新年長になったら知っておきたい小学校受験準備と学習方針

小学校受験をされる方は、日々幼児教室の指導の下、受験本番を見据えた計画をされていると思います。
今回は2021年秋の試験の傾向を踏まえ、幼児教室が言わなそうなことも考慮して、毒にならない程度でお話ししたいと思います。

年々長くなってしまっていますが、お忙しい方は3,4,5のみ目を通して頂ければと思います。

目次

コロナ禍による試験内容の変化を把握

2020年は緊急事態宣言を受け、4月7日から大手教室など、ほどんどの教室は一斉に1ヶ月~2か月お休みとなりました。
2021年はお休みする教室はなかったものの、コロナ禍の影響を受けた試験となりました。

具体的には、試験時間や試験内容の変更があったり、2021年に戻したり、試験内容がガラガラと変わった2年間でした。
全体的に絵画の比重が上がった2年間だったかもしれません。

では来年はどうかというと、コロナ禍の影響が続いている可能性は高いものの、世間がコロナ慣れしている可能性もありますね。試験への影響を引きずるかは五分五分でしょう。

ただ、いずれにせよ、試験内容がまたコロコロ変わる可能性は高いです。
この点、試験内容が変わっても対応できる方々がいます。慶應義塾横浜初等部や早実初等部など、試験範囲が広く、多岐にわたって対策をしている方です。これらの学校に合格する実力があるご家庭は、全体的に有利だったと推察しています。

例えば、絵画が今まで出ないとされていた学校で突然絵画が出ると、無対策のお子様はやはり厳しいです。
でも、もともと取り組んでいるお子様とは非常に大きな差がつきます。

一方でコロナ禍は続いていますから、これを受けて幼児教室・小学校側が受験時にどのような対応をするかがポイントとなります。

ポイント:試験内容が変わる可能性を把握して、時間が許せば広く対策、時間がなければ絞って勝負

学校や幼児教室の情報入手は必須

上記の通り、「変化が多い」ということは、何が変わったか、必要な情報のキャッチアップは重要となります。

ここで気になるのが、試験へどの程度影響するかです。
過去問を調べて頂き、学校の試験内容がここ2年で変わった学校ほど注意が必要です。

コロナ禍で試験内容が変わった学校は、コロナ禍が落ち着けばまた戻る可能性があります。
一方で、コロナ禍で試験内容があまり変わらなかった幼稚舎などは、変わらないと見るのが定石でしょう。
幼稚舎はコロナ禍でも学校生活があまり変わらなかったと聞いていますが、学校のスタンスがはっきりしています。

何か懸念事項がある時も、ネットの噂の鵜呑みはダメですが、幼児教室のお話は耳を傾けておいたほうが良いでしょう。
当ブログでも記事を書いていますが、2020年の7月頃にはコロナ禍の出題傾向として、特定の学校でグループ行動観察が出ないなど、一定の方向感が出ていました。

【小学校受験】コロナ禍により、考査のグループ行動観察へ影響可能性高まる | 幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

一部学校から情報を得た大手幼児教室もあったようで、結果としてその通りとなりました。
大手幼児教室は学校と情報を密にしていることもありますので、試験の方向性についての見解は一定の信頼性があります。

ポイント:学校や幼児教室の情報を入手できるようアンテナを常に張っておく

試験出題範囲の見極め

2020年、2021年秋も難しかったですが、2022年秋も非常に試験範囲の予測が難しくなります。
ただ、コロナ禍の影響がなければ、幾分フォローする範囲が増えるかもしれません。

なぜなら、上述の通り、コロナ禍で出題された場合の形式と、平常時(3年前)の形式と、二通りのケアが必要となるためです。

・コロナ禍がある程度続く→昨年と同じ試験傾向
・夏ごろにはコロナが沈静化→3年前以前の試験に戻るか?

これは現時点では誰もわかりませんが、把握しておかなければいけないことは、この予測は幼児教室に通っている時点で、幼児教室にすべて予測を委ねていることです。

大手幼児教室はリスクヘッジも兼ねて、いずれにせよ両者に対応できるよう幅広く組んでいるはずです。

小規模個人塾はコロナ禍初年度夏以降、グループ行動観察をやめるほど割り切った教室もありますし、最後まで念のためグループ行動観察を続けた教室も多く、その対応は分かれました。
試験が近づくにつれ、自己責任でどのような試験展開になるか、凡そ予測はできるようになってきます。

この点、新年長の時点である程度学習が進んだ方(成績で言うと上位30%程度)であればお勧めしたい学習方法は、小学校受験の過去問を早い段階で保護者様ご自身が研究することです。

受験当日、今まで出題されなかった問題が出た場合、その9割5分は他の学校で出題されたことがある標準問題です。
つまり、学校間で問題を融通しています。そしてこの範囲は意外に広くありません。上述の慶應義塾横浜初等部と早稲田実業初等部を受験する時点で、相当広い分野をカバーできます。

【2022年度】早稲田実業学校初等部の受験情報まとめ(学費・倍率・受験辞退率・試験内容・進学) | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

【2022年度】慶應義塾横浜初等部の受験倍率・試験内容・説明会・願書情報まとめ | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

この他も他校の過去問を繰り返し解いていくと、保護者様が問題をパッとみた瞬間、問題の出題可能性を見極めることができるようになります。小学校受験において、その出題範囲は過去の経験則で決まります。この法則は、数多くの問題を経験して見極めるしかありません。

これができるようになると何が良いかというと、お子様がお教室や模試で問題を解いて間違ったとき、復習の重要性を判断することができるようになります。この取捨選択の判断は非常に重要となります。

幼児教室は一部で超難問を課しますが、その趣旨は「あきらめずに解く姿勢」を求めたりしています。
このような出題可能性がほぼない問題を復習するために多くの時間を要するのであれば、やはり非効率です。

特に、小学校側は、幼児教室で鍛え上げられた難問奇問を解ける子供を求めていませんのでこの点も留意しておきたいです。

【小学校受験】おすすめ過去問題集:学校別対応表(伸芽会・ニチガク・理英会・こぐま会) | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

ポイント:過去問研究は必須。たくさん取り組むと、受験で対策が必要な試験範囲が見えてくる。

学習習慣の早期確立

新年長の冬の間に、ペーパーをどこまで仕上げられるかが勝負、とよく言われます。
これはその通りなのですが、厳密にはこの時期までに、どれだけお子様の意思に基づく学習習慣を確立できるか、が重要と思っています。

なぜなら、嫌々取り組むペーパーでは親子ともに疲弊してしまうからです。
小学校受験は「幼児のうちから勉強させて可哀そう、、、」というイメージを持たれがちですが、これはお子様が勉強が嫌いであるにもかかわらず無理やりやらせている場合のお話です。

小学校受験の学習分野はペーパー、行動観察、巧緻性、絵画、運動、口頭試問など多岐にわたりますが、ブログ内アンケートの結果では、この学習を過半数のお子様は楽しいと感じて通っています。子供は先天的に学びに薄味の好奇心があります。

子供らしさと言いながらテレビアニメ、テレビゲームやスマホに熱中する時間を長く与えていたとしたら注意が必要で、幼児がもともと持つ好奇心が誘惑に負けてしまわないように注意を払う必要があります。もっと楽しい娯楽があれば、意思も強いわけでもない幼児が勉強好きになるわけありません。

必要な学習時間は、志望校によって変わっていますし、個人差が当然あります。
しかしながら、この前提は、学習習慣を確立すべく、お子様が抵抗なく学習できてこそです。

無理ない範囲で学習を進め、お子様がある程度自走して、学習できるようにしてあげてください。
脳科学的にも、その習慣が自信に変わり、学習が好きになる好循環にもなりえます。

東京大学薬学部の脳研究者、池谷裕二教授のセミナーに参加しました:認知的不協和理論と学習への活用 | まなのび:幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)


勉強しなさいと言わなくて良ければ、日々の学習は非常に楽になり、小学校受験の過酷な日々も世間で言われるほどではなくなります。

お子様が自分で学習できるようになり、学習習慣が定着すると、次は質の改善、学習量の拡大をしていきましょう。
ここは直前期に差がつきますが、前者は親の指導と子供の経験、後者はお子様のやる気に尽きます。

時間の目安がわからない、という方はまずは1時間を目安にして頂ければと思います。
慣れていない状況でこれ以上やってもお子様も大変ですから無理せずに。慣れたら時間は関係なくなります。

ポイント:お子様のやる気と学習習慣を確立すれば、試験直前期に伸びやすい

模試を有効活用した各論点の学習

学習習慣が根付いているお子様は日々の成果を確かめる場である模試の出来などを気にしますから、ここはできたけどここができなかった、など課題がわかると勉強するようになります。これも日々の習慣があってこその話です。

日々の学習成果を確かめるべく、大手の模試を定期的に受けて、学習が進んでいるか、立ち位置を常に確認しておくことをお勧めします。

春のうちに弱点に気づけば、どの分野でもまだ間に合います。

ペーパーの点数が悪いときは、本当にお気になさらず。できなかったことを復習することで成長することができたと前向きに考えるべきです。その後、その問題だけでなく、その論点の問題集を買ってきて、その日のうちに倍返ししましょう。

おすすめはこぐま会と理英会です。ランチ料金で30問取り組めます。

こぐま会「ひとりでとっくん」と理英会「ばっちりくんドリル」の比較 | 幼児教育と教材の効果を検証するブログ (grow-child-potential.com)

ペーパーは〇×で差がつきますので対策は欠かせませんが、難関校で合格ラインすれすれから抜きんでるためには、行動観察が重要です。模試を何度か受けると、行動観察の点数は、大手模試では割と同じ評価で安定します。

つまり、幼児教室で正確に評価されており、実際の試験でもそのように評価される可能性が高いということです。
模試の点数では、行動観察を重要視して頂ければと思います。

この他、絵画で悩んでいる方が多いかもしれませんが、絵画はほとんどの学校でその巧拙を見るのではなく、どのような発想で書いたのかを重視しています。教室では色々な説が飛び交いますが、創造力豊かに幼児らしい絵が描けるようになれば問題ないです。

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ポイント:模試で現状の立ち位置と、日々の学習の方向性を確認する

4月以降、幼児教室を信じる

ほとんどの方がお教室に通われていると思います。

中には成績が伸びず悩んでいる方も多いでしょうが、勉強のやり方ひとつでぐっと変わります。
学習方法は色々な視点でブログ内に書いてありますので、使えると感じたところだけ、ご参考として頂ければ幸いです。

お教室に不満がある場合、お教室に問題があるケースもあればそうでないケースもありますが、4月以降教室を変えるのは通常得策ではないと考えます。

転室後の先生もご家庭やお子様を理解するのに時間がかかりますし、そこが本当に良いかどうかわかりません。
年長になると色々とお子様もわかってきますので、保護者様もお子様も精神的に不安定になると良いことはありません。

また、転室後に面倒を手厚く見て頂けたとして、言われるがままに講座などを取り、多くの課金をすることになるでしょう。試験直前期は能動的な学習が重要となるので、一から十まで計画された学習プランはおすすめできないところです。

とは言っても、どうしても変えたい場合もあるでしょうから、その場合は+αで講座を取って試してみてからにするとある程度リスクヘッジはできますね。この場合もお金はかかってしまいますが、取り返しのつかない事態は避けられます。

うまくいかない場合、教室が問題というより、先生との相性が原因のケースも多いです。
少なくとも大手ではフォローできる体制は整っていますから、是非教室に相談してみてください。

ポイント:早い段階で幼児教室を確定し、信頼関係を構築する

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