)0:00~10月1日(金)23:59 ネット購入(変更となりました) |
出願手続 | 2021年9月21日(火)0:00~10月1日(金)23:59 ネット出願に変更となりました |
入学調査 | 11月24日(水) 入学調査 男子 11月25日(木) 入学調査 女子 ※今年度の調査も2日間ではなく1日のみ。 11月27日(土) 合格候補者発表、抽選会、合格者保護者会 12月6日(月)・7日(火) 入学手続 |
昨年と引き続き、試験が2日間ではなく、1日のみとなりました。
募集要項と出願がネット出願となった点、要綱の値上げ(1,000円→2,000円)が大きな変更点となります。
学費
授業料は無料ですが、教育経費として、下記の費用がかかり、初年度は年額50万円程度かかります。
・制服
・ランドセル
・教材費
・給食費
・宿泊費用
・後援会費用
通学区域
学校では通学時間を40分を目安とし、市区町村別で受験資格を細かく分けています。
このため、学校は推奨しませんが、実際は40分以上かかっても通学が可能ということになります。
上記の通り、東京中央線沿線を広くカバーしています。
教育方針と特徴
教育目標
明るく思いやりのある子強くたくましい子深く考える子
2021年度の重点目標は「違いを認め合う」
沿革
学校は明治44年、池袋西口駅前に創立された東京第二師範学校男子部附属小学校(附属豊島小学校)と、同女子部附属小学校(附属追分小学校)を前身校としています。昭和34年に小金井の地に開校し、平成16年度からは大学とともに国立大学法人に移行しています。
なでしこの校章は、なでしこの花をかたどり、優しさと美しさを誇る校章すが、荒れ狂う風雨にもよく耐える強さを秘めています。民主的な社会の建設を目指しつつ、児童に強さと気高い情操を身につけさせようと意図されています。
学芸大学附属小学校に共通する3つの特徴
・教育実習: 毎年9月、10月及び2月に、合計200名近い大学生が附属小学校にやって来ます。どの学級にも、数名の学生が配当され、9月から10月にかけての実習は6週間程度。その間、学生は実習生として担任及び専科教員の授業を参観したり、自ら授業を行ったりします。
・教育実践研究:大学と附属学校とが密接に連携を図り、大学での研究理論を附属学校で実際の指導に取り入れ、その結果を大学での研究に生かしていきます。このため、参観者を迎えての研究授業や、全国の教員を対象とした研究発表会を催すことも多いです。
・普通初等教育:附属小学校で実施している教育課程は、基本的には文部科学省の定める学習指導要領に準拠を行う学校していますので、公立学校とほとんど変わりません。しかし、公立学校と違うところは、研究と関連して、独自のカリキュラムで実証的な教育を行うことで、必ずしも教科書の内容に即した進め方をするとは限りません。また、長期間に及ぶ校外宿泊生活があることや、通学区域が広範囲にわたっていること、研究授業あるいは教育実習生による授業などによって、授業時間が変更になること等があります。
学校が望む児童
小金井小では、子どもらしく、何事に対しても興味・関心をもって意欲的に取り組もうとする姿勢のある子どもが望ましいとされています。また、通学時間や交通機関のおいて、迷惑をかけずにマナーを守って行動する態度も重要としています。
募集要項では、入学調査に当たり、児童の自然で素直な姿を大切にしたいと考えており、幼稚園、保育園、こども園、家庭において、基本的な力が身についているかどうかを、客観的に判断するとされており、次のような児童が挙げられています。
・生活習慣を身につけている子
・自分で考えて行動する子
・作業をていねいに行う子
・人の話をしっかり聞く子
東京学芸大学附属小金井小学校の学校行事
4月:始業式、入学式、保護者会、1年生を迎える会、全校授業参観、保護者と教師の会総会
5月:5年生一宇荘生活、1・2年遠足セーフティ教室
6月:夏服着用、4年生一宇荘生活、開校記念日、3年生至楽荘生活
7月:保護者会、個人面談、終業式、5・6年生至楽荘生活、夏休み水泳会
8月:始業式、全校引渡訓練
9月:教育実習(基礎実習) 、保護者会1・2年生、遠足6年生一宇荘生活
10月:冬服着用、教育実習(基礎実習) 、なでしこ運動会、5年生社会科見学
11月:保護者講演会1・2年生秋祭り、入学調査、6年生社会科見学
12月:保護者会3年生、社会科見学、個人面談、終業式
1月:始業式、制服採寸、公開授業研究会
2月:なでしこ展覧会、教育実習(選択実習) 、高学年スポーツ大会、お別れスポーツ大会
3月:保護者会、6年生を送る会、卒業式、修了式
中学校進学先:筑駒や桜蔭も
小学校卒業生の凡そ7割程度が学芸大学附属小金井中学校へ進学します。
この点、他の3割は決して行けなかったわけではありません。
その他進学先は早々たる公立中高一貫校や私立難関校が多いです。
学芸大学附属小は各校ともに学校は決して望んではいないものの中学受験を志す方が多く、根っこが優秀なので良い結果を出す傾向があります。
2020年度の進学先
附属小金井中:66名
公立中高一貫校:8名
筑波大学附属駒場、お茶の水、都立立川国際中等教育学校
私立中:24名 慶應中等部、麻布、駒場東邦、慶応普通部、世田谷学園、桜蔭、豊島岡、雙葉、桐朋など
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